不登校変化グラフ

今不登校にあるみなさんへ 不登校の対策論 親編 6

成績はどうなる?

 進路について考える時に避けて通れないのが成績です。現在の高校受験ではほとんどの受験方法で中学校の成績が関係しています。そして、中学校の成績は単純に定期テストだけで決められていません。授業での理解や態度といった普段の授業の状態とテストの点数とを合わせて成績が決められています。
 こういったことはおそらく保護者の方も学校から説明を受けているでしょう。子ども達も成績どうつけられるか先生からちゃんと聞いています。
 なので、欠席が多い場合に定期テストをちゃんと受けても成績がつかない場合があります。
 欠席が目立つようになった段階で成績がどうなるのか、どれくらい欠席が増えると成績がつかなくなるのかなど、担任の先生と話し合う必要があるでしょう。

進路の選択肢について

 不登校のまま中学校を卒業することになっても行く場所がないということはありません。
 欠席状況によっては受験の選択肢がそれなりにあるでしょう。かなり欠席が多い場合でも、公立や私立の高校の中でも一部で不登校の受け入れに特化している学校やその為の枠を用意している学校があります。ご自身で調べたり、中学校の先生から情報をもらいましょう。
 不登校のまま中学校を卒業する場合の進路の大きな選択肢はやはりサポート校になります。サポート校はフリースクールの高校版のようなものです。通信制の高校と新しい高校がタッグを組んで、通信制の高校の卒業の資格を新しい学校のスタイルで勉強して取る感じです。何時に来て何時に帰るのか、週に何日通うかなどをその人のペースに合わせて決めれるような学校も多く、それぞれの人の事情に合わせた高校生活を送れる学校です。
 ただし、少し授業料が高めな所が多いようです。多くの学校が何度も説明会や体験会をしています。ネットやサポート校関連の書籍でどんな学校があるか調べておきましょう。
 興味がわけば一度見に行ってみましょう。お子さんが一緒に来てくれれば尚よしです。お子さんが最初来なくても気にする必要はありません。

家族の問題に向き合うべき?

 お子さんの不登校と向き合う中で心理相談を受けていると、家族の問題に向き合わざるを得ないような時が来ることもあります。
 心理の世界では非常に有名なカール・ロジャーズの逸話もあります。ロジャーズの元に子どもの相談に来た母親。何回カウンセリングしても子どもの問題は一向に良くなりません。そのまま最後の回になってしまい、そのカウンセリングも終わろうとした時、その母親はこう言いました。「ここでは大人のカウンセリングはやってないのですか? 私自身のことを相談したいのですが」 そこから母親のカウンセリングがスタートし、気がつけば母親の問題だけでなく、子どもの問題も改善に向かっていきました。
 確かに、こういったことはあると思います。不登校のお子さんを抱える中で自分自身の問題といつの間にか向き合い、親子共々いい方向へ行く。また、家族全体の問題が不登校をきっかけに浮かび上がってくるようなこともあります。
 ただ、お子さんの不登校を何とかしようとする中で自分自身や家族全体の問題と必ず向き合うべきかといわれると、私は必ずしもそうではないと思います。
 大事なことは柔軟に構えることです。自分や家族の問題と向き合うかもしれない。これくらいの態度でいる方が変に力が入らずいられるかと思います。気がついたら、子どもの問題だけでなく自分の問題や家族の問題とも向き合ってたみたい。そんな感じでいいのではないでしょうか。

学校へ行かないは苦しい

 お子さんの心理についてもう一言。 
 学校に行かないでいる様子が楽なように見えることがあるかと思います。ゲームなどを長時間してたらなおさらでしょう。
 多くの不登校の生徒達と関わってきた私からはっきり言えることがあります。ほとんど全ての不登校の子ども達は学校に行けない、行かないで家にいることを苦しんでいると思って間違いないです。
 大人で失業した時のことを想像してみましょう。仕事探しもうまくいかず、探す気力も萎えてきます。家にいて手持ち無沙汰な時間が増えることでしょう。でも、そんな状態で家にいる時に楽だなぁと感じている大人はほぼいないはずです。
 不登校の子ども達もそれと一緒です。もちろんどこか別に通う場所があったり、卒業後の進路がはっきりしていれば、変に不安にならず苦しくなることは少ないかもしれません。しかし、先が見えない状況ではどんなにゆったりした時間を過ごしていても不安でいっぱいな人が多いはずです。
 不登校のお子さんが家にいて楽にしているように見えたら、失業した自分をイメージしてみましょう。
 


 
自分の時間を持ちましょう

 お子さんの不登校は長期戦になることが多いです。なので、短期的に無理の効く頑張りでやっていくのはやがてきつくなっていきます。そういった長期戦を乗り切るには無理なく続けられるペースでやっていくことが何より大事になります。
 そして、もう一つ。子どもへ集中し過ぎないということも大事になります。もちろん、不登校の子どもを放っておくというわけにはいきませんが、子どもに全集中というのも長続きしません。子どもに集中し過ぎて保護者自身がつらくなっては子どもにとってもいい影響を与えません。
 長い目で見ると、保護者が保護者自身の人生を大事にすることが最も子どもの不登校の改善に効果があると思います。子どもについて色々動きながら、しっかりと自分の人生を生きることがとても大事になります。
 保護者の方のどちらかがが仕事を辞めたり、減らしたりする決断をすることもあるかと思います。どう決断するかはそれぞれの事情によると思いますが、保護者自身が自分の人生も大事にするという感覚をどこかに持ち続けてほしいと思います。
 お子さんは親を見てますので、親が不安を抱えながらも自分の人生を生きているという姿を見せることが子どもにとっても心理的な安定をもたらすはずです。

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