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私を構成する5つのマンガ

「私を構成する5つのマンガ」のハッシュタグを見つけたのでやってみます。
ひとつひとつのマンガへの思いが強すぎて、『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』の時みたいにスキが爆発する可能性があるので、なるべく手短に紹介したいと思います。

1冊目 幸村誠『プラネテス』

まず真っ先に浮かんだのが『プラネテス』です。
高校時代に友人から借りたのが出会いでした。
ただ友人が貸してくれたタイミングが最悪で、期末試験の前日でした。
おかげで試験勉強そっちのけで朝まで何回も何回もプラネテスを読み返し、翌日の数学で18点をとりました。
むしろよく18点もとれたと思います。
マンガを読んでからアニメ版を見ると、構成の妙や、原作でのある展開に凄まじいアレンジが効いていて本当に毎週ドキドキしながら見ておりました。マンガ、アニメ両方とも是非とも楽しんでいただきたいです!

2冊目 島田虎之介『ラストワルツ』

最初は、作者が語り部のルポマンガ的なものかと思っておりました。
しかし途中からどうやらそれどころじゃない話だぞ…!?となり、最後にはこの壮大な物語世界に陶然としました。
ギャグ漫画のようなタッチだけど、構図が映画的で、すごく隅々までこだわり抜かれています。
一コマ一コマの画の力が強く、小津映画を見ている時のような気分になります。
(小津映画はどのシーンで一時停止しても、絵画のように美しいのです)
こんな風に様々なジャンルを横断してワクワクできる物語を書きたい!と思う作品です。
行き詰まると思わず手に取ってしまう、シマトラマンガは私にとってのカンフル剤です。

3冊目 井上雄彦『スラムダンク』

王道中の王道です。きっとこのハッシュタグを付けた記事の中では何百人目かの『スラムダンク』です。
基本はコメディ調でスイスイ楽しく読めるのに、試合シーンになると急にバッシュの音や床を打つボールの音が聞こえてきます。
特に豊玉戦辺りからは絵がセリフを凌駕してきております。
終盤はもうバンド・デシネかと思うほど全くセリフが無いのです。
なのに音が聞こえるし、1ページ1ページをめくる手の速度は緩まない。むしろ加速するし、何度も味わいたくなる。
本当に面白いエンターテインメントって、こういうことなんだろうなぁと思います。

4冊目 高野文子『棒がいっぽん』

いまだに何度も何度も読み返してしまうマンガです。
オムニバスの短編集で物語も主人公も全て違うのですが、一貫して「他者との距離感」についてを書いているように思えます。
まさに人と人との間に『棒がいっぽん』介在しているかのように。
特に「奥村さんのお茄子」は1コマ1コマの構図も物語も、今まで体験したことのないものでした。
未体験の物語なのに、しっかり生活感があり、そして人間味もあるのです。
読み返すたびに映画一本分見た時のような気分になるのです。

5冊目 ちばあきお『キャプテン』

小学生の頃、少年野球を始める時に父が買ってくれたマンガです。
まさに「努力、友情、勝利」のジャンプマンガの王道なのです。
特に努力の凄まじさ。感動しました。このマンガのおかげで努力をすることの大切さを学びました。
しかし、大人になってから読み返すと、ゾッとするほど怖いマンガに思えたのです。
確かにみんな、努力をしている。だけどその努力が行き過ぎると悲劇が起こるのです。
どのキャプテンの代でも、行き過ぎた努力が招く事件・事故がつきまといます。
本当に「がんばる」ことは大切なのだろうか。もっと大切なものがあるんじゃないか?
怪我をしたり、心を傷つけられたりして、それでもなぜ「がんばる」のだろうか。
もしかしたらこれは「アンチ努力、友情、勝利」を描いたマンガなのかもしれない。
そう思って、合宿シーンや試合シーンを見てみると戦争映画にも近い印象を受けました。
小学生の頃に出会った『キャプテン』は20年近く経った今でも私の心に残り続けているし、ざわつかせ続けているのです。

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