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noteのデータアナリストチームでやったことの振り返り [2022年]

こんにちは、noteでデータアナリストをしているrinascimentoです。

2021/10にnoteへジョインして、早いもので1年が経ちました。スタートアップへ転職するとこんなにも時の流れが早いのか、と思うくらいアッという間の1年間。note社はもちろんのこと、データアナリストチームとしても色々チャレンジした1年だったので、何をやってきたのか振り返ってみたいと思います。

やったことは、おおきく3つ(+‪ α‬)のPartに分けてご紹介します。

  • 意思決定支援 Part

  • データドリブンカルチャー醸成 Part

  • アナリスト業務の効率MAX化 Part

  • その他

これから書くことは、note社に限らず、どのデータ分析組織でもたどっている道が多分にあるかと思います。このnoteがほかのデータアナリスト&分析組織のお役に少しでも立てましたら幸いです🙏🏻

<注>
樫田さんのメルカリ振り返りnoteがとてもわかりやすかったので、参考にさせていただきました。実は、樫田さんは2019-2020年にnoteのデータまわりのアドバイザーをしてくださっており、樫田さんの分析資料を読み漁れることは、noteの隠れた福利厚生だったりします。


▼意思決定支援 Part


①プロダクトチームへ担当制で分析支援をはじめた

noteにはさまざまな機能をつくっている、プロダクトチームが存在します。

これまでは、プロダクトチームから依頼を受けて分析をおこなう「受託型」の体制でした。受託型だと、どうしてもプロダクトチーム側の解像度やスピード感と差が出てしまい、機動的な分析→アクションが難しいことが課題でした。

そこで、各アナリストが各プロダクトチームに張りつく「担当制」を導入して、以下などをPdMと密連携しながら進めています。

  • KPI策定

  • ダッシュボード構築

  • アドホック分析(仮説検証・効果検証)

↓参考:note PdMのマガジン(皆さん多才です)


②「noteの街」の異常検知システムをつくった

noteの会員数は500万人を超え、いまや巨大な「街」となっています。

日々さまざまなことが起こっているnote内の変化をリアルタイムにキャッチして、すぐにアクション検討できるよう、通知するシステムをアップデートしました。

こんなクリエイターがいるんだ、こんなコミュニティが盛り上がっているんだ、とnote社員でも知らなかったことが発見されることもあり、noteは広大だわ…と日々感じています。

↓参考 : noteの街についてのCXO考察


③グロースモデル指標同士の関係性を深堀りした

noteでは、ひとつの指標を追うことはせず「グロースモデル」を大切にしています。

あらゆる人がnoteの街をとおして、創作をはじめ続けられる環境とするためには、各指標同士がうまく循環して、noteの街が健全に育っていくことが重要です。

グロースモデル図

ただ、各指標間の矢印がどれくらいの強さの結びつきなのか、ここにある矢印以外へも矢印が伸びていないか、といったグロースモデルの深堀りをする機会がありませんでした。

正直、相関だけでなく因果も追いかけはじめると無限に時間が溶けてしまうところではありますが、分析しがいのあるテーマとして今も取り組み中です。

↓参考 : グロースモデルについての解説note


④機械学習 × CRM高度化 にトライした

いまやnoteの会員数は500万人を超え、月間の行動ログにいたっては数億レコードにものぼります。

そのような大量のデータから知見を得るための1アプローチとしてML(機械学習)があります。

noteにはMLを用いてレコメンデーションの仕組みをつくるMLチームがありますが、もう少し社内の意思決定に近い部分でもMLを活用できるよう、データアナリストチームでも取り組みはじめました。

いまは、note proという法人向けサービスのCRM領域でトライしはじめています。法人クリエイターの皆さまがnoteをうまく活用できているか、ヘルススコアのようなものを膨大なデータをもとに予測し、ヘルススコアに応じたサポートをご提供しはじめています。

まだまだ道半ばですが、トライしがいのある挑戦的なテーマです。

↓参考 : MLチームの取り組みはこちら



▼データドリブンカルチャー醸成 Part


⑤社員がデータへアクセスしやすい環境をととのえた

Redash、スプレッドシート、Docsなど、データがさまざまな場所に散らばりアクセスしにくい状況だったので、それらのリンクを1つのスプレッドシートに集約しました

たとえば、以下のような定量データがすぐに確認できるようになりました。

  • 各チームのMonthly KPI 報告資料

  • note全体のPV/リファラー/note記事回遊数など

  • 最近盛り上がっているハッシュタグリスト

浸透しやすいよう、名前も「DataPot」と名付けました。新入社員など社歴の短い方には特に重宝してもらっているようで、手軽な割に効果のあった取り組みの1つです。

いまはスプレッドシートで作成しています、今後Webアプリ化も検討中

※「DataPot」のロゴは、こちらのサイトで作成させていただきました。数分でいろいろなデザインを自動生成してくれ、とても便利でした。


⑥全社員のデータ分析スキルの底上げをした

上記「DataPot」でデータへアクセスしやすくなったので、それらのデータをしっかり活用してもらえるよう、レクチャー会を全社員向けに実施しました。

↓レクチャー会の詳しい内容はこちら

また、もっと自分のほしいデータを取れるよう、任意参加でSQL勉強会も実施しました。

↓SQL勉強会の詳しい内容はこちら


⑦巨大ダッシュボードを導入した

より身近に「noteの街」のいまを定量把握してもらうために、執務スペースにもともとあった10面のディスプレイに、リアルタイム更新される数値ダッシュボードを設置しました。

社内の重要指標を日々意識できるようになったり、イベントや施策をおこなったときダイレクトに数値へ反映されることで社内で盛り上がれたりと、noteならではの活用ができています。

10面ディスプレイの様子
上を向くと「noteの街」のいまを感じることができます



▼アナリスト業務の効率MAX化 Part


⑧Snowflake × Looker を導入した

データアナリストチーム内では、今年最大級のインパクトでした。

Snowflakeの凄さについては、データ基盤チーム kubotaさんのスライドが詳しいので、ぜひ見てください(速すぎて飛んだ)


Lookerについても、試行錯誤しながら活用中ですが、今時点でも以下メリットを感じています。まだまだLookerのポテンシャルを引き出せていないので、来期はゴリゴリ使い倒していきたいです。

  • SQLを書き慣れないメンバーでも、ドリルダウン分析できる

  • 社内での指標定義のブレがなくなった(LookMLで定義を固められる)

  • 使いやすいダッシュボードがシュッとつくれる


⑨分析用データマートを整備した

note内には、大小さまざまなDBテーブルがあり、データ分析でよく使うものだけでも40~50ものテーブルがあります。

SQLを書くたびに、毎回テーブル同士をJOINしたり分析指標をつど作ったりしなければならず、学習コストやクエリ作成工数面に課題がありました。

なので、サービス別・目的別に分析しやすい状態になった中間テーブルをつくり、上記課題を解決しました。

note社内にはありがたいことに、データ基盤チームというデータエンジニアの方々がいるので、ラフな要件段階から一緒に相談しながらスピーディーに整備できたのは、データアナリストとしてはとても心強かったです。

↓参考:データ基盤チーム リーダー のインタビューnote


⑩データ抽出作業をセルフサービス化・自動化した

データアナリストチームは、社内のあらゆる部署の「データ抽出」請負人でもあります。

 正しいデータをスピーディーに出してnote全体の意思決定スピードをMAX化することは大事なのですが、データ抽出ばかりにアナリスト工数が割かれると、中長期的なデータ活用が滞ってしまいます

なので、定型的な抽出・毎回発生する作業は、なるべく「型化」してデータアナリストの手から離すようにしました。

2022年前半に以下アプローチで整備をすすめた結果、定型的なデータ抽出作業はほぼ無くなり、意思決定支援やデータドリブンカルチャー醸成といった重要issueへ時間を割けるようになりました。



▼その他


⑪UXリサーチ × データ分析 の連携を強化した

noteにはUXリサーチチームがあります。

ユーザーインタビューやアンケートなどを通して、noteの使い心地やアクセシビリティを調査・インサイトをみつけるチームです。

アプローチは違えど、プロダクト・事業の意思決定支援という意味では同じ方向性のチーム同士なので、より密に連携していけるよう、定期的な情報交換をはじめました。

インタビュー/アンケートから出たユーザーの「生の声」はデータ分析時の解像度を大きく高めたり、データから見えるユーザーの「実際の行動・ボリューム感」はUXリサーチ時の強力なファクトとなったりと、補完し合える関係性になっています。

定性 × 定量の両面で意思決定を推進していけるよう、来期はより連携強化を目指していきます。

↓参考:UXリサーチチームの紹介スライド


⑫Kaggleに挑戦した

業務からは離れますが、2022年は「Kaggle」という世界的な機械学習のコンペティションに挑戦し、上位入賞&メダル獲得できたことも、大きな出来事でした。

しかも、データアナリストチーム × データ基盤チームの混合チームで参加してのメダル獲得。チーム同士の結束力も高まり、何よりよい思い出となりました!

しかも、note社では、2022/9より新たな人事制度の1つとして、全社員に年間12万円まで技術関連の補助が支給される「テックチャレンジ補助」ができました。なので、会社のサポートを受けながらGCPやColab Pro+などのクラウド環境を使い倒すことができ、さらにKaggleへ取り組みやすい環境が整っています。

↓参考:詳しい振り返りは、以下noteにまとめています


⑬データアナリストチームが1→3人になった

なにより2022年の一番大きな出来事は、データアナリストが1→3人に増えたことだと思っています。

わたしは2人目としてジョインしたので、1人体制のときの状態を正確にわかっていないのですが、会員数500万人・月間の行動ログ 数億レコードという巨大サービスは、データを正しく見ようとするだけでも大仕事です。

なので、これまでご紹介してきた「やるべきだけど出来なかった」ことが、メンバーが増えたことでグングン出来るようになったことは、手前味噌ですがnote全体にとって大きな前進だと感じています。



さいごに

いかがでしたでしょうか?

いろいろ取り組んでいるように見えますが、まだまだやりたいことの一部なのが実態です。また、note自体もどんどん成長しており、それにあわせてデータアナリストに求められる役割・スキルも変化しています。

なにより、noteには会員数500万人超・行動ログ 数億レコード/月・クリエイターの皆さまが創作された膨大なテキスト、といったデータが文字どおり山ほどあります。

会社としてさらにデータを活用するために、2023年以降 noteの目指すデータ活用の姿を、こちらのnoteにもあるように絶賛議論中です。

データアナリストチームでは、これからのnoteをデータ面で一緒にドライブしてくれるメンバーを絶賛募集中です!

noteで働くこと、そしてデータアナリストの仕事が楽しそうだな、と思っていただけたら、ぜひご応募ください!!



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