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98年生まれの私が『愛していると言ってくれ』を同年代におすすめしたい理由

演劇ソムリエのいとうゆうかです。今回は演劇とはちょっと離れて(最近音楽の記事ばっかり書いてるくせにというご指摘はごもっともです…)、ドラマのこと。

祝!『愛していると言ってくれ』再放送!!

ドラマ『愛していると言ってくれ』がTBSで「2020年特別版」として再放送されることになりました。

放送日時は以下の通り。
5月31日(日)昼2:00-5:00
6月7日(日)昼2:00-5:00
6月14日(日)昼2:00-5:00
6月21日(日)昼2:00-5:00

本当に大好きで良作なドラマなのですが、再放送のことを知ったのが、第三話が再放送された後…。悔しすぎるのでこの記事を書いてこのドラマに対する愛を発散させてください。

◎『愛していると言ってくれ』とは?

1995年7月7日から9月22日まで毎週金曜日22:00 - 22:54に、TBS系で放送されたテレビドラマ。
〈キャスト〉豊川悦司 常盤貴子 岡田浩暉 矢田亜希子 ほか
〈脚本〉北川悦吏子
〈主題歌〉DREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE」

95年のドラマなのに、98年生まれの私がなぜ知っているかというと、19歳の夏休みにトヨエツ目当てで動画配信サービスで観たからです(何を隠そう私は美中年が大好き)。

簡潔にこのドラマの内容を説明するとするならば、

豊川悦司さん演じる聴覚に障害のある新進青年画家と、常盤貴子さん演じる溌溂とした女優の卵との純情なラブストーリーです。

障害を乗り越えて若い二人が愛を育む…という設定は今だって別段珍しいものではありません。それでも、なぜこのドラマが刺さりに刺さりまくるのか。そしてなぜこれを同年代にこそ観てほしいと思うのか。それは、このドラマが持つ

「今」に置き換えられない時代性

が貴重で尊いものだからです。

この作品が制作された95年から、25年が経ちました。その間に、通信技術は目覚ましく発達して、今やスマホは体の一部と言っても過言ではないくらい、私たちの生活はそういったテクノロジーに依存しています。

そんな生活しか知らない私たちの世代は、人と人が繋がるのが容易で、実際に会って会話しなくても即時のコミュニケーションが取れるのが当たり前。

したがって、会えない時間の切なさとか、約束をしないと次また会えるかどうかも分からないような危うさとか、そこに生じるフラストレーションは、薄くなっていると思います。代わりの他の問題は出てきていますが。

紘子(常盤貴子)と晃次(豊川悦司)のすれ違いだって、スマホがあれば解決するだろうな、ということがいくつも出てくる。

でももしそういう社会なら、相手のためにここまで?と思うような、愚直で不器用で愛しい人と人の姿はなかったかもしれない。劇中のあの温かい手話はなかったかもしれない。

こういった、社会の変化によって失われた繊細な部分は、過去の遺産に触れないと、若い世代はなかなか知り得ない訳です。だから、私たちの世代こそこのドラマを観て、人間関係のナイーブでイノセントなところを思い出してはどうだろう、と思うのです。

このドラマの魅力は語り始めたらきりがなくなってしまいますが、私が「同年代に」すすめたい一番の理由はこれでした。切なくて泣けて人を思う気持ちの美しさそのもののようなドラマです。

おすすめの理由をもうひとつだけ言わせてもらうとすれば、今も活躍している主演二人の若かりし頃の半端ない美しさを堪能できることです。今も素敵に年を重ねてますけどね!私も同時代を生きてみたかった…とも思うけど、絶対に不可能だからこそ余計に焦がれるというものです。

ともあれ、この他にもたくさん魅力が詰まっている『愛していると言ってくれ』、是非この機会に観てみてください!見逃した方も、放送後1週間以内なら無料配信中のようです、諦めないで…!

余談。

サムネは『愛していると言ってくれ』で検索した画面なんですが、この右端の画像なんでここに出てきちゃったの?!?!トヨエツ…年を取ってかわいさ増してる…。

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