「行政書士」とは?〜『13歳のハローワーク』にまなぶ
わたしが歩み始めた【行政書士への道】、そもそも「行政書士」とはなにをする人か。わたしの場合、長い時間をかけて、どんどん知識と情報を得ていきました。しかしビシッとは言い切れませんし、むしろ定義しきれない奥深さがあると思っています。
先日、行政書士になろうと思ってることを義母に話したところ、「どんな漢字書くの?」からでした。なるほど、まったく知らない相手にどう伝えるか。ある程度一般論なら話せるかと思いきや、具体的に落とし込んで理解してもらうのはたいへんです。
とはいえわたしも数年前まで知らなかったのだから、偉そうなことは言えません。基本のキから、おさえておこうと思います。
『新 13歳のハローワーク』
困ったときは本に聞け、ということで、子ども部屋から借りてきました。
最初に『13歳のハローワーク』が出版されたのは2003年12月とのこと。当時は「なぜ村上龍氏が?」という感想程度しかなかったのですが……こちらの『新 13歳のハローワーク』は、2010年3月刊行の改訂版。数年前に娘への贈り物でいただきました。この時すでに49刷、160万部を突破していたそうで、さすが村上龍です。(「Ryu's Bar」世代)
目次は、「国語」「社会」「数学」「理科」「音楽」「美術」「技術・家庭科」「保健・体育」「外国語」「道徳」と、学校のカリキュラムに合わせた章立てです。
そして「休み時間、放課後、学校行事が好き・ほっとする」「何も好きじゃない、何にも興味がないと、がっかりした子のための特別編」がプラス。勉強だけじゃない考え方もカバーもしてあります。
別立てのSpecial Chapterにには「これからの一次産業」「環境」「日本の伝統工芸」「医療・介護」「IT」の項目がありました。
12年前でもこれからを見据え、て、まだYouTuberはないけれど、ヨガインストラクターはあったりして、目次をめくるだけでも面白いです。
「社会」が好き・興味がある
「行政書士」は【「社会」が好き・興味がある】の章、さらに「世の中がどうなっているか知りたい」というニーズの中にありました。ならびはこんな感じです。
「世の中がどうなっているか知りたい」ニーズというのは、社会の仕組みに関わるプロとしての適性であるとともに、自分がその職業に就いてどうしていきたいか、も示唆していますね。
仕事選び、職業選びが終わりでは決してなく、好き・得意だけはでない自身の成長という観点もあるのだと思いました。
行政書士が【社会】に紐づくのなら、わたしも社会科が一番好きだった? というと、そうでもありません。地理や世界史は得意だったけど、現代社会や公民は記憶にない……資格試験の勉強に苦労するはずです。
13歳といわず大学時代であっても、きっと行政書士には辿りつかなかったでしょう。本当の意味での「社会」を知るようになったのは、社会に出てだいぶ経ってから。「好き・興味がある」と言えるようになったのは、最近のことなのです。
ちなみに、法律系の職業である「弁護士」や「裁判官」はどこにあるのかというと、「検察官」や「政治家」とともに【道徳】にありました。ニーズは「意見を言う・議論する」です。既存の科目に収まりきらない難易度とともに、好きと得意の掛け合わせがより複雑になっていくイメージかもしれませんね。
おそらく行政書士が「道徳」と一線を画すのは、争いごとには関わらないところではないかと思います。この辺りはまた別に詳しく。
「行政書士」の職業解説
いよいよ本編の職業解説です。各職業紹介の全文が、13歳のハローワーク公式サイト(13hw)で読むことができます。太っ腹!
→ 「行政書士」のページはこちら
書籍では11行にわたる解説文より、一部を抜粋します。
きれいにまとめてくださり、ありがとう! という気持ちです、大事なところを太字にしました。最後の一文、厳しいことも含めて承知しました!
データ部分は2005年と古いのであまり当てになりませんが、「編集部の職業解説」でのフォローもありがたいです。
開業を目指すにあたって、行政書士法にある行政書士の定義や、自分の行いたい業務の範囲で考えがちだったところ、根本を確認することができました。書類作成や申請代行だけではなく、コンサルティング業であることは、強く認識しておきたいところなのです。
世の中がどうなっているか知りたい
このような職業であることを踏まえて、分類されたニーズは「世の中がどうなっているか知りたい」でした。
世の中というのは、わたしたちの日常生活に密接に関わる、社会との関係性。そう考えると、わたしは就職や結婚、出産や退職などライフステージが変わるごとに、知りたい欲がどんどん高まっていったと思います。
必要性にも迫られましたし、知らないと後悔したり、知っていると得することも多いからです。
ここ日本で暮らし、生きていくためには、社会と関わらずにはいられません。国民としての権利が保証されているとともに、義務があるからです。
三権分立は、小学校6年生、そして中学の公民で習いました。
国会(立法権)、裁判所(司法権)、内閣(行政権)が互いに統制し、バランスを保ちしながら政治を行う仕組みのことです。
国民は三権分立のまん中にいて、世の中(社会)と関わり合うのです。
「行政」は内閣のお仕事で、三権のなかでもっともわれわれ国民の生活に直接的に結びついているとも言えます。
受験勉強であらためてこれらの概念や「日本国憲法」をがっつり学び直しました。そこでますます、もっと知りたい、という好奇心が湧いてきました。国民誰しもが等しく権利と義務と責任で関われるはずなのに、心配事などなく平和に暮らしたいのに、そうなってないのはなぜだろう? と。
行政書士は、そこに今からでも関われるお仕事なんだと知りました。行政と市民とのあいだを結ぶ役割であって、潤滑油のように、暮らしやすい手助けをすることができるのです。
リスキリングのハローワークに
13歳のハローワーク公式サイトには、上記の分類だけでなく、さまざまなテーマからも「行政書士」に行き着くことができます。接点が多いのはありがたいことですね。
古いサイトではありますが、まだ現役稼働中ですし、教材としても使われているようです。『仕事白書』のコーナーでは、その仕事に就いてる大人も、誰でも登録できるシステムがあります。
子どもたちの質問に回答したりもできるのですが、「行政書士」は2人しか登録されていませんでした。もう少しいても良さそうなものですが。
そんな『13歳のハローワーク』、これから多くの職業の方々と関わる上で、職業についての事典的役割もはたしてくれそう。そもそもが書籍ですから、だれにも分かる言葉で、的確に伝えるための指針としても、参考にしたいです。
と同時に、出版当時は「職業を選ぶ」青少年のために出来た本が、いまはまた別のニーズがあるかもしれません。
社会人でも学び続けろ、育休中でもリスキリングすべし、な風潮のなか、知識や技術を習得する「目的」を定める指針にもできそうだな、と。
会社から言われたからとか、今の業務に必要だからと盲目的に決めるのではなく、自分の軸で決めたらいいと思うのです。
人生100年時代は一つの道だけでなく、複数の職業や好き・得意を掛け合わせてオリジナルの職業を作っていけばよいんです。パラパラと眺めてみると、ひょんなところに好きや得意の要素を発見できるかもしれません。
「行政書士とは〜」が最後、書籍推しになっていますが、悪しからず!