雑な映画評「Diner」
「Diner」という映画を見た。
ヤングジャンプで連載されていたときにチラッと見たことがある。
けっこう「狂った」内容で好きだった。
漫画のDinerは好きだったけど映画はどうだろう?
蜷川実花さんが監督をされた作品らしい。
蜷川実花さんの作品は「ヘルタースケルター」しか見たことがない。
あれもなかなか狂っている作品だった覚えがある。
映像は美しかったなあ。
蜷川さんの描くDinerか〜、と楽しみに見てみた。
漫画の印象が強かったのでボンベロに少々物足りなさを感じた。
武田真治さんがボンベロを演じるのも見たかったなあ。
映画のボンベロがカナコに向かって話すセリフが印象に残っている。
”望みが叶わないことが生きる希望になっている人間もいる”
結果を出すとか、達成するとか、何かを成し遂げる喜びを得ようとしたり、そこを目指そうとする人は多い。
そこを目指すべき、と焚きつけるる人もいる。
それはそれでいい。
目指したいならそれで構わない。
でも、楽しいと感じる時間や幸せを得る時間は、「成し遂げた時、望みが叶った時」だろうか?
結局、その過程が一番楽しいと思う。
望みが叶ったことで得られる幸せって一瞬で消えていく感じがする。
叶わない望みに向かって、あれこれしているその時こそが「生きている実感」になっているように思う。
何も成し遂げていないことを恥じるような言い方をする人もいる。
そんなことない。
成し遂げようとしてあれこれやっていた時間は恥じることない。
逆に、望みを叶えてしまったが故にダメになっていく人もいた。
もしも、誰かの望みを叶えられる力を持っていたとしても、それは何か違う形に使うと良いのかもしれない。
例えば、その人の望みを叶えるために必要な課題を増やすとか。
誰かの望みを簡単に叶えてしまっては、その人の希望を奪ってしまうことになりかねない。
そんな情景を描かれていた。
というか、私はそのように受け取った。
たまに映画を見ると、胸に響く場面や言葉に出会う。
小説を読んでもそう。
だから、時々必要になる。
特に自分自身が乾いてしまっている時。
達成する喜びよりも、その過程を楽しみたい。
達成は一瞬で終わってしまうから。
ある一瞬の良い時ではなく、その過程に幸せを噛み締める。
その時間に希望が生まれている。
人生ってそういうことのような気がする。
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