こえだしろ

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『君たちはどう生きるか』を考察。ジブリブランドとその崩壊を、宮崎駿の視点から眺めたアニメ

※注意 この記事は、映画の内容のネタバレを大いに含みます。映画を視聴された方向けの記事になります。 見てきました。宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』 見終わった感想は…率直に言うと「どういう感想を持てばいいんだろう…?」と頭を抱えてしまったのが感想になります(笑) それは、自分自身の宮崎駿への思い入れの強さもあり、そこから何らかのメッセージ性を受け取らなければという気持ちもあったのかもしれません。 でも、驚くほど何も浮かばない。それくらい、この映画の内容は宮崎駿の「

    • 「千と千尋の神隠し」の本当のメッセージ④

      これまでの考察で、千と千尋の神隠しの映画は ・宮崎駿監督が現実の子供たちへ向けて作った映画 ・トンネルの向こうは、子供たちが大人の世界を模擬体験する場所 ・千尋は感謝することを覚えながら、大人の世界を浄化していった といったことを見てきました。 宮崎駿監督はこの映画で子供たちが元気になる姿を想像していたのかもしれません。 ですが、現実はそううまくは行かないでしょう。それは、数々の映画作品を世に送り出してきた宮崎駿監督だからこそ、一番よく知っているのではないでしょうか。 そ

      • 「千と千尋の神隠し」の本当のメッセージ③

        ※この記事は、映画「千と千尋の神隠し」を視聴した方を対象としています。内容には大いにネタバレが含まれますので、ご了承ください。 千と千尋の神隠しには魅力的なシーンがたくさんありますが、特に印象に残っているシーンをあげるとすれば、千尋たちが海の上を走る電車に乗っているシーンを上げる方も多いのではないでしょうか。 手に汗握るカオナシとの追いかけっこの後から一転、静寂でどこかノスタルジックを誘う静かな場面が流れます。 電車の乗客や窓の外に見える人たちは、半透明の黒い影たち。 そ

        • 「千と千尋の神隠し」の本当のメッセージ②

          ※この記事は、映画「千と千尋の神隠し」を視聴した方を対象としています。内容には大いにネタバレが含まれますので、ご了承ください。 千尋が迷い込んだのは「大人の世界」トンネルの先で、千尋は不思議な世界に迷い込みます。 そこで、頼れるはずの両親が豚に変身してしまい、彼女自身の存在すら消えかける大ピンチを迎えます。 しかし、偶然出会った少年ハクの超優秀なサポートにより、油屋というお風呂屋さんで働くことができ、一命を取り留めます。 次々と出現する異形の存在たち 黒い影として油屋へ移

        『君たちはどう生きるか』を考察。ジブリブランドとその崩壊を、宮崎駿の視点から眺めたアニメ

          「千と千尋の神隠し」の本当のメッセージ①

          ※この記事は、映画「千と千尋の神隠し」を視聴した方を対象としています。内容には大いにネタバレが含まれますので、ご了承ください。 2001年7月に公開された宮崎駿の映画「千と千尋の神隠し」は、その美麗で幻想的な映像、個性的なキャラクター、そして独特の世界観で当時の人々を魅了しました。それは2020年の劇場版「鬼滅の刃」無限列車編公開まで、長らく日本の興行収入最高記録を保持するほどの大ヒット作となりました。 この映画は、その約2時間の映像の中に数々の謎を散りばめ、視聴者の想像

          「千と千尋の神隠し」の本当のメッセージ①

          『すずめの戸締り』が伝えたかった事を考える

          ※この記事はネタバレを含みますので、映画を視聴された方を前提に書かれています 新海誠監督の最新作、すずめの戸締りを視聴してきました。 迫力ある音や映像、笑いあり涙ありと、純粋にエンターテイメントとして楽しめたのですが。その反面、なんとなくしっくりこないというか、「?」と思う部分がありました。 震災を映画のテーマに絡めてきたので、日本人なら誰でも感じている地震への恐怖やトラウマと絡めて解釈してみたのですが、それだと何かが繋がらない。なんとなく消化不良気味。 モヤモヤしつつ

          『すずめの戸締り』が伝えたかった事を考える