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第1回バックオフィスに配属された迷える新卒たち (前編)

freeeバックオフィスチーム発信 「たこ壺マガジン」 第1回目は、新卒1年目で経理に配属された「木村」と新卒3年目にIRに配属された「重光」の対談です。

各領域の専門家の集まりであるバックオフィスでは、新人の育成が難しいとされています。加えて、freeeのバックオフィスには、凄まじいスピードで、数々のアウトプットを出していく中途入社メンバーしかいない。そんな環境で、新卒2人はどういう思いでキャッチアップしていたのでしょうか。

前編は、新卒1年目で経理に配属された「木村」を深掘ります。新しい環境で頑張りたい、けど、どうやって頑張れば良いか分からない。自分に向ける期待値の置き方がお手本になる「木村」のお話です

プロフィール
木村 真清(きむら まさや)
2020年4月新卒でfreeeに入社、経理配属。期末決算の統括、有価証券報告書の作成を経験後、PMMを経て、2022年7月PdMに異動。freee会計を使う人から、広める人へ。そして、つくる人へ。現在はfreee会計のさらなる進化のために奔走しています。

重光 佳乃(しげみつ よしの)
2018年にfreeeに新卒入社。カスタマーサポートで顧客対応、SVを経験後、2020年7月からファイナンスIRに移動。ファイナンスIRでは、開示書類の作成や投資家対応を担当。

◆入社最初の3ヶ月は、オンボーディングパートナーに毎日質問

重光 経理に配属される前は、確かインターンでインサイドセールスしてましたよね。経理配属と言われてどう思いました?

木村 セールスをやっていたから経理のことも少しは分かるかなと思っていましたが、実務をやってみると、分からないことが沢山ありました。大学では社会学を学んでいて、会計のバックグラウンドがなかったので、最初は何も分からなかったです。配属当時は、freeeの使い方はある程度分かるが、経理実務や知識は全くわかりませんでした。

重光 分からないことばかりだけど、やってやるぞっという感じでした?

木村 いや、そんな意気込んでないですよ(笑)。

重光 (笑)

木村 分からなすぎて何も考えられなかったという感じです。あとは、新しいことが好きで、経理配属される初めての新卒ということで、新しいことをさせてもらえている感じは好きでした。

重光 経理配属になって一番最初に取り組んだことは?

木村 オンボーディングパートナーに毎日質問をしに行っていました。その日わからなかったことを調べて、質問時間に臨みました。自分の仮説が正しいのか、間違っているなら知識を増やす、ということを3ヶ月続けました。

重光 質問は自分からやろうとおもったの?

木村 そうです。みんな忙しいし、自分からアクションを起こさないと何も変わらない。それに、自分からやらないと最初の成長速度が上がらない気がしますね。

重光 具体的にどうやって勉強したんですか?

木村 会計基準、適用指針、法律などはwebで検索していました。あまり本は読まなかったですね。

重光 いきなり会計基準を見てもわけがわからなくないですか?

木村 そうなんです。会計基準や適用指針は、経理配属時より一年半ぐらいたった今の方が理解できる気がしますね。最初の頃に読んではいたけれど、あまりわかった気にならなかったです。

インプットして終わるのではなく、オンボーディングパートナーに質問しに行ったのがよかったんでしょうね。オンボーディングパートナーは噛み砕いて説明してくれるので。

重光 オンボーディングパートナーに3ヶ月質問をし続けて、どういうレベルまでいったんですか?

木村 ミーティングの内容は全部はわからなかったですね。最初の3ヶ月は、財務諸表の一部しかわかりませんでしたが、1年ぐらい経つと全体が見えてきた感じでした。

会計ってこういうことなのかなと見えてきたのが、最初の3ヶ月が終わった頃です。入社して4ヶ月目ぐらいから、「きむきむをミーティングに連れ出すプロジェクト」を当時のマネージャーがやってくれて、色々なミーティングに参加させてもらいました。このおかげで、少しずつ分かるようになりました。

経理に入って3~6ヶ月ぐらいで、経理ってこんな感じなんだなとイメージできるようになり、そこから視界が開けた感覚がありました。ミーティングで話されている内容が分かるようになってきました。

重光 入社から半年でこの状態って、正直かなり早いと思いました。

木村 いや、めちゃくちゃ内容が分かってきたというわけではないですよ。最初の3ヶ月は霧の中を歩いていて、視界が開けたのが半年たった頃です。

freeeの経理のことなら相談すれば何でもできそうと思えたのは、入社して1年半弱たった期末決算を終えた頃です。新しい会社をM&Aしない限りは、経理で経験できる業務は大体一通り経験できた状態でした。

重光 (きむは現在は経理からPMMチームに異動)(注1)仮にこのまま経理に残ることになっていれば、次はどういうことをやってみたかったですか?もしくは、どういう状態になりたいなど。

木村 PMI(注2)やDD(注3)はやってみたかったですね。経理チームの目標として、「3年でIPO準備企業の経理部長をできるようになる」をおいています。このまま経理として成長し続ければ、IT系の会社であれば、この目標も達成できるようになってたんじゃないですかね。

重光 経理が「3年でIPO準備企業の経理部長をできるようになる」を目標に置いていることは私も知っていて、とてもハイパーな目標だと思っていました。これを射程圏内に捉えられそうな感覚を持てているってかっこいいですね。

配属されて2年弱ですが、先ほどの霧の例に例えると、今はどのような状態ですか?

木村 M&Aとかがない限り、今は霧はないし、どこに行けばいいか、どうやって行けそうかもパッと想像がつく状態になっています。

何をやって何を相談するか、配属当初は全然わからなかったんですけど、今はこのタイミングでここだけ確認しようというのができるようになりました。

2021年春に行ったサイトビジット社のM&Aと資金調達の時期が重なったときに、経理の2人のメンバーが持っていたタスクを同じタイミングで引き継がないといけない時がありました。とりあえずやってみて、わからなければ質問するというスタイルでしたが、それができちゃったんですよね(笑) 。こういうことをいくつか経験すると、適性がついてきて、なんとかなるなという感覚を持てるようになりました。

経理のリソースを使って解決しなかったら、他の人のリソースを使えば良いということもできるようになりました。労務なら労務部に、会計なら他チームの詳しい人に聞くというように、他の人のリソースをうまく使えるようになったのがこの頃でした。自分でやることと相談すること、それをスケジューリングすることがうまくできるようになったのがこの頃です。

重光 社会人1年目の話ですよね?(笑)。 ぶつかっている壁のレベルが高い。

注1:PMM(Product Marketing Manager)
ユーザーの求めているプロダクトを探し出し、ユーザーニーズを満たすようなプロダクトの概念や販売方法を考えるポジションを指す。
注2:PMI(Post Merger Integration)
M&Aによる統合効果を確実にするための、統合プロセスとマネジメントを指す。
注3:DD(Due Diligence)
M&Aの意思決定の際に対象会社等の実態や問題点把握するための調査を指す。

◆キャッチアップ期間を経て、決算業務を仕切るリーダーへ。鍵は「共有」

重光 では次に、決算の話に移ろうと思います。

経理では決算業務の担当者を「決算統括」と呼んでいますね。業務にも慣れ、決算統括として「経理チーム全員が開示に参加できる(属人化防止)仕組みづくり」に取り組んだということですが、業務の属人化は他のチームでも起こり得ることかと思います。新しく配属されたメンバーが「わからないことがわからない」状態に陥りやすいという課題に、どうやってアプローチしたんですか?

木村 まず1点目として、決算統括を経験していないメンバーは、決算資料の作成過程が分からないという問題です。

freeeでの経理では、決算統括が資料を作り、経理メンバー全員で決算資料に間違いがないかチェックをするのですが、決算統括を経験していなくても、資料のチェックができるように、決算資料がつくられるまでの道のりを教える勉強会を開催しました。決算統括を経験していなくても何をどうしているのかはわかるレベルで、開示資料に出てくる数字のつくられ方、ロジック、背景、関連業務などを説明しました。

2点目に、経理と監査法人とのやりとりを電話で行うのではなく、できるだけ定例会で行うようにしました。電話だと電話に出る人だけが情報を持っている状態になります。情報を共有する手間を省くために、情報が他のメンバーに共有されるよう、確認事項は定例会で解消するようにしました。ただ、緊急性が高いものは電話でやりとりしています。

重光 きむは、「会計のプロである監査法人と向き合ってやりとりできているのがすごい」と他の人から聞きました。新人の立場で、会計のプロと向き合うって怖くないですか?

木村 確かに僕は何か資格を持っているわけではないですが、監査法人は僕らの味方で、同じ方向を向いているので、怖いという気持ちはなかったです。あとは、自分1人で抱え込まないで、マネージャーなど周りの力を借りて進めていけたら良いと思っていました。

重光 私は「自分でやらなきゃ」と考えてしまいがちなタイプなんですよね。

「周りの力を借りて進めていく」というスタンスというか、周りにどう頼ればいいか分かっている身の軽さがいいですよね。このスタンスって何から生まれているものだと思います?

木村 いや、わかんないですね(笑)。

でも、チームの人を観察していると、ここまでは自分でやって、ここで相談しにいくというのが感覚的に分かってくる感じあるじゃないですか。あれですよね。

大学時代に社会学を学んでいたんですが、その時に「コミュニケーションとスケジューリング」ということをずっと言われていたんですよね。もしかしたら、ここから来ているものかもしれないです。

重光 コミュニケーションとスケジューリングかぁ。

木村 コミュニケーションとは、「自分の頭だけで考えても相手はわからないよ」ということですね。

重光 「周りに真似ができる先輩がいること」も大事だけど、「自分の状況を客観的に言葉にできる力」がきむは強いのかな。言語化能力が高いと思います。

木村 即興でスピーディーに自分のことを相手に伝えるというのは、僕はできないんですよね。だからずっと考えてます。事前に考えたりとか。

あとは、文章を書いてたからかな。高校では学校の機関誌を作ったり、大学では1ヶ月に1回ぐらいしっかりとした文章を書いていました。今であれば、例えばマネージャーとの1on1の前に内容を事前に整理してドキュメントに書いておきます。



前編はここまでです。後編では、ファイナンスIRに配属された「重光」のストーリーをメインに掲載します。

2022/7/14(木)に木村と重光でセミナーを開催します!新人の育成に悩んでいる方、新しい環境で悩んでいる新人、業種未経験者の方、私たちと一緒に話してみませんか?

【概要】
テーマ:freeeの経理・コーポレート登壇ウェビナー 〜バックオフィスの成長ストーリー〜

開催日時:
2022/7/14(木)12:00 ~ 13:00(オンライン開催/参加費無料)

登壇者:
執行役員ファイナンス統括 原昌大
経理部長         池嶋 真吾
PdM           木村 真清
ファイナンスIR       重光 佳乃

申し込み方法:以下リンクより申し込みをお願いします
https://go.freee.co.jp/IPO-SMN-freeeIR-62022_LP.html

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