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散文

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短くて読みやすい文章のまとめ。
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#純文学

春眠

春眠

201812300739

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「人生を季節に例えると、何から始まって何で終わると思う?」

教室でふとそんな話題が出たのは、放課後の掃除をしている時だった。
担任の長話のせいで、よそのクラスはとっくに掃除を終えて散会しており、うちのクラスがどんじり。教室にはHR教室の清掃当番の僕等5人のみ。
校庭からは既に野球部の準備運動の声が聞こえている。遅刻して行くとこっ酷く怒鳴るコーチの事を思い浮かべて

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確信

確信

202007080834

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苦しくて苦しくて、今に死ぬ明日には死ぬああクソ、何もかんも恨めしく思える、絶望の一端を嘗める、行き場も無く呻き声が漏れ出して四畳半の空間に紛れて空気がどろりと重たく沈む。
一頻り遣り場なく踠いて、ようやく気を失うように眠れる。と思ったら1時間毎に冷や汗に塗れて目が覚め、熱る脊椎と凍る関節をしくしく感じる。
そうやってギョロリと軋む目玉に早朝の白い光が差して、諦めて

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