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全ぼくが泣いた。絶望のドラゴンクエストIII発売日、そして伝説へ

なんかふと思い出したので書いていく。

あれは1988年2月10日のことだった。

その当時から今にかけて

あそこまで大きな社会現象に僕は出会ったことはない。

それは、ドラゴンクエストIIIの発売日だ!

今でも社会現象になるゲームはある。

ポケモンやゼルダ、スプラトゥーンにモンハンなど

発売日には長蛇の列となるようなゲームも珍しくない。

だけどあの時の熱狂は、今の比ではなかった。


ドラゴンクエストがジワリジワリと人気になり

ドラゴンクエストIIで3人になるという衝撃

後ろにくっついて歩く姿に、当時のキッズたちは大盛り上がりだったのだ。


そしてドラゴンクエストIII

パーティはさらに1人増え4人となり

戦士や魔法使いといった職業という概念が追加され自由にパーティを組むことができるのだ。

そんな前情報が載っていたファミ通なんかは穴があくほど読んだ。

ワクワクが止まらない。

学校にも雑誌を持ち込んでは、そんな話しで持ちきりだったのだ。

それは、僕たちキッズだけでなく、大人をも巻き込み、大きな社会現象となっていったのであった。


今だったら、転売ヤーの格好の餌食となったであろうドラゴンクエストIII


当時の人気は凄まじく


当然、発売日には予約をしておかないと買えない。


その予約すらあっという間にいっぱいとなり受付てもらえないのだ。


大型店舗で行われる、当日発売の整理券も争奪戦が激しく

発売日当日はテレビでも一斉に報じられていた。


僕はその映像は涙で見えなかった。

絶望のどん底で泣いていた。

一度は掴みかけたものが、するりとこぼれ落ちたのだ。


ドラゴンクエストIIIが発売される当時、うちにもファミコン本体はあった。


だから買ってもらえれば遊べたんだけど

誕生日でもクリスマスでも子供の日でもない

2月10日

お願いしたってそうそう買ってもらえるものではない。

それは僕にも分かっていた。

なんだけど

親戚だったか、だれの頼みだったかは忘れたんだけど

どこも予約できないドラゴンクエストIIIを
うちの近所のおもちゃ屋はまだ受付ていたので

かわりに予約して欲しいと依頼を受けた。


だから、うちのドラゴンクエストIIIではなかったんですけど、予約はしたんですね。


僕と弟

僕たちのドラゴンクエストIIIではなかったけど

おもちゃ屋で予約するというところに立ち会っただけでも、ワクワクしたものです。


そしてね

ドラゴンクエストIIIの発売日が近づいたある日

その依頼してきた人から、予約をキャンセルして欲しいと連絡が入ったんです。

どうも他にも手段を模索していたようで、近場で手に入ることになったそうだ。


キャンセル予定のドラゴンクエストIII

だけど、今はまだ予約中

発売日まで待てば手に入るのだ。


もう、親にお願いしたね。

一生のお願いを

来世の分も、その次も、その次も
使うくらい必死に頼んだね。


ドラゴンクエストIIIが社会現象となるくらい人気なのは、予約した親も分かっていた。


親としても、うちの子には買うつもりはなかったけど、ひょんな流れから手に入る状態となり

必死で頼む息子を前に、少しは気持ちが揺れたんですよね。


しょうがないなーという流れになってきたんですよね。

もしかしたらドラゴンクエストIIIが手に入るかもしれない!!


僕のワクワクは止まりませんでした。

期待は東京タワーを軽く飛び越え
宇宙にまでも届く勢いでした。


買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って買って


もう何回お願いしたか分からない。

必死にお願いした。

•••

だけど

買ってもらえなかった。


少し親の気持ちが揺れたのは

僕にも分かったので

期待したんだけど


買ってもらえなかった


キャンセルしに行くという親を、家の片隅で見送り、ただただ絶望を味わっていた。


そして迎えるドラゴンクエストIIIの発売日


僕は涙でくれていた。


泣きすぎて塩をかけられたナメクジくらいに萎れていた。


絶望を味わっていた。



そんな姿を見ていた親も

さすがに可哀想だと思ったのだろう。


分かった。

買ってもいいよ。


え!今何て言った!


買ってあげる。

えーーーーーーほんとに!!


そうして、改めて他の店で注文し


発売日からはだいぶ遅れたけど、ドラゴンクエストIIIを手に入れることができたのでした。


今のゼルダのティアキンもめっちゃ面白いんだけど

あの時のドラゴンクエストIIIは超えられない。

永遠の伝説なのだ。


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