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20日後に職を失うオタク:必死に転職活動して年収100万上げた話(転職体験記 後編)

大手に勤めていたが、転勤を拒否したら20日後に辞めることになった。
※なお退職が決まった時点では転職サイトへの登録すらしていない
詳細は前回の記事に書いているので読んでくれたら嬉しいです。

余談だけど、このサムネイルのイラストが可愛くて個人的にお気に入り。
もちづき ちぃさん(https://note.com/coooooom7/)という方。

今回は転職サイトの登録から始めて必死に転職活動したときのお話。
最終的に年収は上がったし、仕事内容も面白いところに滑り込めた。
(ちなみに過去最高の3500文字になった。前半後半で6000文字・・・!)


転職活動前半:エージェントとの面談や応募

まずはとにかく転職サイトへの登録から。
リクルートエージェント、マイナビなど主要なサイトに一通り登録した。
また、年収は下げたくなかったのでハイクラス向けのサイトにも登録した。

最速でエージェントと面談する:お互いの返信スピードが何より重要

私は正直、転職活動で具体的に何をしたらいいか分からなかった。
だから専門家であるエージェントに早く質問したかったし、用意するべき書類についても教えてほしかった。
なのでサイト登録後、返信が来たらとにかく最速で面談を申し込んだ。

実は「主にやり取りする会社は最も早く返信が来たところ」と決めていた。
20日間という限られた期間で転職活動を終わらせるには、私自身の返信スピードのみならず先方からの連絡の早さも重要だ。

私の場合、最も早かったのはリクルートエージェントの人だった。
翌日に返信がきて、3日後に面談してもらった。
その後も返信スピードが早く、アドバイスも的確だったので本当に助かった。

希望業務:専門以外の周辺業務まで希望範囲に含める

限られた面談時間で自分の希望を伝えた

面談のはじめに私が化学分析を行っており、近い業務内容にしたいと伝えた。
ただ化学分析系の仕事は求人が少ない上、どうやら給料が下がることがわかった。

そのため、過去の業務に少しでも関係している求人はすべて紹介してもらうことにした。
具体的には少しだけ着手していたデータサイエンス、Pythonプログラミング、知財業務など。

最初から希望を絞りすぎると先方の求人検索にそもそも引っかからない。
それなら幅広く集めた上で自分でフィルタリングしたほうがいい。

もちろん周辺業務なので私自身が専門家というわけではない。
ただ、専門家かどうかとか求める人材なのかは会社側が判断することだ。
それだったら応募するだけしてみよう。

結果的にデータサイエンス、Pythonプログラミングに関する求人まで集めたことで今の仕事を見つけることができた。
なのでやっぱり私の場合は希望の幅を広げたことが功を奏したと言える。

条件の優先順位をつける:妥協できる部分と譲れない部分を明確に

エージェントには条件の優先順位をはっきり伝えたほうがいい。
特に「譲れないもの」と「妥協できるもの」を明確にすることが重要。

通勤時間、立地、業務内容、残業時間などのすべての条件が叶う求人などなかなかない。
ましてや限られた日数ならなおさらだ。

例えば私の場合は人混みや狭い空間に長時間居ると気分が悪くなる。
なので「会社まで社用バスで移動」とか「フレックスなし」の会社は断った。
あと収入ダウンも避けたかったので最低年収も明確にした。

その代わり駅から遠かったり、残業の多さは許容した。
また、前述の通り、業務内容は現業と違っていてもよかった。

正直なところ、優先順位をつけるのは大変だ。
だけど優先順位を決めておかないと内定が出たときにどうせ迷う。
それだったらエイヤで一度決めて突っ走るほうが私にとっては良かった。

職務経歴書作成:メインの業務だけではなく周辺業務も書く

過去最高の文書作成スピードで作り上げた職務経歴書

エージェントとの面談が終わり、こちらの希望を伝えた後のタスクは職務経歴書の作成。
作成のポイントはメインの業務の記載はそこそこにして、周辺業務の経験をしっかり書くこと。

例えばデータサイエンス系の求人に応募するなら、職務経歴書にも化学分析業務だけでなく「Pythonを独学で勉強して業務に活用した」と書く。
知財系の求人に応募するなら「どんな特許を出願したのか、出願の際に何を工夫したのか」を書く。

まず求人例を読み漁り、求められる人材像やスキルを分析。
そしてサッと職務経歴書を作成して、すぐにエージェントに添削してもらった。
確か職務経歴書は面談の2日後には出したと思う。

転職活動後半:面接ラッシュと職場のサポート

エージェントに希望を伝えて職務経歴書を作成した後は次々と届けられる求人票を読み、どんどんエントリーしていくだけ。
正直なところ、結構書類で落ちた。
化学分析系の求人が少なかったし、知財などの周辺まで手を出していたから当然といえば当然である。

ただ、その中で何社かは面接まで進んだ。
ここからは面接以降のお話。

聞かれるのは「何をやったか」よりも「なぜそれをしたか」

面接まで進んだのは化学系の研究開発とデータサイエンス系の求人。
各社の面接の共通点は「何をしていたか」よりも「なぜそのやり方で検討したのか」が主に問われたこと

おそらく「自ら課題を設定し、適切な方法で解決できるか」を問われていたのだと思う。
私は結局メーカーのデータサイエンス推進担当として今の会社に入社した。
そして入社してわかったことだが、Pythonなどのプログラミングやデータサイエンスの手法を分かっているだけではメーカーの戦力にはならない。
現場を理解し、課題を特定した上でPythonなどのツールを使って課題解決が出来る人が必要なのだ。

私自身が求めているような収入が高いポジションを得ようと思ったら課題設定能力は欠かせない。
だからこそ、様々な会社で「なぜそれをしたのか」を聞かれたのだと思う。

幸いにして、私は当時の上司から「実験、検討の目的を明確にしなさい」とずっと言われていた。
なので検討目的やアプローチの選び方であったり、なぜデータサイエンスを自分の業務に取り入れたのかはスラスラと答えられた。

職場のサポート:転職活動を最優先にしてくれた

会社生活の中で最も職場の人にお世話になったのが退職時になるとは

もう一つありがたかったのは職場のサポートだった。
お昼に面接があることが多かったが、上司からは「転職活動を最優先にしなさい」と言ってもらった。

また、面接などで引き継ぎ作業がまともにできなかったにも関わらず職場の人からも転職を応援してもらった。
むしろ本来こちらがやるべき仕事をどんどん引き受けてくれた。

おかげで会議などの会社で時間拘束される業務はほぼなくなり、転職活動に集中できた。
改めて本当にありがたいことだった。

ちなみに職場の人や同期からは退職時に寄せ書きやプレゼントをもらった。
最後に色々と迷惑を掛けたうえ、状況的に集まることが難しかったのに、そのように送別してくれたのは素直に嬉しかった。

目の前の仕事にしっかり向き合い続けたことが転職に活きた

振り返ってみると私は9年間、目の前の仕事にしっかり向き合っていた(たまに手を抜いたけど)。
そして仕事をちゃんとやったことが後の転職活動に活きた。

私は当時担当していた研究テーマに対して「このやり方でいいのか」と思い、自らPythonやデータサイエンスを勉強した。
その経験を転職の面接で話したことで、今はデータサイエンスのプロマネをやっている。

また転職で面接が続いて、会社の仕事にほとんど着手できないときも職場の人達がサポートしてくれた。
おそらく、それまで自分が曲がりなりにも職場で良好な人間関係を築いて来たからだと思う。

結局、周りの人たちと協力しながら真摯に仕事へ向き合い続けたことが転職活動成功の鍵だった。
もしかしたら転職にはそれまでの仕事で蓄えた「信頼の貯金」が必要なのかもしれない。

転職活動の終わり:内定が出たのは退職日

結局、私はとあるメーカーのデータサイエンス推進担当になった。
しかも年収は100万円アップ。
どうやら「化学の研究開発」と「データサイエンス」の両方を分かっている人が欲しかったらしい。

当時は世間で”DX”という言葉が使われ始めたところで、開発とデータサイエンスの両方を分かる人がなかなか居なかった。
そのため、私のような「データサイエンスをかじった」程度の人材でも需要があったようだ。

おそらくあと2年遅かったら世の中のDX人材も増えていて、すんなり転職できたり、今の収入があるとも限らない。
そういった意味で、私は運にも恵まれていたのだと思う。


ちなみに余談だが、私が最終面接を受けたのは3月31日で、なんと前の会社の退職日。
なので最終面接では以下のようなやり取りがあった。

「いつから弊社に入社できますか」
「今日でいまの会社を退職するので明日からでもいけます!!」
「いや、さすがに明日はちょっと・・・」

そして私は1ヶ月だけ無職になった。
信頼の貯金も大事だけど、リアルの貯金も大事だと痛感した出来事だった。

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