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介護士不足の問題は根が深いと思う。

こんにちは、youmeiです。


今回は介護士不足の問題について書いていきたいと思います。


巷では、2040年までに69万人の介護士が足りないとなっているようです。

介護現場の劣悪な現状が周知されている中、現時点で不足している介護士を補うのは難しいと思います。


介護士が酷い待遇なのは、私が転職前(数年前)から言われていました。

私は異業種からの転職で、転職前に当時の上司から『介護はクソブラックだから行かない方がいい』と忠告し引き止められたほどです。

他業種の方からするとよほど劣悪に見えるのでしょうか?


介護士に転職し、そこから数年働き介護福祉士を取りました。

複数の施設を経験し、介護士として様々な経験を積みました。


複数の現場で働いた結果、なぜ介護士が人材不足なのかというのを考察し書き出していきたいと思います。



そもそもなぜ介護士になりたくないのか

大半は低賃金だと思う

考えられる要点として、

・低賃金
・過酷な仕事量
・下の世話がある
・不規則な労働時間(24時間交代)

大きな問題としては、労働に見合わない低賃金だと思います。

ある程度の給料をもらっていれば、多少仕事がきつかろうが、仕事が不規則だろうが我慢できるからです。

低賃金の理由の1つとして、売上が決まっていることが挙げられます。


介護士の給料は”介護保険報酬”から出ており、どんなに頑張っても給料に反映されにくいのが現状です。



介護士独特の仕事【排泄介助・移乗介助】

あとは介護士独特の仕事でしょうか。

・入浴介助
・排泄介助
・おむつ交換

上記をはじめとした下のお世話が苦手な方が多いようです。

便失禁をされ上下の洋服を着替えを手伝う、便で汚れたシーツなどを片付ける、洗うなど直接排泄物に関わる業務も多いです。


他に移乗介助があり、ベットから車椅子・車椅子からベットと利用者さんを抱えて移乗させるのは、肉体的に特に腰に負担がきます。

体の使い方を学んでいないと、腰を壊します。

現に現場では、コルセットを使っている介護士が多くいます。


労働環境が悪い

場所にもよりますが、労働環境は悪いです。

・少ない人数で膨大な業務を回す。
・常勤のサービス残業が多い
・利用者自体の問題行動
・施設、運営会社によるもの


人手不足で少ない人数で利用者さんの生活の手伝いをしなければなりません。

そのため1人あたりの業務負担が増え、ますます辛くなってしまいます。

また24時間交代制のため、生活のリズムも作りにくく精神的・肉体的負担がさらに増します。


また利用者さんの問題行動があると対応のため、さらに厳しくなっていきます。


利益優先の事業所が増えてきた印象

介護とは本来”慈善活動”が大元です。

悲しい話ですが、施設・企業(特に株式)の中には”介護で儲けよう”という思惑が経営から滲み出ている印象を受けます。

私が経験した具体的なのは、

・現場、サービスの質を差し置いて事業拡大
・ベースアップ9000円のうち1000円しか職員の給与に加算しない
・コロナ慰労金(20万)を『退職するから』という理由でもらえない
・クラスター発生後、終息も確認しないまま、素人の判断で営業再開
・ネグレクトは日常茶飯事

介護士も人間ですから、本来もらえるのものが施設の都合でもらえないというのは、非常に不快な思いをするわけです。

そんな施設はさっさと転職した方がいいですし、こういった施設が介護業界のイメージを低下させているとも思います。


酷い施設になると、利用者さんの人権を侵害するような介護施設や、職員の安全(感染リスクなど)を鑑みずに利益を追求する施設もあり、”身の危険を感じる施設”もありました。


安全に働けない施設って本当にやばいと思いますし、儲け中心の施設で働いていると現場はどんどん疲弊していくと思います。


こういった本来、介護士がもらえる権利があるものを施設の都合でなんとでもできるようなら、いくら補助金が出ても介護士のものに届かないと思います。


若手は続かないし、ベテランからの技術・知識の継承も難しくなりそう

先ほど述べた労働環境ですと、当然若い介護士は続きません。


令和元年の介護士の男女の年齢層は、

男性は30〜49歳が大半の56.5%
女性は40〜60歳以上が大半の75%

のようです。

詳しくはこちらを参照ください。


こうなってしまうと、

・新人を育てられる人がいない
・ベテラン勢が引退して、豊富な知識経験を学べない

といったことが起こりかねないと思います。


その結果、待ち構えているのは”介護士の質の低下”だと思います。



問題の先送り、その場しのぎではもう現状維持すらできないと思う。

介護士の人手不足の問題は、もう詰み始めていると思います。


日本の人口減少や少子化で、そもそも若い方が少ないです。


働き手の総数が少なる中で、業界のイメージが悪く不人気の介護士になりたいと思ってくれる人は何人いるのでしょうか?

多くのベテラン勢が引退して、少数の若手介護士が入ってこれたとしても、人数的には赤字です。


それ以前に介護現場で自分を削りながら、踏ん張っている方々がいます。

その方々が倒れてしまい、介護がままならなくなるかだと思います。


限界は思っている以上に近く、この現状も私が思っている以上に深刻なのかもしれません。


最後に

世の中の介護士の方の中には、かなり過酷な労働環境で働いている方々もいらっしゃると思いますし、自分を削って毎日勤務されている方もいると思います。

ですが私は変わらない介護現場の現状を見て、自分を守るために非常勤になりました。

それでも現場仕事は大変です。


もう誰かが変えてくれることを待つよりは、自分の身は自分で守ることが大事だと思っています。


体を壊してしまったら誰も助けてくれません。

そうならないように立ち回らなければならないほど、介護現場は追い詰められているのかもしれません。


今回はここまでになります。

ここまでお読みくださりありがとうございました。





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