水際対策の勉強

いまこの記事をウィーンで時差ぼけしながら書いているのは、数週間前に急遽日本に一時帰国することなって、その時体験した厚生労働省による水際対策、主に14日間の自主隔離とオーストリアに戻る際の水際対策についての詳細を書くつもりだ。オーストリアと比較して日本政府は相当細かいことを執拗に追ってくる。特にランダムな時間にかかってくる自主隔離中の健康居所確認という称したテレビ電話での室内撮影をしろというのは、プライバシーもなく問題だと思う。

現在、厚生労働省による水際対策として要求されたのは、以下4点。過去の滞在国によっては条件が変わるので詳細は以下より。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html
僕がオーストリアから入国する場合には、以下を用意した。厚生労働省はワクチン接種を確認しない。
・陰性証明書
・検疫所が確保する宿泊施設での待機・誓約書の提出
・スマートフォンの携行、必要なアプリの登録・利用
・質問票の提出

陰性証明書については、せっかくウィーン市が住民にPCRテストを無料提供しているのにも関わらず、日本政府の指定する証明書のフォーマットそしてその検査方法、検体が厚生労働省の指定するものに合致しないということで、EUで日常的に使われているサービスが使えない。というわけで、自費で民間検査機関を探して、日本政府が指定するフォーマットをプリントアウトして持参して、その書式にサインしてもらうという非効率的な作業が求められる。検査方法も検体も細かく、どれが有効でどれが無効だとか書いてあるけれど、医者でない限り全然なんのことかわからない無駄に執拗に書かれている。この書式に少しでも不備があるということで入国拒否やトラブルが発生していると、日本大使館からの注意喚起もあったくらいなので、そこそこの割合で起こっていると想像できる。実際ぼくはウィーン市の検査機関に75ユーロ払った。

検疫所が確保する宿泊施設での待機・誓約書の提出は、もう書類が手元にないので記憶では、当時オーストリアから入国する場合は、14日間の自主隔離と、公共交通機関を一切使わないことを約束するものにサインを求められる。コンビニや銀行など生活を維持するための外出はどうなのかと空港で聞いたけど、明確には答えてくれないので、そういう感じ。しかもこの約束を破ると罰金や懲役まで課せられるという脅しのような文句まであったように思うがうる覚え。オーストリアからの入国に関しては、以前3日間のホテル隔離があったが7月から廃止された。いやホテル隔離しても楽しかったかもしれないけど、僕はホテルに行く必要がなくなった。

スマートフォンの携行、必要なアプリの登録・利用は、アプリを3つダウンロードが求められる。分厚い解説冊子が空港でもらえる。そもそも、僕が出国前に持っていた携帯のOSが古すぎて、インストールできないために、新しい携帯電話を買うことを余儀なくされて、想定外の出費。もし携帯を持ってない場合は、強制的に空港でレンタルさせられる。MySOSという健康居所確認アプリ、これは毎日のように担当者?もしくは日によっては自動機械?でテレビ電話がかかってきて、居場所をビデオで撮影するように求められる、しかも相手の声は聞こえるのにその人物?の顔は見えない。聞いてみるとそういうことになっている、という謎の回答しかない。プライバシーもなにもない。しかも電話に出られないと、掛け直しはできないので、ずっと応答しないとどうなるかは不明。ひどい。二つ目のアプリはOVERSEAS ENTRANTS LOCATERで、毎日ランダムな時間にGPSを使って現在地を知らせないといけない。これも無視しているとどうなるか不明。そのほか、COCOAもインストールしろと言われるが、実際には使わなかった。またGPS機能を常にオンにしておくように求められ、また毎日朝11時になると健康観察と称したeメールが届いて体調などを14時までに返答するように求められるなど、やたらとやることがとても多い。

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質問票の提出は、事前にオンラインで記入しQRコードを見せろというものと、空港に到着したら紙でもらえるものに同じような内容?を再度記入する。よくわからないけど、効率が悪いのはどうにかならないのか?

上記これらの書類のチェックやコロナ検査を空港でやっていくので、およそ3時間くらいは要したと思う。流れの詳細は他の人も書いていると思うので、割愛する。こうやって晴れて空港と出られると、ようやく自由の身にはなるが14日間自主隔離と公共交通機関は使えないので、見ない鳥かごに入れられた状態になる。隔離を終えた時の開放感!

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さて、オーストリアへ戻る時の水際対策はというと、僕が必要だったのは
・ワクチン接種証明書(オーストリアの場合1回目の接種から21日以降で有効)
だけで現在安全国指定されている、日本からの入国では隔離も不要。以前Pre-travel Clearanceなど記入表もあったが、安全国からの入国では不要となった。もしワクチン接種をしていなくても、オーストリアの場合は入国後24時間以内にコロナ検査を受けるという条件入国も可能か。日本の出国空港のチェックインカウンター、そして乗り継ぎ空港のパリのボーディングゲートでは入念に必要書類を確認されたが問題なかった。空港職員もそれぞれの国がどのような書類を求めているのか把握しているわけでもないので、いちいちiPadを使って調べたりする。

東京発パリ経由ウィーン着で向かったので、EU入国となるパリではなんの問題もなくほぼスルー。乗り継ぎ空港では、最終目的地(オーストリア)が求める書類を持っていればいいためか、ワクチン接種証明書すら見せず入国し、ウィーン空港に到着すると簡易の検疫チェックがあり、軍隊(?)がテーブルを並べ一人づつ確認していくが、日本から入国者ということでワクチン接種証明を見せてスルー。隔離や特に提出するものはなし。

東京ではオリンピック開催を目前にして公園が封鎖されたり、渋谷駅前ではオリンピック中止を訴えるグループがデモを宣伝したその1時間後には「コロナはただの風邪」だと主張する一派が演説をしていたりと、それはそれは混乱を極めているけれど、東京ーパリの飛行機の乗車率はおよそ10%だったので、それらも忘れ快適に眠ることができる。今日の勉強はここまで。

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