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日本の戦後を知るための12人〜中内功(ダイエー創業者)〜

「日本の戦後を知るための12人」池上彰(文芸春秋)

12人の中で全く何も知らなかった中内功さんについて。(以下、敬称略)

中内功(なかうち いさお):ダイエー創業者。純軍経験から物質的な豊かさの重要性を痛感。1957年に「主婦の店・ダイエー薬局」を開店。後に食料品も販売。バブル崩壊後に経営が低迷し2001年に会長職を退く。

ダイエーは安売り・駅近で人気を得る。安売りにこだわるのは、中内の戦争体験が影響している。
戦争中に飢えに苦しみ、死んだ仲間を食べるという噂を耳にする。

中内も飢えと闘いながら真っ暗な夜に仲間たちと「すき焼きを腹一杯食べたいな」と語り合った。

激しい戦争から何とか生き延び、「二度と戦争はしてはいけない!国民が腹一杯すき焼きを食べられる社会にしたい!」と考える。

薬局から始まり、食料品なども販売し牛を一頭買いしたり、当時では珍しかった好きなものを取ってカゴに入れレジで支払うという買い物の仕組みを取り入れる。(今では当たり前ですが、当時はアメリカのようだ…と消費者が喜んだそう)

調子が出てきたダイエーは全国の駅前に展開を広げていく。しかし、そこに郊外に大規模な店舗を作るイオンが現れる。

イオンは、広大な駐車場があり買い物するだけでなく子供を遊ばせたり映画館やレストランもあり主婦層以外からも人気を得る。

イオンは、元々はオカダヤというスーパーチェーンでジャスコ→イオンに名前をかえる。オカダヤ先代の遺訓が「キツネやタヌキが出るところに店を作れ」ということで郊外に大規模な店舗を作った。(イオンがあるところは田舎という話題がありましたが、経営戦略としての狙いだったんですね。)

駅前に店舗を展開したダイエーだが、郊外に複合型商業施設として人気が出たイオンに飲み込まれてしまう。

中内が駅前に店舗を作った時には車は男の乗り物であり、家族に1台は車を持ち主婦が運転して買い物に行くというところまで予想できなかった。

そして、ダイエーは時代に取り残されてしまった。。

現在ではamazonや楽天などネット販売が主流になり、時代の流れを読むことは非常に難しい。

この本では取り上げられている方々の良い点ばかりではなく、ダメだったところも取り上げられていて、「すごい人!」だけで終わらないところがgoodでした。日々勉強でございます。

補足:オカダヤの先代は岡田卓也さん。岡田屋を総合スーパーに業態変更。次男は衆議院議員の岡田克也さん。

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