見出し画像

地方のラグジュアリー

リモートワークやオンライン会議が定着してきて、地方でも仕事ができる環境が整ってきました。それに伴って、洗練された営みを提案するところも増えてきています。例えば、河口湖のホテル・norm.fujiで行われているこの展示。

アーティスト・toriのアートワークに富士吉田のファクトリーブランドWatanabe Textileがコラボレーションしています。

華美な装飾や物量で圧倒するのではなく、できるだけ自然を活かして、ミニマム。ただミニマムなのではなく、最小限のものの中のひとつひとつに意味や機能、出会いの偶然性が込められて、上質。静かで控えめで、都会の喧騒を離れて自然の中で過ごす週末に気持ちよく寄り添ってくれそう。地方ならではの新しいラグジュアリーってこういうことかもしれません。

長い間「アートは食えない」は世の中の定説でした。今ももしかしたら大多数の人はそう思っているのかもしれません。けれど、豊かさの基準が物質的な量や数字で判断できなくなったとき、その曖昧さを補完するのは、美しいものを素直に美しいと思える感性ではないでしょうか。アートにはその感性を刺激し、育む力がある。かわいいとかきれいってすごく大事。