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宮本語録は金言だらけ~『新録・宮本語録集 2017-2020』より

わたしが二十数年来愛してやまないロックバンドが、エレファントカシマシです。今年デビュー35周年を迎えます。

バンドの顔である宮本浩次さんは、2020年3月からソロ活動も始めていて、時期はまるまるコロナ禍と重なっていたのだけど、なお一層に精力的に活動されていた姿に、力をもらっていました。

エレファントカシマシの楽曲は、すべて宮本さんが作詞作曲をしていて、その音楽的才能には惚れ惚れするばかりなのですが、人としての言動も大好きなのです。

これまでに語られた言葉は、『宮本語録集』3冊にまとめられるほどで、ステージ上はもとよりインタビューに答えるたび、随所で名言が生まれています。

そんな「宮本語録」をパラパラとめくってみたら、いま刺さる金言ばかり。
現状のわたし目線ではありますが、いくつかピックアップしてみました。

新録・宮本語録集 2017-2020 より

火鉢は、芥川龍之介が小型の長火鉢の前でポーズしている写真に憧れたの。

宮本さんが尊敬する人物の真似することを憚らない姿勢が素敵です。その先はもう宮本オリジナルにしてしまっているし。昭和歌謡のカバーをやられていたこととも通じますね。
憧れを見つけて近づきたいと思う、そんな気持ちから真似したいです。

上り下りのエブリデイ。

いつ発せられた言葉なのか定かではありませんが、これはもうずっと自分に刻まれています。上ったら下ることもある、その逆もある、っていうことは、意識しておきたいのです。まるっとこのフレーズごと、宮本節として。

エレファントカシマシがあって、その貯蓄プラス実力。

バンド結成してから40年以上、積み重ねてこなければ、貯蓄はできてないし、貯蓄がなければ実力も出せないのだと、バンドを大事にしているからこその、謙虚なお言葉なのです。

遅きに失したのか、満を持してなのかっていうことも試されている。

宮本浩次をもってしても、挑戦しているということが伝わってきます。ファンにとっては「満を持して」でしかなかったのだけど、ソロ活動という新境地に挑んでくれて、ありがとうございます。

やっぱ想いがないところで仕事しちゃうと、絶対ダメ。

まさに、仕事に対する姿勢を諭してくださって、身が引き締まる思いです。想いがなければ「絶対ダメ」なんです。宮本さんに言われると素直に聞けちゃう、わたしの師であります。

そもそもこの世の中にはまず自分の重力があるわけで、
さらに人との関わりによって生じるいろんな重力もあるわけで。
自由があるのかどうかすらもわからないけれど、
自由でありたいと強く思っているのは確かなので。

なんて深いのでしょうか。人との関わりによって生じる重力と、自分の重力とが重なっても、沈んでしまわずに自由でありたい気持ちが、創作の源なのかもしれません。やっぱり宮本さんには自由なところから、ずっと音楽を届けてほしいと思うのです。わたしも自由でいたいから。

人のために生きるのではなくて、
自分のために生きることこそが理想の姿なんじゃないか。

究極、そういうことなんだと思います。宮本さんの場合は、それがどれだけ多くの人のためになっているか……。なるほど、だから尊敬できるのか、とわかった瞬間。どうかそのままで、お願いします。

“俺は正義を気取るのさ”と歌ってるわけで、
決して“俺は正義の男だ”と歌っているわけではない。
自分で言ってしまうんですが、
そこがエレファントカシマシのクールで格好良いところだと思っていて。

はい、正義を気取る姿が、格好良いのです。完璧過ぎたら好きじゃないかもしれません。少なくとも気取った姿が格好良ければ、みんなハッピーになれるのだから。そう言ってくれて、そうあってくれるのが、心からありがたいのです。

自分は生きている、身の回りのものも全部好きでいたい。

身の回りのものを、好きで満たすことは、人間の究極の欲求ではないでしょうか。この言葉こそ、宮本さんの発する「愛」を証明しているんだと思うのです。それは周りにすごいパワーを与えちゃうんです。それができる人は稀だけど、目指すことはできるかもしれません。

金言ばかり……「宮本語録」はいつ開いても、なにかしらの言葉に勇気づけられることを再確認できました。

だから、宮本さんが歌詞として紡いだ言葉に、メロディが重なり、奏でられた音楽が最高なのは、当然のことなんですよね。

次回の自主企画「エレカシ35周年記念特集」(いま付けた)では、エレファントカシマシとの出会いを振り返ってみようと思います。

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