旅先のはちみつ

小さなころ、にがい薬をはちみつと一緒にスプーンにのせて、今は亡き母に飲ませてもらった記憶が鮮明に残っています。
家にはいつも大きなはちみつの瓶があり、バタ付きパンにつけたり、ヨーグルトにかけたり、口のまわりをベタベタにしておいしく食べた思い出があります。

そして大人になり、はちみつは虫歯にならないなどよい話ばかりをききますので、相変わらずおいしくいただいています。また、いろいろな種類のはちみつを揃えて、気分や用途で使い分けるのを楽しみにしています。
くせの少ないアカシアなどは万能ですから、そのまま食べるのはもちろん、肉料理などにも使います。味噌とはちみつをお酒少々でゆるく伸ばして、そこに豚肉や鶏肉を一晩漬けて焼けば美味しい一品です。うちではお弁当にも人気のおかずです。

はちみつは近所の店で買うこともありますが、旅行に出ると、その土地のはちみつを探して求めるようにしています。種類も多くなると重いお土産となりますが、試してみる価値は大いにあります。
国内はもちろん、海外の地元スーパーのようなところではちみつを見つけるのも楽しいものです。
ニューカレドニアの朝市では、なぜかジョニーウォーカーの瓶に入っているはちみつを見つけて大喜びで持ち帰りました。

その土地の花から取れるはちみつは、独特のものも多く、特に海外のものは日本で普段食べるはちみつとは味も香りも違っていて、びっくりすることもあります。
タイで買ったはちみつはなかなかクセが強く、ハニーマスタードソースに使用したところ、かなり不味いものになってしまいました。
ただ、初夏のまだ少しかたい桃にかけて食べると、これが絶品!なんとも言えない南国のふくよかな香りが広がりました。やはり、暑い国のはちみつは夏のフルーツに合うのだなという、うれしい新発見となりました。

ひとことに「はちみつ」といってもその種類は多く、どれひとつ同じものはありませんから、その時々の美味しいはちみつとの出会いがこれからも楽しみです。

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