NETFLIXのUX進化に見るデジタルトランスフォーメーション
昨年の記事ですが。
ネットフリックスが1年以上なにも視聴していない顧客に対して退会を促す(メンバーシップのキャンセル)と発表しました。
ネットフリックス流の新しいマーケティングのやり方
記事によれば、対象数は「メンバーベース全体の1%の半分未満」(表現分かりづらいですが、全ユーザーの0.5%以下ってこと?)とのことで、すでに驚異的なアクティブ率ということになります。
これまでのマーケティングであれば「非アクティブ率をどう下げるか」に取り組むと思うのですが、彼らはそんな次元はもうとうに過ぎたということでしょう。新しいマーケティングの展望だと思いますし、なにより「イマっぽい」ルールメイキングですよね。小洒落てよるわ。
システム面の対応も万全です。退会に関わるコスト的にも織り込み済み、退会後に復帰する場合も10ヶ月以内であればステータスを原状復帰できるということで、システム改修もクリアしているのでしょう。サブスクリプションサービスを展開する企業として、弛みなく地道な磨き込みも続けているからこそ、こんな展開もさせられるのでしょう。
どんな業界もデジタルトランスフォーメーション
これまではSNSやEC、ネットメディアやストリーミングサービスなど(それこそネットフリックス)、インターネットで完結しやすいプロダクト(いわゆるデジコン)においてイマドキなUXが磨き込まれてきました。
この数年、DXがさかんに叫ばれています。昨年の後半には、ついに行政も重い腰を上げ、デジタル庁の創設に取り掛かりました。行政が動き出すということで、今年以降はいろんなところでデジタル化が加速されるでしょう。
いわゆるZ世代はそういうサービスを使い倒しながら、これからを担う社会人になっていきます。
またIoTの進展でリアル世界のデータの採取はめちゃ簡単になっています。データの格納も、データハンドリングも加速度的にハードルは下がっています。そんな進化をしている世界において、もはやデジタル化は待ったなしです。
既存業界のサービス・イノベーション、たとえば自動車の場合
MOT(Management of Technology)などの領域では、サービスイノベーションの議論が盛んにされていますが、日本において既存業界の雄といえばなんといっても自動車業界でしょう。最近ではトヨタの新サービス、KINTOが有名です。
サービス開始から1年程度の20年5月時点くらいで5千件程度と、まだまだこれからのようです。ちなみにクルマのサブスクというとカーシェアリングも思い出されますが、昨年の利用実績で160万人/3.5万台程度と、認知度ほど普及はしていなそうです。
DIGITAL or DIE
DXの本丸はハンコをなくすことでも、紙をPDFに変えることでもありません。すべての業務プロセスをUX起点に見直し、変えていくことにあります。先述のKINTOの例は、既存のビジネスを既存の延長線上で戦っていけないことの証左なんでしょう。昨今のプロダクト立ち上げからユーザー数拡大にかかる期間が短縮化される中で、10年で160万人はかなり遅いはずです。
(ポケモンGOが5千万ユーザーを獲得するまで19日っすよ・・・)
DXでもなんでも、呼び方は何でもいいですが、本気で立ち向かわないと本当にこういうサービス開発&磨き込みをするプラットフォーマーが全部書き換えることになりかねません。
何が言いたいかというと、正月休みが開ける前にNETFLIX(じゃなくてもいいけど)で課題になっている映画を消化しようということです(笑
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