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マジの陽キャラはめちゃくちゃいい奴だし、それが悔しい
なろう系小説や復讐系漫画、胸糞系スカッと漫画では、基本、声がでかい奴ほど性格が悪い。おそらくはターゲットとなる読者層が、体育会系や熱血系といった声のでかい奴らを本能的に嫌っているからなんだと思う。
作品の最序盤までが全盛期で、その後は主人公にいいようにやられたり引き立て役になる噛ませキャラクター。地位も名誉、容姿や能力にも恵まれていたはずなのに、ポッと出の陰キャだったり、苛めてたオタクに上にいかれるあの憎まれっ子。
こういうキャラを見るたび、小学生から高校生くらいまで、部活やら体育祭やら合唱コンクールやら、スクールカースト上位の存在に虐げられ、尊厳を破壊されてきた陰キャ読者たちの恨みと歪んだ欲求に思いをはせる。
恐ろしいことに、陰キャは陽キャをどこか見下している。
運動、コミュ力、社会的地位、普通に勉強すら陽キャに負けているのに、なぜか見下している。
あ、ちなみに自分自身もそうである。
自分でもまじでクズだなと思うけど、思うものはしょうがない。行動は変えられるが思考は変えられない。(こういう最悪な開き直りも陰キャ特有の短所だと思う)
まあでも『アイツよりも俺のほうが本当は賢いし、”社会”を分かってるし、本気を出したらすぐに逆転できる』と思わないと、正直とてもやってられない。
だから意外と陽キャが嫌なやつだと嬉しかったりするんだよな。
「あー!やっぱり!あいつくだらない人間だった!俺の言った通りだ!いくら陸上で県大会上位の成績でも、勉強できても、面だけはいい彼女がいても!やっぱアイツ人間性は最悪だった!やっぱり俺のほうが人間として上!俺の勝ち!勝ち!勝ちぃ!!大事なのは精神的勝利!!!」
って思えるもんな。
それが陰キャの生存戦略というか、そこだけが陰キャが根拠なく自分を愛せる部分なんだ。
だけど、たまに、でも確実に、『真の陽キャ』とも呼べる奴との出会いがある。
ドラゴン桜の桜木先生の言葉を借りると「宇宙人」とでもいうのかな。成績も運動もトップクラス。恋愛もそつなくこなす。人望も厚くてクラスの中心。
それでいて、優しいんだよな。どんな奴にも優しくて、差別もいじめも許さない。俺らみたいな陰キャにも優しくしてくれる。
俺らが体育祭の大繩飛びで引っかかったって、笑って「ドンマイ!」とか言って許してくれるし、なんならジョークを言って嫌な空気をふわっと軽くしてくれる。偽陽キャの体感的なアドバイスじゃなく、的確で即効性のアドバイスをくれたりする。。
家庭科の班分けで一人余ってる陰キャを、自然に自分の班に組み込んでくれたりもするんよね。めっちゃありがたかったなあ。でも俺は陰キャすぎてお礼もちゃんと言えないんだ。「○○君もよかったらうちの班入らん?」「じゃ、じゃあ入ろうかな」じゃ、ないんだよ。ちゃんとお礼言えよ。
あーでもたまに勉強聞いてくれるのは嬉しかったね。俺なぜか数学の数列だけ得意だったから。よくわかんないとこを聞いてくれたっけ。しかもみんなの前で聞いてくれるのよ。誇らしかったねまじで。俺なんかが役に立ってるんだって。しかも嫌みとか一切ないからね。そのうちクラスの連中も教えを乞いに来たりしてくれたりしてね。
めっちゃいい奴だし、なんでもできるし、とっても好きだった。
だからとても見下すことなんてできなかった。
そういうところが、めちゃくちゃ、嫌いなんだよな。
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