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嘘つきになりたくないから、ポリアモリーになった。

牧師は言った。「あなたはこの人を一生愛することを誓いますか?」
僕は言った。「誓います」
その7年後、僕は嘘つきになった。
もちろん、結婚した当時は嘘をつくつもりなんてなかった。

結婚式に参列してくれた先輩に離婚を報告した時
「わかってる。離婚するつもりで結婚するやつなんていないもんな。」
なんて慰められたりもした。

しかし結果から見れば、僕はただの嘘つきでしかない。

今後、嘘つきにならなくて済む方法はないだろうか。
その結果が、僕にとっては「ポリアモリー」という選択だった。

ポリアモリーとは、複数人と同時にお互い合意の上で恋人的な関係を築くライフスタイル。対義語はモノアモリー。

■先天的嘘つきと後天的嘘つき

嘘つきには2種類いる。
「最初から嘘つき」と「結果的に嘘つき」だ。

前者は自ら嘘と認識してから嘘をつくので、「先天的な嘘つき」とも言える。対して後者は本当のことを話したつもりが、結果として嘘になってしまったパターンなので「後天的な嘘つき」だ。

嘘つきの定義を「事実と異なる言動をする(した)人」と定義すると、
後天的嘘つきはどんな事実と異なる言動をしたのか?

それは「合意した」という事実だ。

合意は後に「合意→約束→(宣誓)→契約」と発展していく概念だ。
僕はプロポーズや結婚式で宣誓したという事実に反した結果として嘘つきになった。

では、ポリアモリー宣言をすることが、どう嘘つきの回避につながっていくのだろうか。ポイントは「合意の有無」だ。

■モノアモリーへのデフォルトチェック✔︎

「ポリアモリーとか宣言しなくていいじゃん。損してるよ。」
先日、飲み会でこう言われた。

僕がポリアモリーを宣言する理由。それは
ポリアモリーを宣言しないと、モノアモリーに合意したことになるからだ。

変わってきたとはいえ、まだまだ世の中の前提はモノアモリー(恋人一人派/ポリアモリーの対義語)だ。
僕らのステータスには、デフォルトで「モノアモリー」にの欄に✔︎がついている。つまり自らでそのチェックを外さないと、人はみんな恋人一人派に合意したと見做されてしまう。

例えば、Aさんに「好きだよ」と言った翌日、
Bさんに「好きだよ」と言ったら、Aさんから「嘘つき」と呼ばれてしまうのは「モノアモリーに合意した」という前提があるからに他ならない。

つまり、ポリアモリースタンスの人はそれを宣言しないと常に「嘘つき」と呼ばれてるフラグが立っている状態だ。

(離婚で色々経験した)僕にとっては、もう嘘つきと呼ばれないで済む、もう嘘をつかないで済むということは、ポリアモリーであることを隠して多くの人と関係を持つことなんかより、よっぽど価値のあることだった。

■「誠実なクズ」としてのポリアモリー

2004年に発刊されたデポナ・アナポールの著書「ポリアモリー 恋愛革命」には「責任のある非一夫一婦制」という表現が度々登場する。

僕はこれを「誠実なクズ」と言い換えて理解している。
飲みの場で「恋人が複数いる」と発言すると十中八九「クズだね」という返事をいただく(もしくはそう思われて黙られる)。

しかしポリアモリー関連の書籍や記事には共通して嘘をつかないことがルールとして記載されていることが多く、(僕自身が誠実かはさておき)そのスタンスはとても誠実に思える。

まだまだポリアモリーが「クズ」と認識されるのは仕方がない。僕もそれを真っ向から否定して論破できるほどの知識も経験もまだない。
しかしそう呼ばれるとしても、嘘をつかないでいられるなら僕は「誠実なクズ」を選択したいと思う。

過去のポリアモリー関連のnoteについて「誠実なクズ ポリアモリー」としてそちらのマガジンにまとめ直しました。

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