見出し画像

次の世代を創る~更年期についてのインタビュー#1 奥田浩美さん


はじめに

こんにちは。wakarimi代表の高本玲代(たかもとあきよ)です。

今、私は「更年期夫婦のためのサービス」を提供しています。「更年期」や「夫婦のコミュニケーション」についてより自分自身の理解を深めたり、周りの皆様に知ってもらうために、現在活躍されている皆様に定期的なインタビューを始めました。

今回が初めてのインタビューなのですが、ゲストは奥田浩美さんです。(インタビューはWEBにて実施)

実はこの方との出会いがなければ私からこのwakarimiというサービスも生まれなかった、というほど私の人生にインパクトを与えてくださった方です。

奥田浩美さんは、国際的にも大きなITカンファレンスやプライベートショーのプロデュースなどを数多く手がけるウィズグループ代表で、海外×地域の事業や、高齢者×IT事業の立ち上げも手掛けてらっしゃいます。

更に、現在WOMBという、ウェルビーイング・ヘルスケア分野のインキュベーターも主催されており、私もこちらにチャレンジャーとして参加中です。

「頑張りすぎると体調が悪くなる」ことを見せるのは自分の務めという意識!?

高本: 奥田さんの更年期ってどんな感じだったんでしょうか?

最初に更年期と自覚したのは2011年で、重かったのが2013年の春でした。ひどい頭痛やむくみに悩まされて色々精密検査もしたけど異常が見つからず、という感じでした。そんな中海外にも飛び回りましたが、海外出張中も観光などはせずに、仕事の時間以外はホテルの部屋で休んでいました。

高本: その体調の変化をどのように受け止めていらっしゃったのでしょうか?

自分の母親が更年期がひどかったことや、自分が親の介護で寄り添ったり、肝付(鹿児島県)のおじいちゃん・おばあちゃんに寄り添ったりしていた経験から、その変化を「自然なこと」として受け止めていたので、自分だけが特別に大変な目に遭っているいるという意識はありませんでした。
でも、日本人ももっと海外のように「早くからきちんと(婦人科系のことも)医療や薬に頼る」「若いうちからホルモンの変化について知れるお医者さんをもつ」ということが大事なんではないかと思います。

高本: 私自身、周りに「更年期」ということを伝えるのに最初躊躇(ちゅうちょ)があったのですが、奥田さんはどのように周りに伝えられていたのですか?

私自身そういった周りの人の「変化」を受け入れてきた、という自信があったので、そういった自信があれば、(自分が変化したときに)「周りが受け入れてくれる」という風に思っていました。でも昔の女性は40代、50代で「男性に負けたくない」という気持ちもあり、自分の体調の悪さを周りに言わずに我慢してきましたよね。でも今自分がしんどいときにその辛さを伝えないと、その「十年後」「二十年後」は女性はどういう目に遭うんだろう、という気持ちがありました。ある意味自分の為、というよりは次世代の為と思って敢えて体調の悪さは周りに見せていました。

奥田さん1

更年期世代の意味が昔とは違っている

高本:

 PMS(月経前症候群)や、妊娠・出産・子育てに対しては、少しずつ社会の理解は得られてきているのかなと思います。一方、更年期はまだまだだな、という思いがあるのですが。

昔、更年期を迎えるころはもう寿命を迎えるようなライフサイクルだったんだと思うんですよね。だから、更年期=高齢者で縁側で座って生きられたんじゃないかという気がするんです。でも、今は平均寿命もずっと延びていて、閉経後に50年とか生きる時代が来てますよね。更年期が人生のどんなタームに来ますかっていうような時代背景と照らし合わせた論理的なことを言う必要があると思っています。

(奥田さんへのインタビュー後実際調べてみた更年期VS平均寿命の状況▼)

wakarimi-更年期3

今は更年期を「子供が成人するかしないか」くらいで迎えるわけですよね。そうやってその後50年生きていくって考えると、閉経後にちゃんと社会の役割を担うように私たちはデザインされていると思います。なので、やっぱり「次の時代にまだまだ何かを残せって言われているんだよ」って言う風に思っていて、私は実際次世代を育てているんですよ。

更年期は今後の夫婦の在り方を考えるきっかけにできる

高本:  更年期に関してもっとパートナーの理解や協力を得るために、どんなことを伝えていく必要があるでしょうか?

更年期は今後の自分たち夫婦の在り方を考えるうえで、一つのよいきっかけになると思うんです。サポートされる奥さんだけが何か得られるものが大きいと考えられがちだけれど、そうじゃなくて、「老後を考えるにそれぞれの体のあり方、メンタルのありかた、みたいなもののバランスを一度家族で考えませんか?」っていうのがいるんじゃないかと思います。お互いに「自分が体が悪くなった時にはどう接してほしいか」ということを伝えてみる。例えば、私と夫では、入院したときに相手にして欲しいことは全然違うと思うんです(笑)。

理解する気がないから幸せ

高本: いつも夫婦仲が良いなと思う奥田さんですが、何かよい「コツ」はありますか?

結婚すると「(価値観などが)重なっている方がいい」と思ってみんな失望してると思うけど、うちの夫婦って「理解する気がない」から幸せな気がしています。相手が何をどう思っているのかっていうのが8割くらいはわかんなくっていいや、って。相手が嫌いなこと、不愉快なこととか大切にしていること、といった、すごく中心的な部分だけを知っておく。そして相手が嫌いなことに対しては「どうにかしよう」と思うのではなく、そこは「まぁいいや」と。そしてどうせお互い理解できないんだから「きちんと言わないと伝わらないですよ」というルール作りができていることだと思います。

いつも自己紹介の時に『未来から来ました』とおっしゃる奥田さんは、当たり前を破壊し新しい未来を創り続けておられます。

今は更年期で辛くても周りに話したり、頼ることがためらわれる時代ですが、そう言った価値観を私も変えていく事に突き進んで行きたいと思いました!


奥田浩美さんのプロフィール

株式会社ウィズグループ 代表取締役
インド国立ボンベイ大学(現州立ムンバイ大学)大学院社会福祉課程(MSW) 修了。1991 年にIT に特化したカンファレンスサポート事業を起業し、数多くのIT プライベートショーの日本進出を支える。2001 年に株式会社ウィズグループを設立。2013 年に徳島県の過疎地に「株式会社たからのやま」を創業。「IT業界の女帝」という愛称を持つ。

・厚生労働省「医療系ベンチャー振興推進会議」委員
・厚生労働省「ヘルスケア・ベンチャーサミット」プログラム委員
・経済産業省 Jスタートアップ推薦委員
・経済産業省所管 情報処理推進機構(IPA)「IT人材白書」検討委員
・経済産業省所管 情報処理推進機構(IPA)「未踏IT人材発掘・育成事業」審 委員
・総務省「地域情報化アドバイザー」(2018まで)
・内閣府 アジア・太平洋 輝く女性の交流事業 検討委員(2018まで)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?