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リターナルライフ

こんばんは。

今日はちょっとシリアスな私ごと。
よかったら立ち寄っていったくださいね。

この3年、身体を酷使して稼いでちょびっとたまったお金で大学の学費を払ったあと京都で豪遊し、すかんぴんになりやっと勇気を出して辞職しました。

ちんけな預貯金のためにやめられなかったので全部使いました。

負のスパイラルに陥ってる。やってたら体壊すからダメだってわかっている仕事も、現場で皆さんががんばって働いているのを見ると辞められませんでした。
3日くらい敗北感とか、罪悪感とか、収入がなくなる不安とかに苛まれました。
わかる人にはわかるかも、の話ですが私は30年くらい前に出産を機に仕事をやめることになりました。フリーの仕事をしていたために子供を保育園に入れられず、コンビニのパートになったのが流転のはじまりでした。
十把一絡げに「主婦」って言われていますけど、前はスペシャリストだった人にもたくさん出会いました。

で、最近まで働いていた職場で「子育て中の女性」「結婚してない女性」「子育て終わった女性」と一緒に働いていて、やはり女性の人生って現在でも結婚と出産で瓦解していくんだな~としみじみし、そのうえで自分のアイデンティティを振り返ってやっとこさ仕事がやめられた次第。

そこで働いてるみんなも、結婚や出産する前は自分の適性に合った仕事してたと思います。

コロナ禍で失業した人の駆け込み寺のような、男女雇用機会均等法を悪いほうに利用されてるんじゃないかと思うような、けが人が続出するタスクオーバーの職場、病人ばかりの空調完備無しの職場、どんな季節でも凍傷になる冷凍庫ピッキングとか、「この仕事自体が人間に対する虐待なんじゃないか」と思えるような職場を経て「健康に悪いからやめよう」と自分のリスクマネジメントを優先するのに勇気がいるという矛盾。

そして、そういう職場であった善良な女性のみなさんが生活のために必死だった過去の自分と重なり、退職時に「身体に気を付けてがんばってください」としか言えない切なさがありました。

いろんな気持ちがないまじろになりますが、やめて2週間して体調が整い、今日、久しぶりに3時間も集中して勉強できました。

この夏、大学がコロナが終わらないとあきらめて始まったオフラインの西洋美術史の講義に初めて出席できました。
そして、テストとレポートでSをもらい、正気に戻ってからなんとなくもやもやし、先週、5年くらいやめていたテンペラ画の制作を始めるため工房を訪ねて、指導してくださる先生と打ち合わせをし、久しぶりに美術製作の話をし、昨日はしばらく会っていなかった陶芸家の友人とばったりあってなぜか俵屋宗達の話を2時間くらいして帰ってきて自分が何者なのか思い出しました。

子どものことだけ考えてた25年、まじでつらかった。こんな年齢にでも大学に入れてよかった、と思い直して久しぶりに勉強しました。

でも、ちゃんと大学を卒業して、仕事について、独立してくれた娘ちゃんに感謝です。

もし、子育て中の人がいたらぜひ読んでほしい。

人生は思いのほか長くって、子供を中心にして生活していてもまた「その後」がやってきてしまいます。

ちょっと昔のことです。

私が赤ちゃんを連れて歩いていたころ、世田谷美術館というところで市民美術展という趣味で美術品を制作している会の展覧会を見たことがあります。

絵画だけではなく彫刻や工芸や陶芸などいろいろな種類の作品が展示してありました。

そこで、見事な白磁のお皿を見ることがありました。20数年たった今でも忘れられない作品です。
お皿に波がたっているような凹凸があり、そのなかに魚が彫られていて、お皿を池に見立てての清々しい白いお皿でした。

そのお皿を見ていたら壮年の女性に「気に入りましたか?」と声をかけられました。

「あなたがおつくりになられたのですか?素晴らしいですね!何年くらい陶芸をやっておられるのですか?」とたずねたところ「しっかりと作ることができるようになったのは最近です。女性には人生の中で子育てや介護など、やらなければならないことが多いですから、そんな忙しい時にはぼちぼちしかできませんでしたけど、ずっとやりたいと思い続けていたんです。あなたもなにかしたいことがあったら焦らないで、でも、思い続けてなにかいつもできることを続けていればいつかそれをやれる日が来ますからあきらめないでね」と言葉をかけてくださいました。

この、作品を介していただいた言葉が私の中の金言で、くじけそうになった時にいつも思い出してました。

「制作をやらねば」とお金がないけどアトリエのレンタルを予約してきました。(有名な作家じゃなくても制作はしてるんです)

この数年、PCを使う仕事から遠ざかったらどんどんスキルダウンしてとんでもない職場で働くことになってしまっておりました。

でも、育児と家事で時間とお金に追われている生活をしてるとそういう仕事にしかつけないことがありました。
子どもにかかる固定支出が多く、蓄えなどできず、でも、子供がお金がないからと人生をあきらめなくてもいいように頑張ってしまうんですよね、お母さんたち。

「お母さんとはなんだろう」と考えながら働きました。

ステップアップの時間ですよ、とキャリアカウンセラーに背中を押されました。

技能検定資格を取ったり、ハローワークに相談にいってゆっくり仕事を探しながらまた勉強します。

まだ生きているので、働かねば。

この話はこれで終わりです。

過去なんか振り返ってやりませんよ^_^










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