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さよなら青空。

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#創作

さよなら、青空。(6)

さよなら、青空。(6)

美夜子が人混みに消えてからしばらく経った。
スマホを確認してみても送ったメッセージには既読すら付かなくて、流石に心配になって電話もかけてみたけれどコールが何度か鳴った後留守番電話へ繋ぐ自動音声が流れただけだった。

広場にある時計の針は7時45分を指していた。花火の打ち上げは8時からだ。
焦る気持ちに拍車を掛けるように打ち上げ花火に関するアナウンスが流れる。

あぁ、本当に何も上手くいかないな。

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さよなら、青空。(5)

さよなら、青空。(5)

終業式が終わって夏休みが始まった。
案の定誘いを断れる訳もないまま私は美夜子と露店の並ぶ通りを歩いていた。

すれ違う人の多さに目が回る。時々ぶつかる肩が少し痛い。家を出るまで楽しみにだったはずなのに、今は熱気と慣れない浴衣の帯が苦しくてそれどころではなくなってしまっている。

「春、次ベビーカステラ行こ?」
「あ、うん。」
当然の様に私の手を引く美夜子は私とは真逆でこの空間をきちんと楽しんでいる

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