【🚄旅レポ】初めての山口県～独自の視点も踏まえての陰と陽☯～

■旅のきっかけ■

世界４０か国以上巡ってきたけど、日本国内も色んな場所を巡ってきた。北海道も東北も四国も一周した。九州も半周くらいした。

お国様から「県をまたいでもいい」と言われたが旅は本来『自分が気持ちよくなるために行くもの』なのに、仮に行った先で”県境跨ぎの差別”でも受けたらどうしようと不安になって尻込みしてたりした。

でもこのままじっとしてても頭が狂ってしまいそうだったので、思い付きで旅にでた。今までちゃんと見たことのなかった『山口県』。

過去に山陽新幹線で通り過ぎたことはあったし、広島に行った”ついで”に錦帯橋に日帰りで行ったことはあったが、それだけで旅アプリなんかで「行ったことある県」と色塗りしていては山口県民に失礼過ぎるだろとずっと心苦しかった。なので、今回はちゃんと山口県に泊まって、『山口県をじろじろと見つめる会』をしたかったのである。

■行程■

【１日目】山口市内観光、市内の湯田温泉泊。

【２日目】レンタカーで日本海側（萩市・阿武町）へ。海鮮ずくし。港散歩。萩市内の遊郭に宿泊。

【３日目】萩焼窯元巡り→俵山温泉（長門市）立ち寄り湯→下関泊。

【４日目】下関名物・瓦そばランチ→福岡へ。

■「山陽」と「山陰・裏日本」■

ところで山口県に限らず「山陽」と「山陰」という分類にはどうも未だに地味～な”影”をおとしている気がしてならない。

山陽道。山陽新幹線。太平洋ベルト。日本人は積極的に「陽」の部分には触れてきたし、その露出と共に印象にも残ることも多い。

では陰は？未だ目上の方の中には山陰側を”裏日本”と呼ぶ人もいる。山陰といえば鳥取・島根のイメージが強いが、あのブランド都市・金沢の人でさえ「しょせん、金沢も裏日本やからねー」などと言う人もいて反応に困る。自虐なのか？突っ込んでほしいのか？

山口もしかり。錦帯橋、山口市、下関市など『表側』もいいけど、せっかくの一人旅ならやっぱり『裏側』も見てみたい。

ということで今回のメインディッシュは日本海側の「萩」においた。正直あとはどうでもよかった(笑)なりゆきまかせ～

■そもそも歴史の街「萩」■

萩といえば今や「地方の地方」みたいなイメージがあったが、江戸時代には長州藩（今の山口県）の中心は萩であった。幕末になり藩庁が今の山口市に移ったが、幕末に萩からうまれた志士（吉田松陰・高杉晋作・伊藤博文など）らが明治維新・新政府に影響を与えたのは周知の事実。

萩焼はこうして江戸時代に萩市が山口の中心だった頃、萩の藩主・毛利家の命によって朝鮮から渡ってきた（連れてこられた）匠達が起源。

ということで調べれば調べるほどかなり文化的な萩。「山口の山陰側の地方都市」という現代的な一片な見方だけれは到底わからなかった。きっと今でも萩市民の誇りは高いだろうに。

■観光地■

〈山口市〉正直、観光するところはそこまでないが五重塔（国宝）は圧巻！一見の価値あり！ガラガラ！見放題！その塔を有する瑠璃光寺というお寺、なんにも調べずに行ったけど「福井県の永平寺に造りが似てるな」と思ったらドンピシャ！曹洞宗のお寺でした。永平寺もそうでしたが、回廊の感じとか蓮池の感じとかが個人的に好み。こじんまりした永平寺って感じで、でもご利益ある仏様がたくさん鎮座していらっしゃりとても気に入りました。

〈萩市〉歴史好きは見所満載ですが、僕はそこまで”歴女”ではないので、好きな人はそれこそ松下村塾や伊藤博文・高杉晋作らの旧邸宅とかを巡ってみてください。たぶん一日では見切れません。※興味ない私は素通り(笑)

〈下関市〉北九州下関経済圏。マルハニチロのおっきな工場が印象的でした。※マルハはもともと下関本社。

■温泉■

山口市内の「湯田温泉」という所は、本当に市街地に突如温泉地があって、旅館がいくつも立ち並び別府みたい。どうせこんな街中の”チャラい”温泉地なら中身はしょうもないかな、と思ったら・・・サラっとした入りやすいとてもいい温泉でした。「湯田温泉」

俵山温泉という山中の温泉地らしい温泉地にも行きましたが、こちらも大きくはないもののとても良泉。温泉感は断然こちら。泊まりたいくらいの大自然。「俵山温泉」

総数もそこまで多くなく、「超有名」とか「インパクト大」な温泉地でもなさそうなんですが、どこも小ぶりで入りやすい良泉が多そう。

■グルメ■

山口県内どこに行っても「瓦そば（下関名物）」推しが強過ぎ！もちろん食べたし美味しかったけど（なんなら作れます）、日本海側なんて本当にシーフードパラダイス！新鮮！安い！お造り盛り頼んだら本当に盛り盛り♪僕は大好きな剣先イカがちょうど旬で、活きイカにありつけたこと大興奮！！しかも名前が神々しくて、男らしくて、触感もねっちょりしてて、いい♡(笑)「男命イカ」

山口さん、瓦そば以外にも美味しいもんちゃんとようさんありますやん。なんで隠してはったん？(笑)

ちなみに日本酒県だそうで、日本海側の珍しいお酒も沢山頂きました。今回のお気に入りは「このお酒、一見チャラっとしながら芯あるな」と思って調べたら飲んだイメージまんまの酒蔵さんでした(笑)・・・『阿武の鶴』

こういう発見もあるから旅は楽しい。

■山口県の陽と陰■

こっからは独自の視点で山口県を振り返りたいと思います。

萩で泊まった元遊郭旅館の亭主との会話。

僕「自粛明けの旅で正直、旅館や飲食店がどんな反応かな？と心配でしたが、山口の方、みなさん温かく迎えてくださって嬉しいです。みなさん、マスクもしっかりしてはりました(笑)」

亭主『山口県民はねぇ、お上の言うことは聞くんですよ。』

僕はひとり旅に行ったらその地元紙をじっくり読むようにしている。旅館のロビーにタダで置いてあったりする。（※今回はコロナで新聞は全て撤収・・・。ちゃんとコンビニで買いました、山口新聞。）

●イージスアショア問題・山口は本州の沖縄？

・・・ちょうど配備計画断念が発表されたが、県民の面持ちは複雑なようだった。基地に翻弄される県民。それは「沖縄」に代表されるが、山口もそうだなと思った。奇しくもイージスアショア問題で取り上げられた秋田も２年前に訪れた時にそう感じた。県民全体で１００万人規模＝京都市いっこ分と同等。しかも過疎化が進む県、限界を感じている県、そこに配備される軍隊、そしてきっと落ちるであろうカネ。この時ふと、「山口」と「秋田」は本州の「沖縄」だと感じた。※ちなみに現政権・菅官房長官は秋田出身。

●「お上の言うことは聞く」の真意とは？

・・・思えば初代内閣総理大臣も今の総理大臣も長州の方。ぞっとするほどに強い。でも思うにそれは山口県民の「誇り」でもあり「呪縛」でもあるように思う。『今の日本を作った（作っている）のは山口県民』ということは、自分たちが担いだ宰相はなんとしてでも支え続けなければいけない。ひいていえば、山口県民が明治政府という今の日本の根幹を作り、今もそれが脈々と続いているのであれば、今の日本のシステムを大きく変えることは自分たちを否定することに繋がる、と信じてやまないのではないか？

だからお国が基地が必要と言うなら受け入れる。実際もう基地はあるし、なんなら”進化”しようとしているんですから。

『山口県民はねぇ、お上の言うことは聞くんです』という一言に様々なことが詰まっているように思えて、僕は巧い返答が見当たらなかった・・・

ちなみに日本海を気持ちよくドライブしていたら「原発建設絶対反対」という古びた看板を見つけた。後に調べたらそういう計画もあったそうだ。今、原発がないということは計画がなくなったのかと思っていたら、県内の反対側・瀬戸内に上関原発という計画が進んでいるようだ。

ここでも頭をよぎる山口県民の一言。

『山口県民はねぇ、、、お上の言うことは聞くんです。』

陽と陰。両方を味わえて大満足の山口県。一人旅だとこうした自分の興味にもゆっくりと向き合えるからやっぱり貴重。誰にも邪魔されない興味・関心の深掘り。

ちなみに次に『ちゃんと見たい県』候補は・・・「宮崎県」と「佐賀県」。宮崎は鹿児島から霧島をちらっとドライブしただけだし、佐賀も福岡から嬉野温泉にちらっと行っただけ。全然ちゃんと見れてない！どげんかせんといかん！！

#GoTo一人旅

#エッセー #コラム #旅 #吉本悠佑 #イケ麺バー #イケ麺ちゃんねる #山口県 #観光 #山陽 #山陰 #裏日本