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転職と起業の『2社複業(兼業)』生活を1ヵ月間終えてみて。

先般投稿したとおり、この4月から転職と起業を同時に行って『2社複業(兼業)』生活を行い、あっという間に一ヵ月が過ぎました。

昨今は『副業』している人は増えてきていると思いますが、どちらも本業の『複業』をしている人はまださほど聞きません。以前から理想の働き方は『複業』だと思っていたのですが、実際に1ヵ月やってみた感想でいうと、(もちろん大変なのですが)思っていた以上に良いバランスが保てており、相互に相乗効果がでていると感じています。・・ということで、備忘録のためにも一ヵ月を過ごしてきた感想みたいなものを書き残そうと思います。

『複業』を始める当初から自身の時間管理はしっかりやっていこうと決めていました。身体はひとつしかないので限られた自分の時間をどのように配分するかは『複業』にとってもっとも重要だからです。

どちらにも同じ時間をかけて仕事をしていてはどっちも中途半端になってしまいかねないため、初めから自分が使う一日の時間はほぼすべて転職先の『レッドホースコーポレーション(RHC)』に使うと決めていました。
・・・というのも、自身が代表を務める『クリエイティブキャンプ(CC)』では僕は現場仕事はやらずに経営のみに専念しているので、拘束される時間は少なく一定の自由がききます。また、前職までと同様の事業内容で社員も勝手知ったる仲間たちなのでコミュニケーションコストがまったくないためCCに時間をかけなくてもやっていけると思っていました。・・なので、日中はRHCにフルコミットで帰宅してからCCの業務に取り掛かる、という感じでこの一ヶ月間過ごしてきましたが、現状では上手くいっていると思います。

『レッドホースコーポレーション(RHC)』での一ヶ月。

こちらは『転職』なので、完全に今までと異なる企業文化の会社に入社したことになります。僕の役割は『コーポレート部門統括責任者』。主に人事、総務、広報、情シスを束ねる役割となります。
※前々職の代表時代に浅くやっていましたが、本格的なのは今回初。

「転職者あるある」な「前職との違いにアレルギー反応がでる」ということはなく、これは前職で(1年間という短い期間ではありましたが)一回転職を経験していたのが奏功したなと思いました(苦笑)。自然に変化を柔軟に受け入れる頭に切り替わっていたようです。

・・とはいえ、いままでとまったく異なる事業(地方自治体相手の地方創生事業)だし、社員数も多い会社なのですんなりといくわけがありません。

これも「転職者あるある」ですが、業務に利用するツールを覚えるのに苦労したり、初めて会う方の人数も多いのでどんな職種でどのような性格の方なのか理解するのに膨大な時間がかかります。会社独自の文化やルールなどの理解にもどうしても時間はかかります。事業特性やステークホルダーもこれまでとはまったく違うので、いままで感じたことのない生々しさのようなものもあり、事あるたびに「お~、これは全然知らない世界だ」とちょっと感動したりもしていました(苦笑)。
※いままで偏った世界で生きていたんだな~と実感することもしばしば。

前々職の最後と前職はほぼフルリモートだったので、今回は逆にフル出社の生活に変えました。やはり人間同士対面で顔を合わせて仕事をすると精神的にも身近に感じるものです。この一ヶ月間はしんどいこともありましたが、新たな仲間ができたことを感じられる充実した一ヶ月間でもありました。しばらくはこの生活を続けたいと思います。

会社の変革期ということもあって、(会社の歴史も理解できていないので)いま起きていることが過去のものなのか未来のものなのかに戸惑うことも多かったです。ただ、こういう場面に居合わせられるというのは貴重なことというのは前々職での実体験としてあります。ここを経験したかどうかでこのあとの考え方や動き方に大きく影響してくるものだと思うので、楽しみながらやっていこうとある程度は開き直っていました(苦笑)。

僕のポジション上、誰かにくっついて教わるという状況にはないため、とにかくいろいろな場(子会社の取締役会とかにも出ていました)に参加して自分なりに全体を理解&把握しつつ、課題はどこにあるのかを見つけるようにして自分になにができるのか/やるべきかをずっと考え続けた一ヶ月となりました。なんとなくですが、自分のこれまでの経験を活かせることも見えてきた気がします。

まだ一ヶ月なので全然RHCのことを理解しきれていませんが、すでに様々なことに関わらせていただいて毎日変化があって面白いです。今まで経験したことのないことを体験できたり、知らなかったことを知るというのは刺激的なものです。この会社はまだまだ発展途上であり、自分自身も学ばなければいけないことが多いので、半年後、一年後に自分や会社がどうなっているのか楽しみです。

『クリエイティブキャンプ(CC)』での一ヶ月。

こちらは自分が代表を務める会社です。今まで自分が携わってきた事業と勝手知ったる仲間たちで構成されている会社なので、安心して任せられる環境。このため、CCにかける僕の主な稼働はRHCの仕事を終えた後の毎日数時間程度でしたが、最初からある程度安全運転ができる目途がたっていたので仲間たちを頼りながら無事にすごせました。

CCのためにRHCに悪影響がでることは絶対に避けなければいけません。ここはもっとも遵守しなければいけないルールだと決めて一ヶ月やってきましたが、いまのところはうまくやれていると思います。

起ち上げ直後の役所回りの手続きは最初から共に発起人となっている仲間に任せたい旨を伝えていました。彼への負担は増えてしまいましたが、当人もこれまで経験したことのない経営への関与を前向きにとらえてくれていました。その結果、彼も含めた仲間たちはCCを自分事化することができて成長してくれたと思います。

僕が主にやっていたのは制度設計や銀行口座の開設、会社で利用する『freee』各種ツールの初期設定など。最近はほぼすべてオンラインで解決することができるため、うまくやりくりすれば問題なく進められます。4月は会社起ち上げの初月だったのでやることが非常に多かったため、昼休みの時間なども使って(役所やfreeeのサポートデスクが平日17:00~18:00までなので)対応せざるを得ない状況でしたが、5月以降は日中やらなければいけないことはどんどん減っていくはずです。

自分の会社の代表を体験したおかげでこれまでと違った感情も生まれました。例えば『健康保険証』を社員に渡す際に、彼らの生活に直結しているものを自分の会社が提供しているという感情がでてきて気が引き締まるとともに感慨深いものがありました。かつて他の会社で代表をしていたこともありましたが、いま思えば結局はサラリーマン社長なので(自覚はなかったですが)こういったことを『作業』としてやってしまっていたんだろうなと思いました。はじめて領収書に社名を書いてもらったとき、CCの社名宛に郵送物が届いたとき、初任給として彼らの銀行口座に入金したときなどの感動は今後も忘れずにいきたいと思います。

現状は関係者の皆様のおかげもあって比較的順調に進んでいると思います。

『複業』の相乗効果

『複業』は双方の会社に相乗効果を与えます。
例えば、自身で会社を立ち上げた経緯からRHCで子会社の起ち上げを進めていた際にアドバイスを行うことができたり、ヌケモレがないか気づくことができました。先述したようにCCでの手続き等で生まれた新たな感情のおかげでRHCで同様の仕事が行われていると今まで以上に感情が乗ってきたこともより自分事化できていい影響が出ていると思います。逆にRHCで経験したこともCCに還元することができています。

RHCとCCがまったく違う環境ということも良い相乗効果を生んでいるようです。デジタルとリアルの違い、会社の規模の違い、代表と従業員の違い、事業の違い・・などなど多くの違いからでてくる経験の差が双方に活きてきます。一つの職場しか経験していないとどうしてもその環境からの発想になってしまいますが、2社あると多角的な視野が広がります。まだ一ヶ月を過ぎただけではありますが、現状は良い傾向だと思っています。

自分は起業(代表)と転職(従業員)での『複業』なので、片方が時間の都合がつけやすいためなんとか時間のやりくりができる状況ですが、これが『現場と現場の複業』だと(現場仕事はどっぷりと自分の時間を使う必要があるため)ちょっと難しいかも、と思いました。時間配分をうまく調整しながらやればできなくはないと思いますが、それだと両方とも中途半端な状況になり、結局は『副業』と変わらなくなってしまうのでは?と。『複業』というからにはどちらも本業と捉えて、どちらに対しても普通に就業するのと同じ状態での成功を実現する必要があると思うので『複業』は誰にでもできるものではないだろうな、というのが実感です。

僕にとって現状は良い傾向の方が多いですが、悪い傾向が出てこないように今後も気を付けないといけません。これからもいろいろなことが起こると思いますが、この特殊で刺激的な環境を楽しみながら進めていきたいと思いますので、また数ヶ月後に近況報告ができればと思います。

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