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私が高校卒業後にイギリス学部留学してエジプト学の学位を取得してきた話 #3

前回は一番自分の中でもウェイトが大きかった「英語」の授業についてでしたが、今回はその他に選択した授業「法学」、「イギリス文化」、「IT」、「論理学」について書こうと思います。

まず、この4つの難易度を主観的に表すと、

法学>>>論理学>>イギリス文化>IT

という感じで法学が圧倒的に難しかったです。

法学の授業

もちろん法律の話なので難しいのは承知していましたが、この難しさにはイギリス特有の理由もあるのです。

イギリスとかつての大英帝国の植民地では英国法という少し変わった法制度を取っています。これは過去に何か起きた際の慣習に基づく「不文法」なので、その出来事そのものと、どういう判断をしたのか覚えなければならないんです。授業では特に過去の判例を参照していたので、法律の専門家たちがどんな判断をしたのか追わないといけない。

アメリカも元々はイギリスと同じ法制度の流れに乗っているので慣習法・判例法なのです。ただし、合衆国憲法を制定したので独自の進化を遂げているようです。イギリス(+元植民地)とアメリカということで、「英米法」(英語ではCommon Law:普通法)と呼ばれています。

他のヨーロッパ各国の法制度は英米法との対比で「大陸法」(英語ではCivil Law:市民法)と呼ばれます。大陸法は法律を明文化した「成文法」だという点で英米法とは全く異なります。「大陸」ではないですが、日本の法制度もこちらに属しています。

他の留学生もこの法学は苦戦していて、恐らくテストの平均点が最も低かった授業だと思います。私も大変苦戦して、実は前期のテストで赤点を取ってしまいました!他にも赤点が続出したせいか、後期は難易度が少し下がったのを記憶しています。(先生も正直にそう言ってた。)赤点を取ってしまったので追試を受けなければならないのですが、追試は年度末にまとめて実施されるという制度だったため、学部進学コースを修了できるかハラハラドキドキ、胃に穴が開きそうな夏休みを過ごしました。

授業内容の難しさとは別に、個人的には先生の英語が聞き取れないという焦りがありました。最初の授業での自己紹介によると、フランス出身で高校か大学からイギリスに来たらしいです。訛りはクラスメイトの方が激しかったので問題にならなかったんですが、早口で一言が長い!これにはちょっと困りました。おかげで何度も聞き返したり質問することになり、それはそれで自分のためになったかなとも思いますが、当時は必死でした。まぁ、今となっては良い思い出……かな。

ITの授業

一番簡単だったITの授業は、簡単にいうと「パソコンスクール for ビギナー」という感じでした。パソコンを構成するパーツの解説、Windows標準装備のアプリの使い方のレクチャー、Wordで出来ることの解説と自己紹介の書類を作る演習、Excelの解説とSumとかCountifとか初歩的な関数を使う演習、PowerPointの解説と自分の故郷の紹介プレゼン演習などです。正直なところ中身は面白くは無かったけど、先生がいつも笑顔で良い人でした。あと、テストは無かったと記憶してます。

論理学の授業

論理学の先生も良い人だった。当時は確か大学院生だと言っていたが、今はどうしているのだろうか。ただ、論理学も少し難しくて、受講者も私を含めて4人しかいなかったので、毎回ずっと質問の嵐でした。メールでもしつこく質問して困らせてしまったなぁ。

試験方式

法学もそうだったけども、テストは基本的に論述問題だったので、設問が少なくて1問あたりの配点が大きかったですね。リヴァプール大学だけでなくイギリスの大学がそうなんだと思いますが、論述問題がほとんどで穴埋め問題はほぼ無かったです。そして基本的に「加点方式」なので、間違うことを恐れて少しだけ書くのではなく、何とか得点を加算するために知識をフル稼働させて文章にしていました。"Don't think. Write!" という感じで、皆、一心不乱にガリガリ書いてました。

そういえば、この試験会場が興味深かったです。大講堂や大講義室が会場になっていて、指定された席に座るんです。左右は空席になるようにされていて、前後の列は誰も座らないという配置です。しかも、全く接点のない授業のテストと合同で行うことで、隣の(隣の)席に座っている人は数学を受けていて、自分は法学を受けているといった状態になります。システムとして不正しにくい状況を作っているわけですね。合理的だし、意図しない不正(他の人の解答が見えてしまう等)も防げるので、とても良いと感じました。

イギリス文化の授業

最後にイギリス文化の授業ですが、これが一番楽しかったかもしれない。講師の先生は歴史学が専門で、エジプト学と同じ建物にオフィスがあったので、後に学部進学した後もよく顔を合わせたなぁ。

授業は主に中高生向けのイギリス文化の教科書の講読とディスカッションでした。World Museumという博物館に行ってきて、レポートを提出するという課題が出て、クラスメイトとグループで行きました。イギリスの博物館や美術館は公営が多くて、入場料が無料なところが多いので暇潰しはいくらでもできます。ロンドンにある世界的に有名な大英博物館(British Museum)も入場無料です。World Museumにも古代エジプトの展示があったので、何度か見に行きました。

他にもイギリスの歴史や文化を紹介するBBCの番組を授業で観て、ワークシートに沿ってアウトプットするというのもありました。BBCの番組は日本でもたまに映ることがありますが質が良いですね。

今回のノートはこのあたりで終えたいと思います。
第3回目なのに、まだ正式には学部留学の話になっていない……
次はそろそろ学部に入学するところから始めよう。


【告知】イギリス留学するまでに、それから留学中にも取り組んでいた、英語学習法を有料ノートで公開しています。一部は見れるようにしていますので是非ご覧ください。


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