断捨離で思いと経済の循環(極小版)

時節柄、身の回りの整理整頓に手をつけた。

ポップな言い方をすれば断捨離と呼ばれるモノかもしれない。

大掃除と断捨離を同義語に捉えていたけど、断捨離を提唱したやましたひでこさんの話を見てみると、ただの大掃除の話と違いそう。

少なくとも掃除のノウハウの話ではない。ノウハウに近いと言えば近いのだけど。

こんまりさんの話にも通ずる。

まあ、私にはどちらでもよくて、片付けたい気分になったから片付けようか、となった次第だ。

片付けのタイミングは一般的には年末、年度末だろう。時節的な区切りとなりやすいから。

他には個人的な区切りとなるだろう引っ越しとか結婚とか、そういうのもある。

気分を変えたくて片付けを敢行する時もあるだろう。

昔々、失恋をすると髪を切る、なんて話があったけど、あれも気分を変えたい一環なのだろうか?今もそれが理由で髪を切る人はいるのかしら?

片付けの話だった。

手をつけたのは本棚だ。

私の家は壁に作り付けの本棚がある。本の数は数えていないけど、見える本棚に置かれるレギュラーメンバーの本と、クローゼットに置かれる(目につかない場所に置かれる)サブメンバーの本に分かれている。

だいたい本棚は埋まっている。病院のベッド管理と同じで、いつ飛び入りが来てもいいように、本棚マックスにはしていない。余力を残している。

その余力が少なくなって、満床状態に近づいたのと、心理的なある理由で本を処分しようと思い立った。

手元にある本はいろんなグループに分けられる。

これからも読みたい本。
まだ読んでいないけど今後読みたい本。
1度は読んだけどもう読まないかもしれない本。
もう2度と読まない本。
買ってはみたけど1度も読んでなくて、この先も読まないであろう本。

などなど。

平たくいえば、読む読まないは別にして、「手元に置いておきたいな」と思える本と「手元に置いておきたくない」と思う戦力外通告本だ。

戦力外通告本は廃品回収に出したり、古本屋の買い取りに出したりする。

なぜ戦力外通告本が生まれるか?

本当に戦力にならないから?そういう気持ちもなくはない。

シンプルに私の求める内容や私個人の思想と、著者の表現する内容がかみ合わなかったり、今後二者が交わることがないだろうな、と思えると戦力外通告だ。

これは極めて機能的な選抜法方。

断捨離的?こんまり的?な選び方はちょっと違う。(ちなみに私は断捨離もこんまりもよくは知らない。すいません。)

その本とのエピソードで今後のつきあいを決めるやり方で整理を行うことにした。

自分で選んで買った本は、自分の知識や感性の変化、これからの見込みなど含めて線引きしやすい。「手に入れた理由が明確な上に責任が持てる」から。

誰かからもらった本、誰かのすすめで(不本意だけど)買った本、にはそうじゃない感情が本にこもる。それを呪いといえば言い過ぎか?

その相手との関係性がこじれると、その相手との関係によって手元に来た本の呪いが発動する。

相手との関係を清算できても、その本が目につくところ(つかないところでも)にあると、何かを発し続けている気がしてしまう。

気とか念とか呪いでも祈りでも、カテゴリーを分ければ「何らかの個別の情報」だ。

そのものがあるというだけで情報を発し続ける。そして受け取り続ける。

だから、その本にまつわる人との関係がこじれたとしたら、その人と距離を置いただけではなく、その人の情報が込められたモノとも距離をとらないと情報から逃れられない。

一言で言えば、思い出もろとも処分しよう、ってこと。

本には何の罪もない。

読む人が読めばおもしろいとか、ためになる、とか感じられるだろう。

かつての私も「へ~~」というほどにはためになった。今はそうでもない。

だから、手放す。(売り飛ばす。または自治会の活動の一端となる。)

本棚から抜き取り、いちおうパラパラとめくってみた。

何の未練も感じない内容だった。

中には、本に罪はないのだからそばに置いておこうか、と思える内容の本もあったので、その本は本棚に鎮座している。

人の呪いよりも本の情報が勝ったのだ。そういう時もある。

まとめてブックオフに持っていったら買い取ってくれた。

私にとって不要な情報を手放したのだから、誰かが手放した情報を引き取ろうかな~と店内をふらふらして、マンガを買うことにした。

前から気になっていた「響」。全巻セットとして売っていた。

先ほど買い取ってもらった金額に数百円足せば買える価格だったので、迷わず購入。

古本屋はこういう出会いがあるから好きだ。

思いの循環。

経済の循環。

普通の本屋さんも頑張って欲しいけど、ブックオフだけでなく小さいお店も含めて、古本屋も応援する。

私にとっては、いらない情報がそぎ落とせて清らかな気分になったし、誰かが手放した「私が欲しかった情報」が手に入ったので、大変気持ちがいい。

モノを減らすだけが断捨離じゃない、ね。(よくは知らないです。すいません。)

記事を読んでいただいて、共感していただけたらサポートをしてくださると嬉しいです。あなたからのサポートを、他の誰かに届けられるよう頑張ります。