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か「」く「」し「」ご「」と「【読書のきろく】

友情と気持ちの行ったり来たりに、青春だなぁとつぶやきたくなる

タイトルが気になって、いつか読みたいと思っていた作品。中身に対する情報収集をせず、高校生がこっそりと小説家を目指す物語だと勝手に思っていました。
「かくしごと」は、「隠し事」であり「書く仕事」なのかなと。

でも、まったく違いました。いや、半分正解で、半分間違い。

登場するのは、表紙に描かれている女子3人と男子2人の高校生たち。それぞれが、他人に言えない特殊な能力を持っている点で、僕が思っていた「隠し事」までは正解でした。特殊能力はこの物語の独特なものだけど、それぞれが抱く感情は、僕たち誰もが心の中に隠し持っているもの。読みながら、共感したり、もどかしくなったり、応援したくなったりします。
青春だなぁとつぶやきたくなるのは、自分がもうおじさんだという証拠なんでしょう。

あと半分の「かくしごと」は、最後の章で答えが語られていました。
5人それぞれの目線で高校時代の友情や恋愛を見つめると、みんな違う性格で異なる悩みを抱え、でもその人にしかできない関わり方で誰かの力になっていることが分かります。そして、最後の最後でもうひとつの「かくしごと」が出てきて、なるほどねと納得。
そんな種明かしも含めて楽しめました。

表紙と裏表紙をよく見ると、そんな青春物語を繰り広げる5人の周りに何やら記号が飛び交っていて、机の上にはいくつかのアイテムが置かれています。読み始める前は特に気に留めてなかったけど、ここにもなるほどねのかくしごとがありました。

読書のきろく 2021年50冊目
『か「」く「」し「」ご「」と「 』
#住野よる
#新潮社

#読書のきろく2021

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