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ボブ・ディラン「ザ・マン・イン・ミー」の和訳

 ハーイ。
 今回も好きな曲の和訳。
 

 
 今回はボブ・ディランの1970年のアルバム『新しい夜明け』に収録の「ザ・マン・イン・ミー」。

 彼の曲としては非常に珍しく「ラララ…」と口ずさみながら始まるイントロと、能天気とも言えるくらいの明るい曲調が印象的である。
 
 彼のディスコグラフィの中でもかなり癖がない楽曲でもあり、汎用性も高いようで、海外では映画やドラマでフィーチャーされることもあるらしい。
 使用例で最も有名なのは恐らく、1998年のコーエン兄弟による映画「ビッグ・リボウスキー」ではないだろうか。この作品ではOPや主人公が気絶し、夢?を見ているシーン等で楽曲が使用されている。

    映画の内容は荒唐無稽で、間抜けな主人公たちが自分たちなりに事件を解決しようとしていくストーリーなのだが、曲の歌詞が少しダメ男ぽいところもあり、お互いの世界観が非常にマッチしている。
 私自身もこの映画を観るまでは「ディランにしては明るい曲だなあ」くらいにしか思っていなかったが、映画や歌詞を知ってからは聴き方が変わり、お気に入りの一つとなった。
 なので、映画を未視聴の方は、歌詞と一緒に観てみて欲しい。個人的にはかなりいい作品だと思う。
 

 
The man in me will do nearly any task
And as for compensation, there’s little he would ask
Take a woman like you
To get through to the man in me

 
僕の中の男は 何でもそつなくこなす
少しだけ 報酬を欲しがるけど
そんな彼を 導き出すには
君のような 女性が必要なんだ
 
Storm clouds are raging all around my door
I think to myself I might not take it anymore
Take a woman like your kind
To find the man in me

 
僕のまわりには 暗雲が荒れ
もうムリだと 思いつめる
こんなときに 君のような娘がいれば
僕の中の男を 見つけられるのに
 
But, oh, what a wonderful feeling
Just to know that you are near
Sets my heart a-reeling
From my toes up to my ears

 
ああなんて 素敵な気分なんだろう
君が近くにいると 気づいただけで
心が揺れるよ そしてそれが
爪先から耳まで 広がっていくんだ
 
The man in me will hide sometimes to keep from bein’ seen
But that’s just because he doesn’t want to turn into some machine
Took a woman like you
To get through to the man in me

 
僕の中の男はときどき 隠れてしまう
ただの機械のようには なりたくないんだろう
そんなときでも 君のような女性がいれば
彼を 導き出すことができるはず
 

 
 僕の中の男とは、なんでもできる理想の自分や、本気を出したときの自分のことを指しているように思う。
     君さえいれば本気を出せるのになあ、みたいなニュアンスなのかな。
 そんなちょっとダメ男ぽい内容をディランが歌ってるのも、ちょっと可愛い。

 
またね。
 

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