2019.10.18 金曜日

 僕はよく夢を見ます。ここ最近で夢を見なかった日は台風の日だけです。
 今日の夢について書きますと、今日というか昨夜なかなか寝れなかったのですね。寝れないから少し運動して、お風呂に入って冷水のシャワーを浴びてそれでも寝れず昨日の夜の事を思い出したりしながら後悔や反省をしたりしてそれでも寝れず、読みかけの文庫を開きイヤイヤ、これは面白すぎるから寝れなくなると思い文庫をそっと閉じ友人のラヂオを聴きながら寝ようと決める。「寝れへんやろ〜どうせ〜だってこのラヂオおもろいもん〜」と心の中で関西弁で突っ込みながら聴き始めた。両思いの初々しい男女のようなラヂオを聴きながらニヤぬやしていると、気付いたら寝てしまっていた。ごめん。いや、ありがとう。

ええ曲やったわ。
という事で夢の話に戻るのだが、なぜか僕は舞台の稽古場にいた。不安で不安で多くの関係者や出演者がいるという空間の中、僕は稽古場の隅の方に黒のジャージを履いてそわそわしていた。結局人が揃わなかったのかなんなのかトラブルが発生したのか演出家も来ず30分ほど時間が経った後解散するということになった。その30分間のうちに他の方々は仲良くなっていて飲みにいくやご飯を食べにいくやら、「@@さんと仲いいんですか?俺も仲よくて!」などと場を掌握した集団の声のボリュームで文句よりも今後の楽しみに期待する感じでいくつかの集団を作り楽しそうに退出し始めた。
 僕はといえば誰とも話すことができず、共通の知人も全くいないから誰とも話すことなく、かといって自己紹介する時間もなかった為自ら何も名乗ることができず、黒い大きなリュックを背負って一番最後に一人静かに退出した。退出するのが最後だと気付いた時に一人である事がバレぬよう時間をかけてゆっくりと出て帰り道に誰とも会わないようゆっくり歩く。こんなにも人とうまく話せないとは情けないなあと思いながらとぼとぼ日の暮れた帰り道を歩く。家に着き真っ暗な部屋の電気をつける。お腹が減っていたがとてもとても疲れたのでそのまま眠ることにした。夢の中では夢を見なくて、僕はぐっすりと眠っておりました。
 うらやましいなあという感情が出てきたのだが、この感情は脳内のどこから芽生え現実の僕が思ってるのか、それともこの人格も夢の中のものなのか分からないなあなどと思っていたが、夢の中の夢見る僕と僕は一致して真っ暗な中にしばらく潜る事ができた。
 夢の中の僕が夢から覚めると携帯に知らない連絡先から連絡と着信が入っていて、それを開くとあの派手髪で有名なまちゃまちゃからLINEが来ていた。関西弁で書かれた文面には今回の演出脚本がまちゃまちゃである事、昨日は顔合わせが開催できなくてすみませんという事が記されていた。気にしなくて大丈夫ですよ、という旨を返すとすぐに返信が来て、実は昨日、プレッシャーで動けなくなり開催できなかった、という返信が来た。それにあら、大変ですね、僕も不安いっぱいですが頑張りますと返すと私はあなたに会った事がないけれど、SNSや写真を見てこの人だと直感してキャスチングしたと返ってきた。頑張ります、と返した後夢の中の僕はまだまだ眠いから眠くなり、またぐっすりと眠っていた。もう一人の僕はそれを部屋の上空から眺めていた。よく寝るなあ、今のタイミングで寝ていいのか?などと思いながらまた寝ていた。起きるとまたたくさんのLINEが来ていた。
それをかいつまんで説明すると、「あなたと連絡を取って勇気が出た」「今から顔合わせをしようと思う」「可能な人だけでも来てくれたら嬉しいし、急な話だから来れる人だけでもやろうと思う」「昨日私が来れなかった理由もしっかり話してそれでも一緒に頑張りたいとみんなに伝える」「あなたは来れますか?もし可能だったら来て欲しい」といった内容が届いていた。届いてからもう2時間近くが経っていて、夢の中の僕は眠い目をこすりながら少し考え、もう2時間も遅れているから無理だろう、寝てたというのも失礼な話だなあと思いながら「すみません、今日は厳しいです」と返信していた。
 そしてベッドの中でゴソゴソし、寝るわけでもなく何かをするわけでもなく数時間を過ごしていた。するとまた連絡が来た。
 「今終わったわ。来て欲しかったけど無理やったら仕方ないわ。ウチな、この脚本にかけてるねん。この脚本でダメやったら、もう色々やめよおもてんねん。だからな、わがままやら自分のダメなとこも含めて全部ぶつけようおもてんねん。籾木くんをキャスティングしたのもそれや。誰も知らんかったけど、うちはこの人がええから、この人でやりたいから、って無理やり推したねん。せやけどあれやで、余計なプレッシャー感じんでええからな。これはうちの勝負なんや。うちがこれにかけてるだけやから。少しでもいいから手伝ってな。」
 夢の中の僕は激しく後悔していた。なぜ僕は2時間遅れでも行かなかったのだろうか。人のかけてくれる期待になぜこの形を提示してしまったのか。稽古があるから稽古から頑張ればいいじゃないかと言い聞かせてみたりもしていたみたいだが、そんなものは当たり前の事で、それよりも顔合わせの時点からしっかり人として責任と自覚を持って行動しなきゃダメじゃないか、これはもう取り戻せない。頑張っても頑張っても取り戻せない。そう思いながら夢の中の僕はワンワン泣いていた。

 そこで夢が終わり、目が覚めた。
 随分と長い時間の夢を見た。寝坊したかもしれない!と思って起きると目覚まし時計の時刻より2時間も前でハッとする。5分ほどぼうっとしてまた寝ようかと思うが寝るに寝れない。カーテンを開けると曇り空でなぜだか少しホッとする。
 もちろん僕はまちゃまちゃさんにお会いしたこともなければ直接見たこともい。特別にファンだというわけでもない。夢の意味を考えた。そのまんまだと思う。夢占いをしようにも何をキーワードとして調べればいいか分からない。
 よく分からないが起きた僕はものすごく感動していて、緩やかなやる気が隆起していた。
 大丈夫、なんとかなるさ。夢の中のひどい失敗をしなければいいんだ。あまりにリアルな夢を見ると二つの人生を生きている気がして非常に疲れ難儀していたが、夢の僕は擬似的な失敗をしているが、その時に感じる感情はどこまでもリアルだ。
 そうか、この失敗をしないよう僕はしっかりと生きればいいのか。
 今朝これを書く前にそう思った。悪くない、いいじゃないか。
 夢と現実は交差して、二つの人生はお互いに意味を持ちより濃厚な日々へと消化している。おはよう現実。いいね、夢も現実も。

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