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みんなそれぞれに喪失している【30-DAY SONG CHALLENGE⑩悲しい気分になる曲】

こんにちは。演劇ソムリエのいとうゆうかです。今日は音楽の話。
パートナー(HN:式部)と30-DAY SONG CHALLENGEを始めた記録です。
30-DAY SONG CHALLENGEの簡単な説明は以前のnoteに書いてるので、知らない人は読んでみてくださいね。

今日は10日目。今日のお題はこちら。

Day10 悲しい気分になる曲

私:楓/スピッツ

言わずと知れた名曲なのでことさら書くまでもないのですが、哀愁の漂う歌声と切なさを帯びた歌詞に感傷的にさせられます。

やっぱりサビの歌詞に掴まれました。

さよなら 君の声を抱いて歩いていく
ああ 僕のままで
どこまで届くだろう

この曲を最初に意識したのは、舞台の役作りをしていたとき

私が演じる役は、恋人との別れを決意した女性で、その恋人とは最愛の姉の元恋人だった。昔から姉とファッションやお笑いの好みが一致していた彼女は、姉の恋人を好きになってしまう。その矢先に不慮の事故で姉を亡くし、複雑な思いを抱えながら姉の恋人と交際することになるが、彼が見ているのは自分ではなく姉の「残像」だと気付いてしまう、というお話。

こう書くとドロドロした感じに思われてしまいますが、そんなことはないんですよ!切ないお話ではありましたが。

役作りをしているときにこの曲を聴いて、「君(=姉)の声を抱いて歩いていく」のは妹であり、恋人でもある、と思いました。姉の面影を妹に探している恋人と、それを分かってしまった妹。二人とも姉の死を受け入れつつも、それぞれに姉は最愛の存在だったがゆえに、未だに姉の輪郭をなぞろうとしてしまう。そして妹は「私のままでどこまで届くだろう、いや、届かない」と悟るのです。

そういう解釈をしてからは、個人的にはこの曲がこの舞台のイメージソングになってました。

次にこの曲が響いたのは失恋した時でした。
私の人生のプレイリストには失恋ネタが多い…だってそういうときこそ感性が鋭敏になっていろんなものが心に沁みるじゃないですか…!
まあ、この話はまたいつか。


式部:人生は上々だ/ユニコーン

この曲にする、と聞いたとき、正直ものすごく意外だなと思いました。悲しい曲だっけ?と思ったので。

でも、式部さんが話してくれた内容を聞くと、確かにそうとも取れるなと思ったので、以下に抜粋します。

「人生をとことん謳歌していく内容で、愛する人や自分がいずれは死に、それでもなお幸せそうに死んでいくことに、感動とはたぶん違うんやけど、主人公に感情移入すると泣きたくなるんよ」
「たぶん悲しみやと思うが」
「曲調も歌詞もぴったしなんよねー、人生楽しんで楽しんで死んだー!!って感じ。でもところどころに時の流れを感じさせる歌詞があって、それですごく懐古的になるんよ。んで、悲しくなる」

なるほど、そんな解釈もあるのね。
サビの歌詞は以下の通り。

おおマリア おおマリア
あなたなら分かるはず プラトニックな語らい
おおマリア おおマリア
いつまでも このままで 生きて行こうね 二人で

一般的に言われる男性同士の友情以上の絆を描いているという説は確実だと思われるけれど、自分なりに解釈をカスタマイズしてもいいよね。
男女の曲だと思ってもいいし、上々な人生にも時の流れを感じて感傷的になってもいい。

それに、この曲に描かれている上々な面もあれば、描かれていない散々な面もあるでしょう、人生には。そっちの部分に思いを馳せるのも、悪くない。


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