見出し画像

読みたいことを、書けばいい。【読書のきろく】

読みたいことに、しっかり向き合えているか。問い続けられる

最近、SNSで見かけることが多くなって、気になっていた本のひとつ。買おうかなと思いながら図書館の予約を調べたら、すぐ借りられる状態でした。なので、とりあえず借りて読み終えたのが今。

これは、文章を書くテクニックの本ではありません。

タイトルがそのまま答えで、本の中でも繰り返し述べられていますが、「自分が読みたいことを、書けばいい」。

ただ、読む前に僕が勝手に抱いていた印象とは、違った重みがありました。
「読みたいことを書けばいいから、もっと気軽に楽しく書いちゃおう!」、みたいな、軽いノリなのかなと想像していたんです。勝手に。ごめんなさい。
わざとくだけた表現を使いながら、そんな雰囲気で書かれている部分もありました。

でも、大事なことは、書く対象となる事象に、いかに真剣に向き合っているか、なんだと改めて思わせてもらいました。
そう感じさせてくれた章のタイトルは、「一次資料に当たる」。
物事の表面的な部分や数少ないサンプル、ネットで調べてたまたま出会った内容は、残念ながら情報としては弱い。出発点まで遡って本質を捉えるには、それなりの調査が必要になります。当然、時間も労力もかかる。
一次資料に当たる方法として著者がオススメしているのは、公立図書館を利用すること。調べたいことの方向性が決まったなら、司書に相談するとその先の世界に導いてくれるそうです。こちらの目的に応じて必要な資料を調べる専門家が、司書。そうやって「調べる」を重ねることで、書きたい対象の本当の姿が見えてくるのです。

書こうとしてること、つまり、あなたが読みたいことは、それだけの興味を持っていることなんですか?と問われている気がしました。

でも、確かに、たくさんの文献を当たったり、人に尋ねたりして集めた情報の根源がそこにあるなら、興味が湧きます。真実を知りたいと思うし、それをどう解釈して表現してくれるかも楽しみです。

著者の田中さんは、ことばの定義も大切にしています。
今、ネット上にあふれている文章の多くは、随筆。思うがままに筆に任せて書かれた文章です。
この随筆を、田中さんはこう定義します。

「事象と心象が交わるところに生まれる文章」
>p.54より引用

何かの出来事に出会った時に、僕たちの心が反応します。
この気持ちを誰かに伝えたい、と思う。

その瞬間には、まずは自分自身の感動があるから、感動をもたらしてくれた事象をしっかり調べる。同時に、心の動きをことばに表現する。

調べる部分は、まだ僕は弱いなと思いました。

「読みたいことを、書けばいい。」

読みたいことに、しっかり向き合えているか。問い続けながら書いていきたいと思います。

読書のきろく 2021年47冊目
『読みたいことを、書けばいい。』
#田中泰延
#ダイヤモンド社

#読書のきろく2021

この記事が参加している募集

読書感想文

最後まで読んでいただきありがとうございます!少しでもお役に立てたら嬉しいです(^-^) いただいたサポートは、他の誰かのお役に立てるよう使わせていただきます。 P.S. 「♡」←スキは、noteユーザーじゃなくても押せますよ(^-^)