IBDP日本語Aのチューターとして関わってきた作品分析のヒントを記録しています。私もまだ分析は勉強中ですが、私の授業のイメージの参考になったり、皆さんの分析に役立てば幸いです。
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#日本語Aチューター
「信じるとは何か」を追求した『方舟を燃やす』からの学び[458]
角田光代さんの今年発売された小説『方舟を燃やす』を読み終えました。これは、私がIBDPの日本語Aのチューターとして授業に取り入れている作品です。現代を生きる私たちにとって、「自分が信じているもの」や「信じるとは何か」について深く考えさせられる話でした。また、この作品は昭和の1967年から始まり令和の2022年まで話が進むため、日本のここ数十年の変化を学ぶこともできます。時代の今回はこの作品に関す
もっとみる狭い世界で生きる生きづらさからの解放-『さいはての彼女』からの学び[431]
文学分析の勉強のために、原田マハさんの『さいはての彼女』を読みました。今回はIBDPの日本語Aの指定作品リスト(PRL)には入っていない作者の方なので、SSSTの生徒が作品として取り入れることはありませんが、いろんな作家の作品を読んで視野を広げたいと思っています。
今回は、4人の女性の短編物語として、それぞれの女性が日常生活の中で感じる苦しみから、旅を通じて解放されていく様子が描かれています。
「普通」とは何か?資本主義社会で「世界の部品」となった私たち〜村田沙耶香『コンビニ人間』より[410]
2020年にIBDP日本語Aのチューターサポートをスタートしてから、私自身も文学作品が描くそれぞれの世界観や作者からのメッセージに魅了されています。それまで実用的な書籍しか読んでこなかった私ですが、文学の魅力に触れてから、仕事として読むこともありますが、そもそも文学作品をもっと読みたい!という気持ちになっています。
今回記録しているのは、2016年に芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの『コンビニ