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打楽器奏者エヴェリン・グレニーの即興演奏

イギリスの打楽器奏者、エヴェリン・グレニーが、公式YouTubeで即興演奏を披露した。それも、ただの即興演奏ではない。クラシック音楽の打楽器でも、マリンバでもなく、一見おもちゃのような楽器の数々である。

まず、エヴェリン・グレニーの紹介。世界的な打楽器奏者で、マリンバはもちろん、あらゆるものを楽器にして、コンテンポラリーな演奏からポピュラーな曲はもちろん、魅力的な即興演奏をする奏者である。

打楽器というと、多くの人が思い浮かべるのはドラムスだろう。多くのジャンルで演奏され、誰もが知っている楽器だ。少し音楽に詳しい人になると、マリンバという木琴を知っているだろう。人が寝そべったくらいの大きさのある大きな木琴で、多くは4本のマレットを持って演奏される。

ところが、世の中には、もっともっと打楽器はある。オーケストラの演奏で使われるような小太鼓や大太鼓やシンバルもあれば、ブラジルのカーニバルにぴったりなラテンの太鼓やカウベル、アフリカンなジャンべにポピュラーになってきたカホン等、世界中に多くの打楽器が溢れている。

叩くだけではなく、こすったり、振ったり、奏法も様々だ。それに加えて、何を使って演奏をするかによっても音色が変わる。ドラムのスティックや針金のブラシ、鉄の棒やプラスチックの棒の束、ゴムや毛糸の玉のついたマレット、時には素手で叩く。

さらに、叩く場所によっても大きく違う。皮の中心なのか端なのか、楽器の側面を叩くこともあるし、本来叩くことを想定されていないスタンドを叩くこともできる。

それらのバリエーションによって音程や強弱、和音という色彩を作り上げる。そして、その絵の具をもとに、リズムやグルーブという時間要素を付け加えて、音楽にしていく。

それらを見事に使いこなして、自由に、創造的に音楽を作り上げるのが、エヴェリン・グレニーの魅力である。

音楽のジャンルとしては、フリーインプロ(インプロビゼーション、即興演奏)に近いのかもしれないが、ここでは音楽療法としての文脈で紹介されているようだ。まずは、最後までお聞きいただきたい。

人によっては、「これが音楽なの?」と思うかもしれない。同じようなことを子どもがやりはじめたら、叱ってしまうかもしれない。それでも、慣れてくると魅力を感じてくるのだ。

というよりも、やるがわになった方が圧倒的に楽しい。それこそ、子どものように好奇心に任せて音を楽しむのだ。エヴェリンの魅力は技術的な要素もあるけれども、既存の音楽にしばられがちな我々にとっては、そこからの解放という方が、大きいかもしれない。これが音楽療法的であることもうなずける。

ぜひ、公式チャンネルから、他の演奏もお楽しみいただきたい。




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