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日本民藝館へ行ってきました

こんにちは、
TOKYO STYLIST SERVICEの吉﨑です。

昨日は、株式会社インコントロの赤峰幸生氏の授業の一環で日本民芸館へ民藝品を見に行ってきました。

日本民藝館とは

日本民藝館は、「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す民藝運動の本拠として、1926年に思想家の柳宗悦(1889-1961)らにより企画され、実業家で社会事業家の大原孫三郎をはじめとする多くの賛同者の援助を得て、1936年に開設されたものです。

博物館などとの違いは、展示物をいろんなところから集めた展示ではなく、柳宗悦の所持品17,000点だけで、それらをテーマごとに展示がされていることや、作者(デザイナーやブランド)にこだわらず柳宗悦が本当に美しいと思う物を自分の目で集められたもので運営されているという事が決定的な違いになります。

日本民芸館HP


今回は、琉球がテーマだったので主に今で言う沖縄に関わる民藝品が多く展示されていました。

沖縄には、琉球王朝時代の14~16世紀頃に中国や東南アジア、インドなどから、絣や、染織の技法がもたらされました。これらの技法は、琉球王の保護を受けながらさらに発展し、鮮やかで温かみのある沖縄独特の染織物文化を築き上げてきたのです。

沖縄の代表的な染色技法の一つである「紅型(びんがた)」からは、多彩な模様と色で沖縄の大自然を表現したような、鮮やかな染め物が生まれます。土地ごとに創意工夫が異なる織物は、琉球時代の士族階級も着用した華やかな「首里織」、喜如嘉(きじょか)の糸芭蕉で作った涼やかな「芭蕉布(ばしょうふ)」などが代表的です。インドから伝わったとされる「琉球絣」、沖縄でただ一つの泥染め「久米島紬」、「宮古上布」、「八重山上布」、「花織」、「ミンサー」など、華やかで温かみのある染織物が各地で紡がれています。

※館内撮影禁止の為、ネットより添付



展示物だけでなく、日本民藝館や民藝館よりも先に建てられた長屋門の建物そのものも非常に美しいものでした。

最初にこの地に移築された長屋門は、外壁と屋根に大谷石が多用されていることが何よりの特徴で、それに向かい合う日本民藝館は漆喰と大谷石から成る蔵のような外観。まず、この長屋門ありきで、日本民藝館の外観を想定したようです。

大谷石は耐火性と防湿性が高く、収蔵・展示施設にも向いており、柳は大谷石を「最も日本的なる石」「木に近い石」と捉えていたといいます。加工も容易な大谷石で、思いのままのデザインを実現し、この日本的な外観の建物を作った。建物の設計は柳自身が行い、工事は濱田庄司のお抱えの棟梁が担当しているそうです。

大谷石は、フランク・ロイド・ライトが帝国ホテル旧本館(ライト館・1923年築)建設の際に多用したことで、以降国内でも流行したらしいのですが、それとはまた違った個性の大谷石建築が、この日本民藝館だと言えます。

民藝館本館の中に入ると、目の前に左右に広がる大階段があり、まるで西洋建築のようなつくりでした。

館内には玄関で靴を脱いであがり、スリッパ履きで歩きながら展示を見るシステムで、一見して和風建築の館内に洋風の空間が展開しているのが意外に感じられる印象です。

館内の木製の展示ケースは柳によって考案されたもので、木造の展示室と美しく調和し、展示品である民藝品を際立たせています。

展示品の説明も、「沖縄 壺」「益子焼 皿」といった簡易的な説明のみで「展示物を邪魔しない」「知識を前提にものを見ない」ために、柳が考案して、このような形になったとの事。

展示されている民藝品はいずれも由緒ある高価なものに見えますが、日本民藝館ができた当時は、生活の中で実用品として使われているだけのもので、世間一般では、収集したり展示したりするような価値のあるものとは考えられていなかったようなのです。それらに美を見いだし「民藝」という呼び名を与え、多くの人に知らしめたのが、柳宗悦という人の功績だと言われています。

最後に

赤峰氏は、現代の人はブランドやデザイナーなどのステータス的な背景からモノの良し悪しを判断してしまいがちな生き物であるが、柳宗悦の思想のように作者などの先入観を捨て、自分の目で良し悪しを判断する事が大切だと言います。

確かに、私もジョンロブのストレートチップシューズが欲しいなぁとか、これを持ってたら間違いないとか、そのブランドなら大丈夫だろうなどと「なぜそれがどのように良いものなのか」分からないのに決め付けてしまっている部分がありました。

例えばBurberryの一枚袖コート良いよね。
いやいや、何がどう良いの?説明できますか?

ジョンスメドレーのニットがやっぱ間違いないよね。
いやいや、なんで良いの?

という発想です。

赤峰氏や私も言いたいのは、先入観を作り出すブランド知識といった色眼鏡を捨てて、その逆の考えで物を見る事が大切だと言う事です。

古着屋に行ってブランドタグや生産国から見る事って多いですよね?

先生は、物を見てタグは気にしません。

でも、それができるようになるには良いものをたくさん着たり触ったりしていく事や、自分のスタイルを築き上げてこそできる事かもしれません。

皆さんも、日本民藝館から独自のスタイルの作り方というものをぜひ柳宗悦の思想から学んで見て下さい。

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