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漫画キングダムから学ぶ会社経営  #8:実は最強のリーダー!?蒙驁将軍

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。

今回も「#6:リーダーの器」からの派生で、特に優れた将軍のリーダーシップについて深堀していきます。「#6:リーダーの器」をまだ読まれていない方はまずは、こちらを一読ください。

前回では万能リーダーとして、王騎将軍を挙げました。キングダム読者であれば、王騎将軍は誰もが認める全てを兼ねそろえたリーダーである事に異論はないでしょう。正直、王騎将軍のような万能型は漫画では描きやすく、キングダム内にも他に、廉頗将軍、楊端和、などがいます。これらのキャラクターは実際に会社にいても誰もが認める優秀リーダーでほとんど問題なく結果を残せます。ただ、このようなキャラクターは目標設定としては良いと思いますが、実際問題あまり存在しないし、自身もそうでないのが現状です。

そういった中で、実は現社会において最も参考にするべきリーダー像は私は蒙驁将軍だと思います。

蒙驁将軍といえば、白老将軍としても親しまれている大将軍です。一応大将軍ですが、昭文君にさえ、凡庸な将軍と言われるほど、蒙驁将軍自身はパッとしません。実際に生まれは斉国で、結果が出せず様々な国を経て最終的に秦国に至ります。

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では、なぜ蒙驁将軍が最も参考にすべきリーダーなのでしょうか。

蒙驁将軍は自身が他の大将軍達に比べて、平凡なのは理解しており、自身の力のみで戦いません。優秀なスタッフを自在に扱う事により戦果を挙げます。「#6:リーダーの器」で、リーダーに必要な3つの資質として1)人間力、2)決断力、3)任せる力、を挙げましたが、この中で「任せる力」が圧倒的に優れているのです。本来戦場で戦う漢であれば、自身で相手国総大将の首を取るぞと、鼻息が荒くなるのが常だと思いますが、そういった感情よりも、とにかく勝つためにほとんどの首級を優秀な副将達に任せます。しかも、二人の副将が他の誰もが関わりたくない、癖の強い王翦将軍と桓騎将軍です。また、当時三百人将であった若い信、王賁、蒙恬を臨時的に千人将に昇格させて戦うなどの潜在的な能力を見る目もあります。この点は息子の蒙武将軍も、人を見る目に間違いはないと太鼓判を押しています。また、王騎将軍のように超優秀な人材は他国からも目を付けられ、様々な対策を練られますが、凡庸な蒙驁将軍は他国のマークが甘くなる利点もあります。

ではビジネスで例えてみましょう。

蒙驁君は大学卒業後、最初の会社で上手くいかず、数年で転職をし、その後も思うような成果を上げられず、転職を繰り返します。周りには若くして優秀な人材が多く、出世に後れを取ります。しかし、蒙驁君は決して腐ることなく、昔ながらの泥臭い案件を任されても持ち前の協調性と、努力で、案件をこなしていきます。そんな中、誰も信用せず、自分が社長になる為に手段を選ばない故、優秀だが窓際に追い込まれている王翦君や、前科持ちの元ヤンだが抜群のビジネスセンスでどんな案件でも圧倒的成果を上げる桓騎君に目を向けます。完全に孤立していた彼らを自分のチームに入れ、そこから怒涛の成果を上げ、部長、役員へと遅咲きながら昇進します。また、生意気な新入社員でも、ビジネスセンスがあると分かれば大胆に採用し、会社への貢献を促します。白老役員と小ばかとも親しみとも取れるような愛称で、誰よりも長く秦株式会社に尽くし、人生を全うします。

戦場もビジネスも一人で戦う訳ではありません。チームを率いて最終的に勝てば良いのです。しかし、中には自分の欲の為、他人を出し抜いたり、仲間を信頼せず、自分の成果にしてしまおうと考える人が後を絶ちません。蒙驁将軍のように癖は強いが優秀な人材を自在に扱うのが実は最強のリーダーではないかと思います。

今回は現代社会に通ずる蒙驁将軍のリーダーシップの資質についてまとめました。次回はまた違うタイプのリーダーについて触れます。

それでは、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用

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