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デイリーヤマザキと現代芸術

先日散歩していたら、えらく気合の入ったデイリーヤマザキを見つけた。

住宅街の中にいきなり出てきたのでびっくりした。
先祖はラブホテルだったのか?と勝手に思い込んでいたところ、有識者からコメントをいただいた。

梵寿綱……!?どこで区切るのが正解?っていうかそもそもなんて読むの?
無知がゆえに謎が謎を呼び、あれこれ調べてみた。

日本のガウディと呼ばれる男。建築家・梵寿綱インタビュー

日本のガウディ!そしてぼん・じゅこうさんと読むのだね!
確かに美術手帖の記事で紹介されている写真は私が遭遇したものと似ている。

──完成した当時の反響は、どのようなものでしたか。
 こんな学園都市に、とんでもないラブホテルみたいのができた(笑)。
 ビルの完成と同時に、協働したアーティストや職人の作品発表も兼ねて合同展覧会を開いたんだよ。「建築そのものを展覧会する」という、当時にしては画期的なイベントだったようで、『週刊新潮』が「ラブホテルか芸術か」というタイトルで巻頭5ページのグラビアで取り上げたのをきっかけに、さまざまな媒体から取材を受けたよ。いまでも時折、取材を受ける。30年以上もずっと話題になる建築って、なかなかないんじゃないかな。

ラブホテルってご自身で仰っている!梵さん、懐が深いな。

──個人や、名前のことでいうと、梵寿綱は本名ではないとのことですが、名前の由来はどこからでしょうか。
 1966年に建築事務所を設立するときに名前を決めなくちゃいけなくて。田中敏郎建築事務所という個人名を用いると狭い意味になってしまう。もっと大きな意味で建築をつくっていきたい、つくらなくてはならないと思った。その心構えとして、ヒンドゥー教の奥義書『ウパニシャッド』に「梵我一如(ぼんがいちにょ)」という思想があってね。「梵」(ブラフマン、天理を支配する原理)、「我」(アートマン、人間が持っている原理)が一体だと言っている。天理があるように心理がある。宇宙と個人はつながっている。さらに、養父の戒名(寿綱)を用いた。実際は血がつながっていないけれども僕を受け入れてくれた養父母。その恵みによって僕は生きている、生かされている。命のつながり、想いのつながりをもって伝えていきたい。そんなところでしょうか。

気になっていたこと全部聞いてくれる。さすが美術手帖。
こういった建築は都内にいくつもあるらしく、巡っているサイトを見つけた。

古き良きインターネッツを感じさせる素敵なサイトだ。

自転車に乗るのが趣味なので、都内を漕いでいるとこういう建造物に出会うことがある。
その中でも度肝を抜かれたのは天命反転住宅だ。

現代芸術をお好きな方には常識中の常識だ。
荒川修作とマドリン・ギンズが三鷹に建てた住宅なのだ。

住める、ということがすごい。
ちなみに現在空きはなかった。人気なのだね。

他にも現代芸術じゃないけど、図らずも現代芸術的な異様さや狂気を放った建物も好きだったりするが、そこは撮影ましてや記事で紹介などできないので、心に留めておく。

日常の中にさりげなく仕込まれている芸術が好きだ。
暮らしに寄り添う芸は、文芸ヌーのコンセプトである『生活に負担の少ないブンガクを』にも近い。

これからも散歩やサイクリングをして気になったものがあったら調べて載せていこうと思う。

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