不登校変化グラフ

今不登校にあるみなさんへ 不登校の対策論 親編 3

学校との距離を保とう

 かなり強調してお伝えしたいことです。お子さんと学校との距離に関わらず、親御さんは学校とのやり取りを密にすべきです。
 これは後に出てくる適応指導教室やフリースクールに通うことになったとしても同じです。たとえ学校に行かなくても、親子が学校にいい印象を持っていなくても、お子さんがその学校の一員であることには変わりありません。また、学校は様々な行政の支援や情報の窓口となる場合もあります。進路選択という次のステージについてのことも学校は深く関わってきます。学校とのパイプは必ず維持しておきましょう。
 お子さんがいつ学校に戻るのか、それは誰にも分かりません。学期や年度の替わり目でパッと学校復帰することも珍しいことではありません。学校に戻るわけがないと決めつけてしまうことはそういった可能性を潰してしまうことになります。
 学校とつながっていることで色々な学習のプリントやテストをもらえます。活用についてはうまくいかないこともありますが、もらっておくのは大事です。担任の先生が声をかけてくれて、友達が家に来てくれることもあります。
 さて、学校とのつながりを密にと言っても、どれくらい密にすべきかはケース・バイ・ケースです。保護者が全員働いているということも今は多いでしょう。いいことではありませんが、学校が荒れていたり不登校がとても多かったりして一人の不登校に担任の先生があまり時間を割けないということも少なくありません。大切なことは学校とのつながりを絶やさないことです。無理して続かないようでは元も子もありません。

学校の先生と何をする?

 学校の先生と何をしていくのか。ほとんどは先生主導で進むので心配ないと思いますが、どんなことが行われるのか書いておきます。
 主な作業は学校復帰の起点づくりです。いつから行ってみようとか、みんなが帰った後に一度学校に来てみようとか、お子さんに合わせた様々なトライが提案されるでしょう。教室には入れないけど学校には行けそうという子には保健室登校などの別室登校が提案されるかもしれません。もし、はっきりした原因がある場合はどうしたらそれを解消できるか話し合われます。
 全く学校に行けないという状態なら担任による家庭訪問が定期的に行われるはずです。お便りや授業で使ってるプリントや定期テストを持ってきてくれることもよく行われます。プリントで自宅学習を進めることは難しいかもしれませんが、本人がやる気になった時にやれるものがあるだけでも意味があります。何より担任の先生が自分を忘れていないということが子どもに伝わることは大きな意味があります。
 ただ、こういったことは本人が学校に対して強い拒否感を持っている場合には保護者と先生で話し合って慎重に進めていく必要があるでしょう。

どこかとつながろう

 学校以外に不登校になった時につながった方がいい機関や人についてあげていきます。

  スクールカウンセラー
 相談窓口として、スクールカウンセラーや教育相談室にはぜひとも一度会ってみてください。
 今は中学校ならほとんどの学校にスクールカウンセラーがいるはずです。週一日か隔週に一日で日中しかいないので、保護者の方の仕事の都合では会えないこともあるかもしれませんが、できるかぎり一度会ってみるといいでしょう。
 スクールカウンセラーとどんな話になるのかはかなり色々なケースが考えられます。会って話をしてみて、いい印象を持ったら継続的に会って学校とのつながりのもう一つの起点とするのがいいかと思います。一つ目の起点は当然、担任の先生です。

  教育相談センター(教育相談室)
 スクールカウンセラーとは別に大半の地域には教育相談室があって教育相談員といった名前の相談員さんがいます。教育相談室には後述する適応指導教室がある場合も多いでしょう。
 教育相談員の多くはスクールカウンセラーと同じ心理の専門職です。ではこの二つはどう違うのでしょうか。スクールカウンセラーは学校のカウンセラーとしているので、学校で相談を受けられるというだけでなく、その学校の事情を熟知し、学校とのパイプ役となってくれることも多いです。ですが、学校とのつながりは場合によってはマイナスに感じる方もいることでしょう。教育相談センターは学校ではない場所にあり、学校とは直接のつながりはありません。学校とつながりのない場所でじっくり相談したい方は教育相談センターの方がいいでしょう。また、後述する適応指導教室が教育相談センターの中にある市町村も多いので、適応指導教室への通室を検討される方は教育相談センターへの相談が有効です。 

  適応指導教室・フリースクール
 この二つはお子さんが学校の代わりとして通う場所です。
 市町村によって多少名前が違うかもしれませんが、ある程度の規模のある市町村には適応指導教室という不登校の児童生徒が勉強や活動をする場があります。学校と同じく市町村の施設であり、通室は学校への出席と同等として認められています。利用自体は無料です。学校より遠いところにあることがほとんどで、その場合は交通機関を使ったり、車で送っていくことになります。町村などによってはないところもありますが、近隣の市の適応指導教室に通えることもありますので、お住いの町村に適応指導教室がない場合は教育相談センターや学校で聞いてみてください。
 適応指導教室は行政がやってるだけあって、その雰囲気は学校に近いかもしれません。心理や教育の専門の職員さんがいたり、退職された先生が勤務されていることが多いようです。ほとんど小さな教室というところもあれば、勉強以外の活動が多く学校よりも民間のフリースクールに近いようなところもあります。どちらかといえば、後者の方が多いでしょうか。どのような適応指導教室でも通室する日や時間は本人の状態に合わせてかなり柔軟に対応されます。学校との連携や情報交換をしてくれるところも多いです。
 一方、フリースクールというのは民間でやっている不登校の子ども達の居場所です。フリースクールは子どもが通う場所としては非常に手厚くサポートしてくれる場所ですが、民間なので塾と同じく通うのにお金がかかります。また近くにあると限らないので交通費もかかることが多いです。地方でも主要都市に近いところにはあることが多いと思いますが、それ以外ではまだまだない所が多いようです。フリースクールは適応指導教室以上に場所によって雰囲気や活動が違いますが、不登校の子どもにとって配慮してくれていやすい場所であるところは共通してるかと思います。多くの学校でフリースクールも出席と認められているようです。
 どちらも学校に行けない子どもが通う場所として有力な候補地です。場所によってだいぶ違いますので、見学や説明会で一度見てみるのがいいでしょう。本人が乗り気でない時はまずは親だけでも雰囲気を掴んでおくといいかと思います。

 不登校は長く険しい道のりになる可能性が高いです。多ければいいというわけではありませんが、様々な協力者を得て、助けてもらいながら一緒にやっていきましょう。

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