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就活生へのエール

就活生へのエールを僕なりの形で送りたい。


もうすぐ就職活動が本格化する。

今年就活を迎える人たちは今、なにを思っているだろう。社会で活躍する希望を抱いているだろうか。それとも、社会の歯車にならなければいけない自分への失望感にさいなまれているのだろうか。

何にせよ、就職活動はほとんどの学生にとってかなりハードだ。転職が一般的になったとはいえ、貴重な新卒カードを使えるのは1回きりだし、どれだけぼんやり大学生活を送った学生でも、就職活動にかける思いは大きくなるものだ。是が非でも第一志望の内定を勝ち取りたいと思っている学生は多いだろう。

君たちは今後、そんなプレッシャーと戦いながら就活戦線を駆け抜けていくわけだけれど、そのほかに、予想もしなかった敵と出くわすことになる。

就活生を揶揄する、「世間からの心ない声」という敵である。


この時期になると、どこからともなく聞こえてくる。「就活生はみんな同じような格好をしていて没個性だ。」と。

就活支援企業がありもしないマナーをでっちあげ、守らなければ落ちるという恐怖によって君たちを縛り上げている現状には何も文句を言わず、君たちばかりを小突いてくるのである。

そういうことを言ってくる奴はたいてい、就活の当事者ではなく、就活の切迫感を想像できない連中だ。安全地帯から石を投げてくるだけの無責任な輩なのだ。

自分に関係のないものをバカにするのは本当に簡単だ。自分のターンが回ってくることがないと確信できるなら、なんだって言えてしまうから。もし自分がその立場なら・・・なんてことを考えずに済むのだ。


「自分はとてもじゃないが没個性になんてなりたくない。」とわざわざ就活生を冷やかすような声も聞こえてくる。

就活生と同年代ぐらいの若者が言いがちなのだが、彼らがなぜこんなことを言うかわかるかい?彼らには自信がないからだ。

”個性”を大切にする生き方は常に孤独との戦いである。戦いの最中、自分のスタイルに不安を抱いた戦士たちは”没個性”な就活生を否定することで自信を保とうとするのだ。”没個性”を批判し、下げることによって自分のスタイルを相対的に上げ、そのことによって安心感を得ているだけである。

本当に個性を大切にしている人は、むやみに他人を没個性とののしることはない。個性とは外見だけで表現しきれるようなヤワなものではないと分かっているからだ。それに、真に個性を信条にしている人は孤独との付き合い方もしっかりしている。個性的であることと孤独であることはコインの裏表のような関係だと理解しているから。


学生に個性を求める企業。

全員に画一的な指示を飛ばす就職支援企業。

君たちが板挟みになっていることを僕はよく理解しているつもりだ。なぜならそれは、一年前の自分が体験したことだから。

「負けるな」とは言わない。けれど、世間からの声で折れてしまうのはもったいない。君たちが本当に悩むべきは、エントリーシートの内容であり、面接官との対話であり、グループディスカッションでの身の振り方なのだ。

正しく悩めば、必ず身になるのが就活だと思う。

世間からの揶揄なんて、僕が打ち返してやろう。

さあ、しまっていこう!



就活生にエールを送ると言っておきながら、僕は去年の自分を励ましていたのかもしれない。世間の声にさらされて精神をすり減らした僕を、自分でなぐさめただけかもしれない。それでも、僕と同じように苦しめられる就活生は必ず生まれる。そんな人たちを少しでも励ませたら幸いだ。


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