ジェンダーカルトから子供を救え!〜戦う親達〜
1:母の叫び
教師とは名ばかりのジェンダー活動家達が学校内に蔓延し、幼い子供達に過激な性教育を施したり、偏ったジェンダー観を植え付けて思春期の生徒達を混乱させ、時には積極的にLGBTQの世界に導いている、という米国の教育現場の実態については、何度もレポートしてきたように思う。月刊WiLL2月号でもいくつか実例を紹介したし、LGBT問題をまとめたサイトFair Spaceでも、学校のみならず行政や医療機関までもが結託して自身の性別に混乱する子供を親から引き剥がせるシステムについて説明した。Twitterでもたくさんのクレイジーな教師動画や記事をツイートしてきた。
しかし被害者である子供、あるいはその保護者達が公に実名あるいは素顔を晒して声を上げる事例は非常に稀だ。ただでさえ子供がやり過ごすにはセンシティヴな問題であるし、例えばWiSPA事件でトランス活動家やANTIFAらの極左暴力集団に危害を加えられた被害者達のように、大人であっても危険が伴う。
今回紹介する事例はそういった意味でレアケースだ。なぜなら、まずジェンダー活動家教師達が組織的に狡猾な児童勧誘テクニックを指南するセミナーの内部がスクープされ、続いてその教師達による直接の被害者の存在が発覚し、母親が実名で学校側に抗議する動画がバズったからである。
まずはこの動画を見てほしい。娘を洗脳され失いかけた母親の怒りが響き渡る公開質問の様子だ。
この事件を詳しく報道したThe Epoch Times紙やDaily Wireによると、経緯は以下の通りである。
2:事件の経緯
娘の変化
問題が取り沙汰されたのはカリフォルニア州にあるブエナ・ヴィスタ中学校(Buena Vista Middle School)。被害児童の母親ジェシカ・コーネンは、当時12歳だった娘が「公平クラブ(Equality Club)」という呼称で実態を隠したLGBTQクラブ(GSA=ゲイ・ストレート・アライアンス・クラブという呼び方をする場合もある)に入部した際、顧問教諭らから誑かされたと考えている。娘は公平クラブの活動としてランチタイムを顧問教諭と共にする中で、「あなたはトランスジェンダーではないか」などと断定されるようになったという。
6年生の終わり頃、「わたしはバイセクシャルかもしれない」と娘はジェシカに伝えた。そして7年生も中盤に差し掛かったときジェシカは学校に呼ばれ、娘、教師のひとり、そして学校長と面談することになった。
そこで教師はジェシカに「あなたのお子さんは、トランスフルイドです」と告げた。トランスフルイドというのは男女性に囚われずジェンダーが流動的にシフトする者を指す。
突然のニュースに困惑したジェシカは、その場で泣いてしまったという。「わたしが娘のことを『彼女は』『彼女が』と女性代名詞で呼ぶので、教諭達は怒りを表わにしていました。でもさっと飲み込めるような事態じゃなかったんです。わたしは混乱して、完全な不意打ちをくらったように感じていました」とジェシカはThe Epoch Times紙に語った。
学校側はジェシカが保護者として「子供に対して感情面でのサポートを充分にしていない」と非難した。娘はこのとき既に学校生活の中で男性代名詞を使い、新しい名前で呼ばれ、ユニセックスのトイレを使用していた。
「娘は完全に操られていると感じました」とジェシカは振り返る。
娘が最初に両親の元に駆け寄ってくれなかった、そのショックに打ちひしがれるジェシカを、教師らは悪意に満ちた視線と勝ち誇ったような態度であしらった。
「娘は過去に一度、自分はバイセクシャルかもしれないと言ったきりでした。名前を変えたいとか、トランスジェンダーかもしれないなんてことは聞いてなかった。親として自分がちっぽけに思えました。」
警察と児童保護課
面談から数日後、なんとジェシカの家に地元警察がやってきて、「CPS(Child Protective Service、児童保護サーヴィス機関)のほうに通報があった」と説明した。警察官はジェシカの2人の子供達に家から離れたいかどうか質問した。
ジェシカは「まるでわたしがモンスターかのような扱い」と感じつつも児童保護課の要請に従い、職員と子供達を面談させた。幸い、CPSはそれ以上の介入は無用と考えたようで、学校関係者のように娘に対し男性代名詞を使わなかったから云々という叱責もなかったという。
しかしこの一件はジェシカを怖気付かせた。個人的なことや学校のことを下手に娘に尋ねることで、またCPSがやってきて子供達を連れて行ってしまうのではないかと不安になった。
自殺示唆
数回に渡る学校側との面談の中で、ジェシカは驚愕の事実を知る。学校側はかつてジェシカの娘がネットで自殺に関する情報を調べていたのを知っていたが、保護者であるジェシカと夫には連絡をせずにいたのである。ジェシカと学校側との溝はこれで決定的なものになった。
「許されることではありません。ジェンダーのことに限らず、教師が子供の情報を親から隠すのはいけません。」
そして今
ジェシカの娘は現在14歳である。ブエナ・ヴィスタ中学校を離れ別の学校に通う今、娘は生まれた時にジェシカ達がつけた女性名で通し、女性代名詞を使う。ジェシカが「本当にいいの?ブエナ・ヴィスタの先生が言ったように、望むなら男の子の名前だって」と尋ねると、娘は「ママ、あの人達は悪い人達だったのよ」と返したという。
「状況は良くなりました。違う学校に通って、違う環境で過ごして。誰も彼女を無理強いしませんから」とジェシカは言う。
数えきれない被害者
ジェシカの娘と家族は幸い窮地を脱したように見える。しかし、性別違和を訴える娘を持つ別の母親も匿名ながらThe Epoch Times紙に苦悩を吐露している。そしてその経験はジェシカ達と非常に良く似たものであるという。
「カリフォルニア中で起きてるんです。我が家のケースも同じです。学校に呼ばれて、娘の名前を変更すると言われて。数日後には家にCPSがやってきて。」匿名の母親は、学校側は児童保護サーヴィスを介入させることで保護者に圧力をかけ、ジェンダーイデオロギーに屈させようとしていると指摘する。「保護者にとって、CPSがいきなり家に来るなんていうのは怖いことです。驚くし、戸惑う。我々の親権が、子供のことを真面目に考えているかどうかもわからない教師によって揺るがされてしまうんです。」
同じく子供達をブエナ・ヴィスタ中学校に通わせるシェリル・ドゥフスは、過去6年間に渡って同校の過激なジェンダー教育やLGBTQイデオロギーを纏った活動を批判してきたという。今回一連の報道で、同校の教師達がLGBTQクラブの存在を親から隠すために「公平クラブ」という呼称を用いていたことが明るみになったが、それはシェリルを激怒させた。
「状況がひどいのは知ってましたけど、ここまでするとは。子供達を騙して親達に嘘を付く行為ですよ。友人にも複数いるんです。子供をブエナ・ヴィスタに通わせてて、みんなジェンダーのことで悩んでました。でも、もしここじゃなくて別の中学に行ってたら、子供達がジェンダーに混乱することもなかったんじゃないかって。ここの学区内だけの問題じゃないですが。どこも汚染されている。誰かが立ち上がって正しい方向に持っていかないと。」
3:教師の手口
州教職員組合によるLGBTQ+セミナー
さて、ジェシカが動画内で糾弾しているブエナ・ヴィスタ中学校の教員2名、カルデイラ教諭とバラキ教諭であるが、彼女達の「やり口」が流出したのは10月の終わりである。
2021年10月29日から31日の3日間、カリフォルニア州教職員組合(CTA)はパームスプリングスにてあるセミナーを催した。このイベントは、“2021 LGBTQ+ Issues Conference, Beyond the Binary: Identity & Imagining Possibilities(LGBTQ+問題会議、バイナリーを超えて:アイデンティティ&その向こうの可能性へ)”と銘打たれ、チケットは完売だった。
しかし驚くべきことに、「性自認と性的指向の問題に関して、保護者や保守的なコミュニティ、そして学校長を上手くかどかわす最良のテクニック」が、参加した教師達に伝授されるなど、非常に懸念すべき講演内容が明るみになった。講演者はなんと、生徒達のグーグル検索、インターネット閲覧記録、廊下での会話などを監視し、6年生を標的に絞ってLGBTQクラブに個人的に招待、そのクラブの会員名簿を参加生徒の親には積極的に隠しているとまで述べていた。
このセミナー内で使用された資料と音声ファイルをThe Epoch Times紙が入手し、11月20日付で詳細を記事にした。そしてティーンの間で爆増する性別違和や性別移行の現象に著書”Irreversal Damage(不可逆的ダメージ)”で警鐘を鳴らしたジャーナリストのアビゲイル・シュリアー(Abigail Shrier)も、本人のSubstackサイト上で”How Activist Teachers Recruit Kids(活動家の教師はいかに子供たちを勧誘したか)”で取り上げた。ちなみに保守派メディアはこの事件を教育機関の信頼を揺るがす由々しき事件として報じてきたが、大手リベラルメディアは未だに沈黙を貫いている。
親達は敵だ
5年生(日本の小学5年生)を教えるスコット・ミラーが行ったワークショップのテーマは「性的指向、性自認、表現を探求する勇気を育み、安全な環境を作る」というものだった。「そもそも11歳の我が子が、こういった通常の性教育からズレたジェンダー思想を学ぶ必要があるのか」と保護者が訝しむのはあらかじめ想定されており、セミナー内ではいかにして親達の監視の目を逃れるかという戦術の数々が語られている。教職員の仮面を着けたジェンダー活動家達は、子を思う親こそがジェンダー思想の布教に邪魔な存在であることを熟知しているのである。
例えば複数のセミナーで、ミドルスクール(日本の小学6年生から中学2年生に相当)のLGBTQクラブ、通称「ゲイ・ストレート・アライアンス(GSA)」の創設について参加教師達にアドバイスがなされた。その内の一つ、「中学生のクィア(Queering in the Middle)」というワークショップでは、中学生という年齢の子供がGSAのようなクラブに所属することを好まない保護者への対処法が紹介された。
ブエナ・ヴィスタ中学校の教師でLGBTQクラブの顧問でもあった問題のロリー・カルデイラは、参加者が録音したテープの中でこう語っている。
中学生向けのLGBTQクラブを運営するなら記録を残さないこと、そうすれば参加生徒の保護者に「お子さんはこのクラブにいません」と主張できるというのである。同じくジェシカに糾弾された問題教師のケリー・バラキは、同セッションの中で、自分のクラブの名前をより一般的な”GSA”ではなく、”Equity Club(公正の会)”、そして”You be You(あなたはあなた)”にしたと説明している。
生徒を品定め
セミナー参加者によって録音されたカルデイラとバラキは、"How we run a 'GSA' in Conservative Communities(我々はいかにしてゲイ・ストレート・アライの会を保守地区の中学校で運営しているか)"というワークショップの主催者だった。そのなかで、保守的な親が多いカリフォルニア州中央部のコミュニティで奮闘するジェンダー活動家教師としての課題について説明している。
彼らによると、LGBTQクラブの顧問教師達は常に「どうやって中学生をクラブに留め置くか」という問題に直面している。
録音されたカルデイラの主張は中学校教師として非常に奇妙なものだ。まるで束縛の強い恋人のようですらある。中学生という年齢や心身の発達具合を鑑みれば、ランチタイムに生徒が教師と一緒に座り、性的指向や性自認について語ることに熱中できないのも無理はないだろう。そこで教師達はある作戦にでる。
これだけでもプライバシーの侵害であり許されることではないが、バラキはさらに続けた。
メッセージ・コントロール
ここでカルデイラが口を開いた。
カルデイラは、この朝の校内放送を手伝う生徒が3人いるとして、得意げに続ける。
それにしてもカルデイラとバラキが言うように、生徒達のLGBTQクラブに対する関心が薄く、顧問がメンバーを維持するのも苦労し、保護者には反対され、校長もあまり好意的でないとしたら、一体なぜ教師達はクラブの後押しに躍起になっているのか。それに対しカルデイラは、「LGBTQやGSA系統のクラブ活動を運営している、あるいはしようとしている教員の皆さん、若者こそが変化をもたらす原動力ということを常に念頭に置いてください」と提案している。これにはあらゆる活動家達、例えば環境活動家なども深く同意するだろう。
無敵の終身雇用
さらに録音テープにはカルデイラとバラキが毎年開催する「いじめ反対プレゼンテーション」についての発言も含まれている。
この「いじめ反対」をお題目とした、イデオロギー色が濃いプレゼンテーションの内容が保護者に伝わり反発を招いたのだが、カルデイラとバラキはこの経験から学んだとして平然とこう言ってのけた。
音声を録音した参加者によると、バラキはプレゼンの内容に抗議した保護者からのメールを、会場の教諭達に説明し小馬鹿にしたという。保護者は、12歳の我が子と性的指向や性自認について話し合いを持つ予定はなかったが、学校側が率先してそれらのテーマを持ち出したことで、説明せざるを得なくなったとメールに綴った。バラキはセミナーの聴衆に向かって、「わかるわぁ、悲しいですよね?ごめんなさいね、随分ご苦労されたでしょ?」と保護者の苦悩を嘲笑した。「まあぶっちゃけ、あなたの12歳のお子さんは、全部知ってたんじゃないですかね?」
ある保護者は非常に強く抗議したため、校長がそれならばもう少し信条や方針が近い私立校に編入してはどうかと提案したという。カルデイラはそれに対し、「これ、我々の勝ちってことでしょう?我々はこれを勝利だと認識してます」と言い、更にこう続けた。
このようにマルチ商法やカルト教団の勧誘に勝るとも劣らない多様な戦術を駆使しながら、それでもカルデイラとバラキは満員の会場で堂々と主張する。
彼らのいう「一線」とはなんだろうか。それは善良な教育者の皮を被り、子供達をただ利用するジェンダー活動家ではなく、誰よりも我が子を慈しみ、健やかな成長を願う親達が引くべき線である。早急に子供達の置かれている教育現場を見直し、必要ならば転校やホームスクールも辞さない、その覚悟を保護者は持たねばならない。学校にどこまで任せ、教師がどこまで教え、そしてどこからは保護者の権限なのか、改めてその線引きがなされる時である。
4:学校の対応
The Epoch Times紙によれば、今回の音声流出が報道された後、問題のクラブは停止された。地区教育委員会とブエナ・ビスタ中学校のケイト・パガラン校長は、地区の保護者達に対し公式声明を出し、「今後、生徒がクラブを設立する場合、全ての活動内容の概要と資料を提出することが義務付けられる。またクラブへの出席簿は記録・保管され、クラブの会合前には保護者の許可が必須になる」とした。
また教師達のイデオロギー垂れ流しが懸念される朝の校内放送についても、毎朝のメッセージ内容は学校長が管理・配布することを発表した。
併せて「教師は学業以外の目的で生徒のオンライン活動を監視することは禁止されている」と強調した他、「セクシュアリティなどのデリケートなテーマを含むすべてのプレゼンテーションについては、州が承認した基準やカリキュラムに従う。まだデリケートなテーマの資料は、生徒に見せる前に保護者と共有する」と明記した。
しかし声明文に書かれたこれらのルールは問題解決には程遠い。満員御礼だった例のカリフォルニア州教職員組合LGBTQ+セミナーの様子からも、いかにジェンダー思想に傾倒している教師が多いかよくわかる。彼らは今回の件でますます保護者を憎み、舌打ちをしながら次はもっと上手くやるぞと既に秘密のワークショプでも計画していることだろう。子供達の心身の健やかな成長を誰よりも慈しみ、守ってやれるのは保護者達だけである。
(終わり)
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