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確信

202007080834

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苦しくて苦しくて、今に死ぬ明日には死ぬああクソ、何もかんも恨めしく思える、絶望の一端を嘗める、行き場も無く呻き声が漏れ出して四畳半の空間に紛れて空気がどろりと重たく沈む。
一頻り遣り場なく踠いて、ようやく気を失うように眠れる。と思ったら1時間毎に冷や汗に塗れて目が覚め、熱る脊椎と凍る関節をしくしく感じる。
そうやってギョロリと軋む目玉に早朝の白い光が差して、諦めて起き上がる。

死にかけの朝は、ゾクゾクするくらい生きていると感じる。腹の底からふつふつと欲が湧き上がってきて、是が非でも生きてやると確信する。

今、自分が痛みに歪む感覚、確かに生きていると感じる。自分が間違いなく自分自身の手と足で生き残ってきたと強く強く自覚する。ここまで手を掛けてきた生と自由を誰にだってやれやしないと固く思う。もし万が一自分の生を再び脅かすものが有れば、間違いなく排除するだろうし、よしんばその場でどうにもならなくても生活を懸けてでも引きずり出すと想像する。それが私の矜恃だと思う。
今同じように苦労している同胞の事を遠慮する。必ずや下の世代を私と同じ目に遭わせまいと強く思う。とろとろと燃え続け、こういう日のガソリンを少しずつ垂らされて日に日に火力を強くする。常に思っている訳ではないけれど、決して消えずに長い時間をかけて強くなる心火の事を信念と言うのだろう。

私は想像で人を殺す。想像で自分を焼く。
私は確信で生きる。確信して生き続く。

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