家事について注意される女

「ちゃんと電気消してっていってるじゃん」
「食器は水につけといてよ」

男女が一緒に住む家でよく聞かれる言葉だと思う。
我が家でいつも言われているのは私である。

どちらかというと女性から男性への言葉で多いように思うが
今日も私は夫に言われてしまい大変恥ずかしく思った次第であり、女友達のパートナーへの不満としてこの話題がでる際は、非常に肩身が狭く感じるのである。

夫からそう注意される際はいつも「そうだよねー」と思うのだ。
だけどまた失敗を繰り返してしまう。
なんでこんな簡単なことができないわけ？
注意する側がそう思う気持ちは非常にわかる。
でもなぜかこの簡単なことができない私の心理を深掘りしてみる。

まず食器を水につける問題。
なぜ水につけろと言われているかはわかる。水につけておかなかった場合、食器洗いの際汚れが取れにくく非効率だからだ。
ではなぜ私が食器を水につけないのか。
我が家の場合、食器洗いの担当が夫であり、私が食器を洗わないためその非効率さを実感できないからだ。

「相手の気持ちになって考えなさい」
それは正論であるが生活の中で多くのタスクに囲まれている現状、自分のタスクでないものは相手の気持ちに立って考えられる余裕がない。ので忘れる。
注意する側は、なんでこんな簡単なことができないの？　て考えると思う。本当にそれはわかるのですよ。だけど料理の現場ってたくさんのタスクに囲まれているじゃない？　だからその先を見越した行動はどうしても忘れてしまうのですよ。

じゃあどうしたらできるようになるかを考えてみる。
まずひとつ。家事の役割分担を変えてみる。要するに食器洗い担当が自分になれば、その非効率を実感するわけで。自分ごとになればちゃんと前捌きができるようになるよねってこと。
家事の分担の仕方は家庭によって様々だけど、全部の家事をローテーションするとお互いの気持ちがわかるようになるかもね。

もうひとつ。今日感じたのは羞恥心。
今日また同じことを注意されて、そんなことわかってるのになんでできないんだろう…って恥ずかしさを感じて気をつけようと思った次第。だから注意する時はとことん相手に羞恥心を与えるってのもいいかもね。だけどこの恥ずかしさってのは個人差があるのでなかなか相手に羞恥心を与えられないこともあると思うし、逆ギレにつながることもあるので要注意。

でも家事を分担している家庭においては、自分が担当している家事に対して、相手に求めたいこともあるじゃない？　例えば洗濯担当だとして、靴下丸めて脱がないでよ！　とか。これを主張したときに、じゃあ食器も水につけてよ、て言われたら、ハッ！！　て思う。だから交換条件としてちゃんと自分も気をつけようって思うかも。自分が相手に注意してるのに、でもお前これできてないじゃん、って言われたら恥ずかしいじゃない？　だからお互い様論に訴えるのもいいかも。

でももっと難しいのが電気消してね問題だと思う。
私は何度も注意されてるけど、なんで直らないかというと、別に電気を消すことが重要だと思っていないのだ。
もちろん外出する時は消しますよ。だけど家の中にいる時に、例えばトイレの電気をつけっぱなしだったとしても、まあいいじゃん、またトイレ行くし。と思ってしまうのだ。だからこの問題は注意されても羞恥心を感じないし、ゴメンネーって言いながら、心の中では（別にいいじゃん）って思ってる。

パートナーに注意しているけど改善が見られない行動がある場合、この理由が多いと思う。
これはいわば価値感の相違なわけで。そもそも電気を消すことを重要事項だと思ってないわけ。まあ消す方がベターだとはわかっているけど、行動パターンにおいて電気を消すというルーティンが体に染みつかないのはスイッチの位置がどうだとか何かしら原因があるはずで、それは強制的に矯正しないと体に染みつかない。その行動を起こすには何らかの動機がないと動けない。だからこの場合必要なのは価値感への訴えなのかなと。

価値感も人それぞれなので何が一番モチベーションになるかは個人差があるけど、私の場合はデータで出してもらうのが効く気がする。電気を消さないことで年間どれだけの電気代が無駄になっているかわかればかなりモチベーションアップになる。

あとはもう仕組みに頼る。赤外線センサーの電気にしてしまうことで消す操作をなくすとか。正直電気っていちいち消さなくてよくない？　って思っている私からすると、これでイライラしてるってもったいないなと思ってしまう（注意する側の方すみません）ので、だったら技術に頼ってしまう方が心の安定を保てるかも。

まあこんな感じで自分ができない家事についてどうしたらできるようになるか深掘りしてみたけど、パートナーに頼んでるのにどうしてやってもらえないのか、頭ごなしに「なんでこんなことができないの？」て考えるより深掘りする方が心も落ち着くのでおすすめ。
というかできない自分への言い訳でした。
とりあえず今日の食器は水につけました。