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立ち戻るための本:「センス・オブ・ワンダー」

私の好きな英単語のひとつに、Wonder(ワンダー)があります。

Wonder(ワンダー)は、美しいものなどを見た時の、感嘆や驚きを表す英語です。感嘆、驚嘆、賞賛、奇跡、素晴らしい、極めて優れたと感じた時に表現する言葉です。それから、何だか分からないけれど、不思議で素敵な現象、みたいな印象があります。

有名なのは、Winter Wonder Land(ウィンター・ワンダー・ランド)がありますね。クリスマスソングで、雪がキラキラ光る夢のような冬の世界で過ごす、幸せな時間についての歌です。曲調もとても楽しげ。

他には、Wonder Boy(ワンダー・ボーイ)という表現もよく聞きますね。神童、若くして大成功した青年、時代の寵児などを表します。


さて、前置きはこのくらいにして、「センス・オブ・ワンダー」の紹介です。

レイチェル・カーソンの代表作に、いまも多くの人々に読み継がれている名著「沈黙の春」がありますが、この「センス・オブ・ワンダー」は彼女の遺作として、彼女の友人たちによって出版されました。

本書で描かれているのは、レイチェルが毎年、夏の数か月を過ごしたメーン州の海岸と森である。その美しい海岸と森を、彼女は彼女の姪の息子である幼いロジャーと探索し、雨を吸い込んだ地衣類の感触を楽しみ、星空を眺め、鳥の声や風の音に耳をすませた。
その情景とそれら自然にふれたロジャーの反応を、詩情豊かな筆致でつづっている。鳥の渡りや潮の満ち干、春を待つ固いつぼみが持つ美と神秘、そして、自然が繰り返すリフレインが、いかに私たちを癒してくれるのかを、レイチェルは静かにやさしく語りかけている。

そして、レイチェルが最も伝えたかったのは、すべての子どもが生まれながらに持っている「センス・オブ・ワンダー」、つまり「神秘さや不思議さに目を見はる感性」を、いつまでも失わないでほしいという願いだった。
そのために必要なことは、「わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる」ことだという。

本文中に挿入されているメーン州の海辺、森、植物などをとらえた写真も美しい。『沈黙の春』と同様、読者の魂を揺さぶらずにはおかない1冊である。(清水英孝)

(アマゾンの商品説明より)

この説明文がまず素敵で、豊かな自然の情景が目に浮かび、今すぐにでも自然を感じられる場所に行きたくなります。


私は年々、自然の素晴らしさを再発見するようになり、また学びを深めているのですが、そんな時に出会ったのがこの本です。

シンプルな表現と美しい自然の写真とで、自然に対する思いがより一層増します。それから、自然界を探検することの素晴らしさを教えてくれ、理由は分からないけれど、ただただ「わぁ、すごい!」という、忘れていたあの頃の感覚が呼び起こされ、暖かい気持ちになります。


Uターン、Iターン、またデュアルライフ(田舎と都会の2拠点生活)生活者は年々増え、神社仏閣への参拝者の増加、アニミズム信仰(生物であろうとなかろうと、この世のすべてのものには魂や霊が宿っているという考え方)の縄文文化が注目を集めていること、エコロジーに対する意識の高まり、などなど、自然に寄り添った考えに重きを置くようになってきていると感じますし、この流れは今後もっと加速していくように思います。


私も年々、自然に対する意識は高まっていて、何でも感動するようになってきました(笑)。雲が流れている様子、花が咲く神秘さ、鳥の声の美しさなど、以前は何とも思っていなかった現象に注目し、その不思議さを味わっています。理由は分からないけれど、五感を使ってずっと味わってしまう生の神秘。

センス・オブ・ワンダー = 神秘さや不思議さに目を見はる感性」を再確認するにはピッタリの本、「センス・オブ・ワンダー」を読んでみてはいかがでしょうか?

私にとって、定期的に読み返し、ずっと手元に置いておきたい本の一冊です。


最後に、著者レイチェル・カーソン最後のメッセージをどうぞ。

子どもと一緒に雨の森に
出かけてみましょう。
自然は
嵐の日も おだやかな日も
夜も昼も
憂鬱そうに見える日も
子どもたちへの
一番大切な贈りものを
用意しておいてくれます。

(書籍「センス・オブ・ワンダー」の帯より)




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