【高校生ボランティアインタビュー】 コロナ禍だからこそ、外に飛び出したいと思った。
今回の「高校生インタビュー」は、昨年11月に開催された「第9回 岡山高校生ボランティア・アワード」実行委員会の太田さんと上田さんのお2人にお話を伺いました。
中学時代から仲良しの、岡山県立岡山操山高等学校2年生のお2人。
ボランティア活動を通して、「自分のことも見つめる機会」として、活動が自分たちに与えるパワーについても共感できるお話でした。
同世代の高校生に伝えたい。仲間がいれば強くなれること。
高校入学と同時にコロナ禍を生きる、彼女たちの気持ちを深掘りしていきます。
―11月のアワードから3ヵ月ぶりですね。今日はよろしくお願いします。改めて、今年度のボランティア・アワードに実行委員会として参加してみていかがでしたか?
太田:楽しかったです。今まで人を引っ張っていく立場になったことがなかったんです。いつもはボランティアに行っても大人たちが提供してくれたものに対して、自分たちは受け身で参加していたし、学校でも先生が用意したものに「はい、やります」みたいな感じで。自分でやってみたいと思って応募したのは今回が初めてでした。
上田:普段は他校の人と関わることがないから、私たちが当たり前だと思ってることが違うんだなとか、いろんな意見が聞けてよかったかな。自分の考えが深まる機会にもなりました。
ーどういうところに違いを感じましたか?
上田:総じてですが、こういう考え方があるんだな、とか。かなり抽象的ですが、言葉で説明するのが難しいです。
ーいい気付きだったんですね。アワードの募集はどこで見つけてくれたのですか?
太田:ネットで自分で調べて見つけました。今年はコロナウイルスの影響で全く活動が出来ていなくて、自分たちで行動しないと機会すらなくて。「今年は」というか、私たちの代は1年生の頃からずっとコロナが流行っているので。
ー自主的に初めての応募をするのは、なかなか勇気がいりませんでしたか?
太田:大丈夫でした。
上田:申込も、せーので送りました!
ー2人は高校生になってから仲良くなったんですか?
上田:中学校の時から、書道部で一緒でした。
ー書道以外にも趣味があれば教えてください。
上田:推しを追っかけています(笑)自分の生活の活力になっています。
太田:趣味は写真です。JRC、写真部、国際塾の3つを兼部しています。国際塾は操山高校独自の部活動で、岡大留学生と英語で会話したり、コロナが流行っていなかったら本当はオーストラリアへ海外研修に行く予定でした。
上田:国際塾でも一緒のグループで探究活動しています。
太田:中学校の時にちゃんとしたカメラを買ったものの、時間が無くて出来ていなかったので、これを機にやってみようって思って。展覧会に出展したりしています。
ー写真って楽しいですよね。私もフィルムカメラで写真を撮っています。今学校で流行ってることはありますか?
上田:皆思い思いで、流行りとかあまりないかもしれません。自分の好きなものをそれぞれって感じです。
ー学校に行く楽しみは?
上田:友達に会うことです。お昼ご飯の時間は席も離れてて黙食なので、ただただ休み時間が楽しいです。
ー進学校って勉強に全力を注いでいるイメージがありますが、実際どうですか?
上田:行事に関しても皆いつも本気。勉強も勿論していますが、全部に全力投球って感じです。
太田:頭良い人は何でも出来るよね。行事も楽しめていて、勉強も勿論出来るみたいな。
ーここで少しJRCのことを聞かせてください。最近はどんな活動をしていますか?
上田:ジュニアレッドクロスの略称で、青少年赤十字といって、現在1万4千校を超える加盟校と345万人以上のメンバーがいます。普段の活動は老人ホームに出向いて、一緒にゲームなどを行ったり、コロナ禍になってからは、ZOOMで紙芝居を使ったクイズを作ったりしました。
ー他に学内でJRCの活動などはありますか?
太田:学祭の時は、自分たちで募金箱を作って募金活動をしました。一般参加者はコロナウイルスのこともあり入場できなかったので、早く外で活動したいです。
ーコロナが落ち着いたら、JRCでやってみたいことはありますか?
上田:外に出て行きたいです。画面越しだと伝わらないものが多い気がします。
ー以前にもJRCに取材したことがあってお聞きしたのですが、コロナウイルスが流行るまでは学校を超えたJRCの集まりもあったみたいですね。JRCには、高校生になったら入部しようと決めていたのですか?中学校にもありましたか?
太田:中学校にはなくて、卒業間近に早期入部の形で入りました。
ー中学校の時からボランティア活動に興味があったのですか?
上田:中学校の国際塾の時には、小学生の子どもたちに向けた学習支援に参加していました。
ー今までを振り返って、ボランティアを始めたきっかけを教えてもらえますか?学校で夏休みに決まった場所へボランティアに行く活動ってよくある話ですが、例えば入部するきっかけでもいいです。
太田:やったことのないことをやってみたい気持ちが強かったです。今は学校では活動出来ないので、自分で応募して色々やってみようって思っています。
ーボランティアを通して感じることはありますか?世の中に対することでもいいし、自分自身の気持ちの変化とか、些細なことでも。
上田:自分の活動が「誰かの役に立っている」という気持ちが、自分をポジティブにしてくれる。活動した後に結構前向きな気持ちになれたりします。
太田:挑戦してみたいことを実現できる場でもあり、かつ誰かが必要としてくれる事に対して自分が出来ることで還元できるっていうのが、ボランティアのいいところだなって思います。
ーボランティアをしたかったのはなぜですか?別にしなくても生きていけることですよね。簡潔に述べると、どんな感じですか?
上田:私は困ってる人に対して「助けたいな」って気持ちや、力になりたいなって想いはあるけど、なかなか行動までは出来なくて。こういったイベントを通して世の中に貢献できたらなって。
ーなぜ行動に移すのは難しいのでしょうか?
上田:周りの目とかすごい気になっちゃいます。1人で出来るかなって不安もあります。でも、ボランティア活動だったら仲間もいるし、出来るかなって。
ーその気持ち、これからボランティアを始めたいと思っている人にも伝えたいですね。
上田:そうですね。
太田:新しいことに挑戦できるいい機会だと思います。仲間と一緒に活動出来るのも大きいですね。
ー初めの一歩、勇気が出ない人はどうしたらいいと思いますか?
上田:ボタンを押せばいいだけ。やりたいって想いがあれば大丈夫、それが1番大事。
ーあなたにとってボランティアとは?
太田:人の役に立つ、かつ自分のやりたいことが出来る。やりたくない事を自ら進んでボランティアでやらないじゃないですか。自分の気持ちも満たされるし、社会の役に立つし、誰かが必要としているコアな部分というか。それがボランティアかなって思っています。
上田:確かに。自分の気持ちをポジティブにしてくれるもの。1人は不安だなって思うけど、誰かと一緒だと気持ちが強くなれる。
ーそういえば、ボランティア・アワード実行委員会への参加までの経緯は?
太田:「やろー!」って軽い感じで私から誘いました。
上田:LINEで送られてきて、「いいよー!」って2つ返事で(笑)時間にゆとりがある時期だったし、何か出来るならやるしかないって感じでした。
ー同じように「何かやりたい」ってウズウズしてる人は誘いやすいかもしれませんね。結構いると思うんですよね。知らせることが大事だなと思います。アワードのことは全然知らなかったですよね?
上田太田:知りませんでした。
ー来年は第10回目のひとつの節目になるので、是非エントリーで出て欲しいなと思っています。お2人は来年受験ですね。進路とかはもう考えてますか?将来の夢があったら教えてください。
太田:来年は忙しくなりそうですが、携わってみて面白かったので、発表で出たいと思っています。将来は、外国人がいる会社で働きたいです。中学生の時アメリカに行きましたが、現地の働き方が好きで、こういうところで働きたいって思うようになりました。本当は外国の会社に入りたいけど、日本で大きな会社に就職してスキルアップしてから海外に行きたいと思っています。
上田:法学部に行きたいと思っています。地元で地域の人のためになることをしたいな、くらいで今はまだ具体的には考えていないです。
ー対照的ですが、どちらの夢も素敵ですね。お2人がゆうあいセンターに初めて来た時の印象について教えてください。どうでしたか?
上田:センターって名前が会議室のような、もっと質素なイメージでした。奥には本もいっぱいあるし、全体的にカラフル。喋りやすいスペースだなって思いました。
太田:スタッフの人も優しくて、アットホームな感じの印象です。
ーありがとうございます。記事を読んでいる高校生にメッセージがあればお願いします。
太田:ボランティアをそんなに難しく捉えなくていいよって伝えたいです。周りに仲間もいるし、大丈夫だよって。
ー今日はありがとうございました。またいつでもゆうあいセンターに遊びに来てくださいね。
いかがでしたでしょうか?
今回はコロナ禍の高校生として学校生活を送る中、何か活動がしたい!とボランティア・アワード実行委員会に応募してくれた、お2人にインタビューをさせていただきました。
自分のペースでやりたいことに挑戦できることを身をもって体現してくれていると思います。
皆さんの中にも、お2人と同じようにコロナウイルスの影響で、元々予定していた学校行事や部活動、留学など海外に飛び出す機会も失われてしまった方が多くいらっしゃると思います。まだしばらくは、今まで通りというわけにはいかないかもしれません。
今世界中の学生たちが同じ状況の中、それぞれが今できる限りのアクションを起こしています。若者たちのパワーが少しでも伝われば幸いです。