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市内RPG 43 修行先は花盾山

ぼくらレベル11、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐の旅を続けている。

探索したエオンショッピングセンターのダンジョンから出てきた場所は、子郡運動公園。

その掲示板で、小原合戦記念武道大会のポスターを見つけた。優勝すれば、賞金10000円と退魔の剣がもらえるらしい。

「これはやるしかないわね」僧侶のカナが目を光らせたところで、昨日は解散したのだった。

朝、カナからラインが来た。
「すごいことになったわ。二師鉄子郡駅に8:00集合して」

8:00?早いな。そして、カナのすごいことって何だろう。

子郡駅に着くと、3人はもう着いていた。

「すごいことって何だよ」戦士ヤスがカナに尋ねた。

「優勝するアイデアがひらめいたの?」魔法使いヒラも尋ねた。

「そうよ。レベルアップよ」カナは力強く言った。

「レベルアップ?」
「レベルアップ?」
「レベルアップ?」

そんなこと、これまでもこつこつしてきたじゃないか。そして、ただ今レベル11。

「大幅レベルアップよ。、、、修行よ」カナは南を指さしながら言った。

「どこで?」ヒラが指さした方を見ながら尋ねた。

「花盾山よ。天狗がいるらしいわ。じいちゃんが頼んでくれたの。3泊4日で修行してくれるらしいわ」

花盾山。
これはお隣の筑千町での呼び名らしい。子郡市ではお城山と呼ぶことが多い。ぼくは、花盾山と呼ぶが、、、。小中学校の遠足の定番目的地。標高130m。40分程度で登れる初心者でも安心な山だ。近くに花盾山温泉という施設ができた。麓のお城山公園は桜がきれいで、池があったりBBQができたりもする。

そこで修行?そして、天狗??

「準備してないけど」ヒラは心配そうだ。

「大丈夫。お気軽に参加くださいって」

「天狗が言ってたの?」

「らしいわ」カナは気にもとめない様子だ。

お気軽な修行って大丈夫だろうか。

「3泊4日って、準備はいらないのか」ヤスも心配そうだ。

「いろいろそろってるって。早く行きましょ。少しでも早いほうがいいから。、、、わたし、先に行ってる!トベルーーーー」

カナは僧侶の空飛ぶ呪文で一人だけ行ってしまった。

「どうする?」

「行くか」
「行くか」
「行くか」

ぼくらは、ゴトゴト二師鉄電車に揺られて、光沢駅で降りた。

「いやーーー、ここからけっこうあるぞーーー」
修行の前かは、戦士ヤスは弱音を吐いている。
大丈夫か?


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