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【百年ニュース】1921(大正10)6月2日(木) 皇太子裕仁親王がパリ凱旋門の無名戦士の墓に献花し,祭文を朗読。エッフェル塔に設計者ギュスターヴ・エッフェルの案内で登る。展望台の土産物売り場で裕仁親王が写真や絵葉書に興味を持つが,本人はもちろん随員も現金の持ち合せがなく,記者から借りて購買。

皇太子裕仁親王がパリ凱旋門の無名戦士の墓に献花しました。また日本語で祭文を朗読しました。その後エッフェル塔に登りました。案内したのはエッフェル塔の設計者であるギュスターフ・エッフェルです。展望台に到着すると土産物売り場に興味を持ち、裕仁親王が写真や絵葉書を買おうとしますが、随員も現金の持ち合わせなく、記者から借りて買いました。

午後3時30分、背広姿にて御出門、エッフェル塔に向かわれる。この日のエッフェル塔頂竿上には常掲のフランス国旗に代わり、大型の日章旗が掲げられる。同塔の設計者ギュスターヴ・エッフェル、パリ市議会議長モリス・レ・コルベーユ等の奉迎を受けられ、エッフェルの案内にて展望台までエレベーターにて御登臨になり、さらに特に日章旗を掲揚された塔頂まで鉄梯子にて登られ、エッフェルおよび沢田廉三の説明により四囲を御眺望になり、種々ご下問になる(エッフェルは耳聾のため、その娘が通弁する)。ついで塔内において、陸軍省所管無線電信電話所を御見学になる。それにより、エッフェルより御間食の饗応を受けられ、乾杯の際にはエッフェルより歓迎の演説あり、記念として限定版エッフェル塔解説書の献上を受けられる。また随行の式部官西園寺八郎は塔上売店にてエッフェル塔小型模型を購入し、記念として皇太子に献上する。

宮内庁編修『昭和天皇実録 第三』東京書籍,2015,265頁

皇太子裕仁親王のフランス訪問の様子をYoutubeの動画で確認することが出来ます。ル・アーヴル港への到着とエリゼ宮殿訪問、そして凱旋門の無名戦士の墓への参拝の様子がわかります。貴重な映像です。

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ギュスターヴ・エッフェル


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