アニメを必修科目にしてほしい

「未来少年コナン」が、NHKで放送されるらしい。

小学生の時に、「今日は授業でコナン観るって!」と言われ、もちろん「名探偵」の方だと思っていたから楽しみにしていた。そうしたら、ずいぶん古い画質のアニメが始まったから、「え、どこがコナン?」ってがっかりした記憶がある。

大人になってから改めて観てみると、すごい名作だったのだと実感した。ただ、正直全て観られていない。大人になると、アニメを観るのにも一定の体力が必要なのだ。それが、NHKで放送されるという。ありがたい機会をいただいた。

大人になってから、アニメの名作に触れるようになった。自分がリアルタイムで出会ってきたアニメが、名作、古典になっていくこともある。でも、アニメの歴史はけっこう長いから、まだ出会いきれていないアニメも多い。

若い人になればなるほど、まだ出会っていない名作が多いだろうし、日々名作は増えていく。世間ではそうでなくとも、自分では名作だと思える作品だってある。名作とまではいかなくとも、出会って良かったというアニメもある。いくら観ても時間が足りない。

せめて、その中でも、いわゆる名作には、全ての人が出会えるような環境があればと思う。個人的には、ジブリとディズニーは必須教養だと思っている。異論は認める。多くの人の人生を変えてきた、自分にとっての必須教養を選び抜くのは簡単ではないだろう。

それでも、そのようなアニメに出会う機会があればいいと思う。大人になって話をしていると、初対面の人でも、共通のアニメ体験で盛り上がることは多い。カラオケでアニソンを歌えるだけで、けっこう盛り上がる。また、アニメを観ているからこそわかるネタや、パロディも多い。特定のアニメを観ていなくて、困ることもある。

いっそのこと、学校のカリキュラムに入れてもらえないだろうか。学校では、発達に応じて必要な力を身につけたり、その社会で生きていくための知識を手に入れたりするために、最適化されたカリキュラムが作られている。大まかな所は10年に1回くらいに変えられるけれど、近年はそんなに大きくは変わっていないように見える。

そんな中に、ちょちょっとアニメを学ぶ機会を授業に入れてもらえないだろうか。アニメの歴史を学んだり、アニメ制作や文化論としてのアニメを学ぶことは、生きていく上で結構役立つんじゃないかと思う。アニメの歴史は思想の歴史、社会が求めているものの歴史だ。その背景にあるものを知ることで、想起されるものは大事だと思う。アニメ制作には、クリエイションと共同作業の喜びと辛さが詰まっている。そして何より、アニメは日本を代表する文化である。国民誰もが知っておいていい要素がたくさんあると思う。

まずは、「アニメで学ぶ」の段階でもいいと思う。でも、「アニメを学ぶ」になった方が、おもしろそうではないか。教える方も、学ぶ方もドキドキできる。もともとは、どの科目もそうなんだと思う。教える方も、学ぶ方も楽しく、ドキドキしながら教育の場が生まれてきた。それが、社会の変化からどうしても遅れがちになってしまうようになってきたんじゃないだろうか。

総合的な学習とか、探求学習とか、英語学習とか、プログラミング教育とか、新しく見える教育はどんどん導入されているけれども、今の社会の速さから比べると、ずいぶん時代遅れに映ってしまう。そして、日々増えていく教育に対して、変えてもいいものや、なくしていいものは変化せずに残ってしまいがちだ。

今の時代におもしろそうなもの、ドキドキするもの、楽しいものを中心に教育を変えられないだろうか。それは多分、大本から変えることは難しいと思う。でも、個々の教育現場で多様性を持たせることはできるだろう。

ということで、どこかの学校で、アニメを必修科目にしてもらえないかな、と思う。多分、その先生になれそうな人はたくさんいるだろう。大御所の専門家から、狭く深いマニアまで、そんな人達が教育してくれたら、楽しそうだな、と思う。

そんな思いがあったかはわからないが、小学校の時コナンを観せてくれた先生は、思い切ったことをしたと思う。あの時は、ちょっとがっかりしてごめんなさい。

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