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自由研究をやらずに大人になった問題┃『独学の地図』を読んで

みなさん、幼い頃、「自由研究」やりましたか。
小学生の時などに、夏休みの宿題出出される、アレです。

、、、私はというと、本屋に売っている「自由研究」キットで、朝顔の観察か何かを適当にした記憶が薄ら・・・。
「自由研究」と聞いて、そこまでポジティブな印象はない。どちらかというと面倒くさくて、ちょっとどうでも良い(コラ!)と思っている宿題でした。

今回読んだ、荒木さんの書籍『独学の地図』に、自由研究の持つ本質的な意味が紹介されていた。自由研究が異彩を放っていたのは、自らテーマを決める、つまり「問いを立てる」という点であり、その本質は、現在の私たちにとても必要な能力である、と荒木さんは紹介している。

うむむむむむむ、確かに私、これまで「問い」を立てる練習をしてこなかった。自由研究に限らず、学校の宿題も、算数のテストも、読書感想文も、就職活動も、「課題」は先生や社会システムから与えられ、その決まった問いを、ひたすら打ち返していくことに、一生懸命だった。何なら打ち返すのが大好きになっている笑。

さらに、2023年に現れたのがChatGPT。問いに対して、めっちゃ答えてくれる・・・!でも「自由研究」をちゃんとやってこなかった私は、そもそも問いを立てられるのか?!と焦る私に、寄り添ってくれる本でしたので、記録しておきたいと思います。

『独学の地図』荒木 博行著 https://a.co/927c5Hy

本書は、過去の自分の学びの土台を「ラーニングパレット」と称し、自分は獲得してきたパレットの色彩を知ることで、今後自分が学びたい色も探索及び進化することが可能になる、としている。そのために必要な3つの要素①独学の行為(疑問x差分x他者)②独学の能力(自己批判筋x保留筋x抽象化筋x具体化筋x表現筋)、③独学の土台(自分軸のラーニングパレット)を紹介している。

なぜ、同じことを学んでも大きな差がつくのか

知り合いに、学んだことをあっという間に自分の血肉にしてしまう友人がいた。その友人とは、共にセミナーや飲み会に参加することも多かったが、同じ場で同じ事を経験しているはずなのに、友人のアウトプット量は凄まじかった。例えば、同僚の日常の出来事を具体的に且つ面白く話し、いつも場を和ませていた。例えば、TOEICの勉強を一緒にスタートしたはずが、半年足らずで900点以上のスコアを獲得したいた。

なぜ、同じことを学んでいるはずなのに、大きな差がつくのだろう?
荒木さんは「学び方」に大きな違いがあると話している。ある人は何を学んだのか記憶にも残っていない。一方で、その場をきっかけに、新たな発見をして行動に移し、人生を具体的に変えていく人もいる。

鍵の一つが、冒頭に紹介した「自由研究」である。つまり、学びの出発点に問いや疑問をおき、「その問いの答えを知りたい」から行動するのである。

ちなみに、そんな疑問や問いが簡単に生まれないよーという時も多いだろう。私は忙しかったりすると、1週間前の問いもすぐに忘れてしまう・・・。そんな時は自分の感情に目を向ける。

無理して遠くを見つめなくても良いし、キョロキョロする必要もない。目の前に降り積もる「やらなくてはならないこと」をこなしているうちに不意に訪れる怒りや驚き、悲しみといった強い感情の裏側に、疑問は落ちているかもしれないのです。

—『独学の地図』荒木 博行著 https://a.co/927c5Hy

上記に加えて、嬉しい時や感動しいた時にも、問いは生まれやすい。感情が動いた瞬間を捉えておくことが大切だと思った。

既知の一般論で、学びの蓋をしない

荒木さんは学びの本質を「経験の前後の差分」と表現しています。

「とある経験をする前の自分( A)と、その後の自分( B)の差分( B- A)こそが「学び」の正体に他なりません。」

—『独学の地図』荒木 博行著 https://a.co/927c5Hy

そうだよね、と思うのですが、これを実際にやってみると、差分を見つけるのが難しい。「準備が大事」「健康に良い食事を摂取することが大事」等、差分ではなく、前から知っていることや一般論で、学びを片付けてしまう、と荒木さんは指摘します。

これ、めちゃくちゃ思い当たる。というか、自分が今朝xに呟いた、読書の感動がまさにこれで切なくなった笑。何のために呟いたんだ!SNSなど他者がいる場所だと、変に忖度して、当たり障りない感想を言ってしまう自分がいる。

「今日のあの出来事は、自分にとってどんな意味があったかな」「どんな気づきがあったかな」

そいうことを日々振り返って、パートナーや友人に話していきたいな、と思った。

ちなみに毎日必ず気づきがあることは、滅多にないと思うので、私は、アンテナが少しでも動いたものに関しては、最近スマホで写真を撮るようにしている。後から何で気になったんだろうーと振り返るようにしています。でもこれも、ちゃんと時間を取ってあげないと難しい。

ちなみに学びにおいて、考えを深めたり、応援しあったり、他者の存在は必要不可欠と思っていますが、危険性にも触れられていました。承認欲求を満たすために、嘘の学びをする可能性がある、と本書では触れられています。

「学びとは 2ミリ程度の些細で繊細なものです。だからこそ、他者との関係性には十分注意しなくてはなりません。  その他者が過度に自分より大きな存在だったり、もしくは逆に過度に自分にへりくだってくる存在でも、良い学びは生み出しにくくなります。  それなりの緊張感がありつつも、いざという時にはしっかり言いたいことが言える、聞きたいことを聞ける関係性にある人が、自分の学びに介在する他者としてふさわしいのだと思います。」

—『独学の地図』荒木 博行著 https://a.co/927c5Hy

私も、かつて評価されたくて、嘘の学びをしたように思う。
心から思っていることではないことを、それっぽく繕って、言葉にできない自分の意見を押し殺し(言葉に出来なかったのも、同時に無力感だった)、承認を得るために、必死に取り組んだ。

人生は限られているので、心が豊かになる学びをしたい。そのためには心が欲するスキなことや、これって何故なんだろう?を追いかけていきたい。大人になって、これからも、「自由研究」に向き合いたいと思ったのだった。


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