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【エッセイ】みなさん、ごちそうさまでした!!!

「おいしかった」だけが飲食店に行く価値じゃないと思う。「スタッフがブッ飛んでて面白かった」「トイレが近未来だった」「器の薄さがすごかった」「おしぼりが画期的だった」・・・なんでもいいじゃない。


僕にはこの言葉しか見つからないときがある。

『愛があったなぁ』


注文からだいぶん待った。20分以上待ったかもしれない。でもカウンターにあったその漫画を読破するにはあまりにも短い時間。


めちゃくちゃ面白い!よくある「グルメ系漫画」のハンバーガー版なのだが、この演出、とてつもなくニクい。

美味しそうで熱意に溢れるハンバーガー物語を目にしながら、鼻はキッチンにもっていかれる。耳だって。ジュージュー・カタン・シャッシャッ・オマタセシマシタ・・・!(ちぇっ、隣か。。)


曲がりなりにも蕎麦を打つ人間として、しっぽり飲むタイプの蕎麦屋は面白い。気の利いた亭主がいたるところに蕎麦愛を隠している。

なぜか蕎麦という料理はよくエッセイや小説に出てくる。「アンソロジーそば」という本を見つけたときには速攻手に入れた。様々な文化人や文豪が蕎麦について書いたエッセイが載っている。

日本人はよく「〇〇の口になる」という。カレーの話をしていたらカレーの口になるし、タイ料理の話をしていたらパクチーの口になってくる。

この「アンソロジーそば」も読むと蕎麦の口になってくるから要注意。読んだ後に安物の乾麺を湯がいて食べたらもうガッカリ。自分で勝手に蕎麦の価値を下げに行くようなもの。読み時も食べ時も図らないといけない。


昨日に引き続いての浜松旅行記。友人が勧めてくれた中田島砂丘の近く、工業団地のようなエリアに突然現れる『GS BURGER』さん。

友達の勧めで食べたサバサンド。その付け合わせのフライドポテトにあった。愛が。

農家さんに育てられ、卸売業者さんに運ばれ、ここにやって来て。切られ、揚げられ、適切な調味料やスパイスに包まれ。できたてをサービスの女性が持ってきてくれ。

それを僕は口にした。

そして思った。「嗚呼、愛があるなぁ~・・・」


パリで食べた付け合わせのフレンチフライ。「フライドポテト」でなく『フレンチフライ』。出会ってみて初めてその意味がわかる。

仏人の芋愛が、そこには確実にあった。

値段や場所、特別な何かでなく。

いろんな人の『愛』に包まれて。


そういう料理に出会うと、僕もそんな『愛』のある料理を作りたいなぁと思う。「人に愛、料理に心」…神田川俊郎さんの覇気のあったあの言葉も思い出す。


関わった全てのみなさん、、、
ごちそうさまでした!!!


※漫画「本日のバーガー」・・・帰ってからネットで全巻大人買いしちゃいました!(笑)今から楽しみ。京都でおいしいハンバーガー屋さん見つけないと。バーガーの口になったあとの涎の行き場がなくなる・・・!

クスっと笑えたら100円!(笑)そんなおみくじみたいな言霊を発信していけたらと思っています。サポートいつでもお待ちしております。