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「メタボ」全てにAGEsが深く関わる(前)

不定期連載 アポラクトフェリン(31)

生活習慣病に関して「死の三重奏」
という言葉をご存知でしょうか?いわゆる
「メタボリック・シンドローム(メタボ)」
のことです。糖尿病、高血圧、高脂血症の
3つが揃うと、脳卒中や心筋梗塞に
見舞われる恐れが格段に高まります。
最近では肥満も加えて「死の四重奏」と
呼ぶこともあります。

糖尿病と高血圧にAGEs(終末糖化産物)が
深く関わっていることは過去の記事でも
紹介しましたが、高脂血症とAGEsとの
関わりについてお話したいと思います。

高脂血症とは、血液中にある脂肪分の
コレステロールや中性脂肪
(血液検査ではトリグリセリド(TG)という)が
多い病気です。この病気が進むと、
脂肪分が血管の内側に溜まって、
血液の流れを悪くするのと同時に、
血管を硬くしてしまいます。

高脂血症には3つのタイプがあります。
コレステロールが高い場合
(高コレステロール血症)、
中性脂肪が高い場合(高中性脂肪血症)、
コレステロールと中性脂肪の両方が高い場合
(高コレステロール・高中性脂肪血症)です。

最終的にはどのタイプでも動脈硬化の 原因となるので、危険であることに変わりなく、 AGEsが関わっています。

血液中に溶け込んだコレステロールや
中性脂肪などの脂質は、血管の壁を通して
肝臓や腎臓との間でやりとりされています。
過剰な脂質などが排除されることで、
血液中の成分は常に調整されています(写真)。

ところが、血管壁にAGEsの被膜ができると、
資質のやりとりができなくなり、
血液中の脂質が増えてしまいます。
このような状態が高脂血症です。

参考文献 
井上浩義 
『アポラクトフェリンのすべてがわかる本』
アーク出版 2015年 pp.74 -76

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